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1971年滋賀県大津市生まれ。大阪外国語大学ロシア語科除籍。IT業界で働きつつ、2006年よりチェルノブイリ被災地で「ナロジチ再生・菜の花プロジェクト」、被災者互助団体「ゼムリャキ」を取材。

過剰人口対策としてブラジルに渡った日系移民と移民について思うこと

 リオ・オリンピックが閉会したが、開会式で七十一年前に広島に原爆が投下された時間帯に、日系移民を題材にした演出があった。私の住む地域にも日系ブラジル人が多く在住しており、休日にショッピングセンターに行くとよく出くわすのだが、改めて、なぜ彼らのルーツである日本人たちが遠いブラジルに移民したのか、満州移民については残留孤児の問題が発生したこともあり、なんとなく歴史的背景なども知ってはいるが、ブラジル移民について、その理由まであまり気にしたことはなかったように思う。

 『日本の少子化 百年の迷走』という本をちまちまと読んでいるのだが、この本に当時の移民事情が記述されている。ブラジル移民全般に関しては国会図書館のブラジル移民の100年というサイトなどを見てもらうとして、本書のブラジル移民に関する部分を簡単に要約すると、明治期に急激に人口が膨張する中、1918年に米騒動が発生、人口過剰と食糧不足を国民に印象づける結果となった。海外に活路を見い出すが、白人優位社会を揺るがす日本を欧米列強は警戒、1924年にはアメリカで排日移民法が施行され、日本人のアメリカへの移民が全面的に禁止された。その動きはオーストラリアやカナダにも広がったが、そんな中、ブラジルが数少ない「希望の大地」となった。しかし、「ブラジルへの移民事業は人口問題解決にとっては焼け石に水でしかなく」(p35)、1930年ブラジル政府は日本人以外の移民を制限、さらに1934年には日本人移民にも制限を課すようになった。その後、満州移民が奨励され始めるのだが、ブラジルへの移民は一時期、国を挙げての一大事業となっていた。

 というわけで、ブラジルへの移民は「過剰人口対策」としての一面が大きかったようなのだが、今や事態は逆で、ブラジルからの「移民」を日本が受け入れている格好となっていて、日系ブラジル人は一時期その多くが帰国したが、最近また増え始めているらしい。

 移民については、日本は頑なに門戸を閉ざしており、インドネシアなどからの看護師受け入れについても日本語の壁などがあってうまくいっていないと聞いているが、実際のところ、技能実習生という形や最近ではフィリピンからの家政婦という形など様々な形で受け入れているのが実情のようだ。

 私は2000年代初頭に中国旅行からの帰りにフェリーに乗ったのだが、多くの「実習生」と乗り合わせることになった。全員女性で若い女性が多かったが、子連れの女性もいて、その子はみんなのアイドルのようになっていた。皆、日本語はほとんど話せなかったが、最初の挨拶を空で暗記していて、私達日本人の前で暗唱してみせたりするなど、和やかな雰囲気がフェリー内にはあった。

 驚いたのは、日本のフェリーから下船してすぐのところに大きなナイロン袋を抱えて待ち構えていた中国人女性がいて、実習生が来るたびにパスポートを没収し、雑にナイロン袋に放り込んでいく姿だった。いかにもな感じの、というか、はっきり言えば、ヤクザ風の日本人男性と日本語が話せる中国人女性の組み合わせの業者の話す内容から、彼女たちがほとんどモノ扱いにされていて、船内で和やかだった雰囲気が一変したのだった。

 船内でよく日中を行き来している事情に通じた方がいて、その方の話を聞くに、事実上、安い労働者を求めてこの制度を利用していることは明らかだった。

 このようにいびつな形で受け入れるのはよくないし、20世紀初頭の日本人移民制限は屈辱と受け取られ、反米感情が育っていったように、日本嫌いを増やすばかりなのではないか。少し前から実習生問題がクローズアップされ始めていて、彼らの失踪問題なども報道されているが、今も基本的な部分に変わりはなく、安い労働力として企業側から期待されているようだ。

 閉塞感が漂う日本社会を活性化させる移民受け入れについて、私は基本的には賛成の立場だが、その負の側面についての懸念があるため、移民歓迎ムードは日本社会にはまったくといっていいほど見られない。しかし、少子化対策に失敗した日本が今後の超高齢化社会を生き抜くためには、もう移民受け入れ以外に道はないのではないかと私は思ったりする。

 このまま衰退していく、というのもアリとは思うが、歪はいつも弱いところに来るわけで、今後、ますます社会がギスギスしたものになっていく懸念がある。大都市でのコンビニで外国人に対応してもらうのにみんな慣れたわけで、徐々に日本社会も移民への心理的抵抗は少なくなっているんじゃないかと思ったりするのだが、どうだろう。日本の場合、中国人移民の大量受け入れ、という問題に直面する可能性があるだろうから、なかなか簡単ではないが、移民の多くが良くも悪くもジャパナイズされるんじゃないだろうか。

 問題は数としては少数でも日本社会に憎しみをもってしまった人への対策、ということになると思うが、このあたり、それこそ、持ち前の「おもてなし」精神でそれなりにうまく日本社会は切り抜けるように思うのだが。楽観的すぎる、と思われるだろうが、私はそんな風に思う。

紹介状なしで大病院にかかると初診時保険外併用療養費(初診時の選定療養費)というのがかかるようになった

 最近、山に入り始めているのだが、すぐに腕や手首周りに発疹が出た。ウルシのヤブを不用意になぎ倒したりしていたため、かぶれたのだろうと自己診断し、痒くて痒くて仕方なかったのだが、ググると2週間程度で治る、ということだったので放置していた。

 しかし、一部はマシになりつつあったものの、手首の下部分が赤黒く鱗状になってきたため、慌てて受診することにした。手首の下部分は長袖を着ていたとしても、その部分がボタン留めになっていて、いわば「穴」になっているため、そこは特に症状がひどくなったようだった。

 電話してみてわかったが、皮膚科のある個人医院は軒並み盆休み休業中で、仕方なく遠方の総合病院に行くことにした。

 結果として、症状からすると虫(毛虫)刺されが主因でウルシなどのかぶれとの総合作用だろうとのことで、「ネリゾナユニバーサルクリーム」というステロイド薬を処方された。まだ塗り始めで、効いている実感はないが、クリームをぬったため、ひっかかないようになったので、治りがいずれにしても早まるだろうとは思う。

 ところで、総合病院に紹介状なしで初診でかかる場合、「初診時保険外併用療養費」というのが別途かかる、ということを今回初めて知った。総合病院には祖母や子供の付き添いでしょっちゅう行っていたが、病院嫌いということもあって、めったに行かないので、こういうのがあるとは知らなかった。

 病院側に聞くと、どうも最近始まったらしく、さらにググると政府広報に紹介状なしで大病院を受診すると特別の料金がかかります。 診療所や病院を適切に使い分けましょう。 というのが2016年4月6日付で出ていて、4月から「義務化された」という情報もある。

 これは主旨としてはわかるし、私もずっと総合病院にはかからずに個人医院にかかるようにしているが、私のような事情に疎い人間もたくさんいるだろうから、あらかじめ受付時にでも、こういう療養費がかかる、というのを一言いってもらえるとありがたかった。私の場合、その説明を受けたら、少し我慢して近所の皮膚科のあるところにかかったはずで、こういう無駄な出費は抑えられたはずなので。

 私が行ったところは2160円だったが、病床数の多い大病院になると5000円とか徴収されるところもあるようで注意しないといけない。私は今回懐を痛めたので、忘れないとは思うけどw。

ウクライナの体操選手で銀メダルを獲得したベルニャエフ選手について、また彼が言ったとされる「無駄な質問だ」についてなど

 体操の内村選手と金メダルを争ったウクライナのベルニャエフ選手のことが話題になっている。内村が最後に逆転したことで、採点に疑問を投げかけた記者がいたが、ベルニャエフ選手は「無駄な質問だ」と言い放った、とのこと。

 「無駄な質問だ」の部分の原文を探したところ、多分、この記事にあるこの部分だろう。

Что касается судейства, то если ставят оценку, она соответствует. Он получал и выше, никаких вопросов не должно быть”, — заявил Верняев журналистам

 ざっくり訳すなら、「審判については言えば、彼らの判定はいつも妥当なものであり、内村は高得点を取った、ということ。疑問の余地はない。」という感じ。「無駄な質問だ」というのは同時通訳者の言葉だが、вопросという単語には「質問」の意味と「問題」の意味があって、彼は記者の質問が無駄と言ったのではなく、単に「判定に問題はない」ということを言ったのではないかと思う。

 私は同時通訳なんてとても出来ないし、正反対のことや、大きく間違ったことを言わなければ、同時通訳の場合はそれでオッケーってところがあるので、ケチをつけるつもりはないのだが、この言葉で検索すると、かなりな反響があったみたいなので、そこまで強い言葉は言ってない、ということは言っておいたほうがいいのでないかと。

 私はそれよりも彼の出自が気になった。というのは、彼はウクライナ代表だがロシア語を話していたので、おっと思って、出身を調べてみたところ、ドネツクだった。ドネツクはロシア語話者が多い地域で、現在、紛争を経て、ドネツク人民共和国がその多くを実効支配している地域となっているところが、親ロシアの人もいれば、親ウクライナの人もいる。彼の場合、試合後のインタビューでインタビュアーのマイクがロシアのメディアのものと分かった瞬間にインタビューを拒否した、という記事が出ていることから、親ウクライナの人だということがわかる。

 また、内村への敬意は相当なもので、内村を陸上のボルトや水泳のフェルプスに例えていたが、さらに「みんな内村がどれほど練習しているか知らないだろうが、おそらく彼は人の20倍はやっている」とも言っている。

 ロシアのドーピングで揺れる今回の大会だが、ドーピングについてはこちらの記事によると、「ウクライナにはドーピングやるお金もないし、私も練習にすべてを捧げることはできない。」と、金銭的にも環境的にも不十分な中で練習をせざるを得ない状況を述べている。

 紛争で揺れるドネツク出身で、経済的にも疲弊しているウクライナ社会にあって、ここまでのパフォーマンスを見せる、というだけで、もうすげぇ、って話だと思うし、世界選手権6連覇の内村をして「次の大きな大会で彼に勝てる自信がない」と言わしめるだけの実力ある選手で、今後ウクライナに希望をもたらす選手になってほしいと思う。

 あと、「ウクライナでは不満噴出…内村に金メダル「盗まれた」/体操」などという記事が出ているが、ウクライナメディアの記事をざっと見たところ、概ね冷静なもので、彼自身が結果に満足していて、内村に敬意を抱いていることもしっかりと伝えられていることも付け加えておきます。

子供が夜にお腹を痛がり始め、うずくまってしまったのだが

 先日、それまで機嫌がよかった子供が、普段は寝転ばないところに寝転ぶなど、ちょっと普段と違う行動を取っていたので、なんだろなと思っていたのだが、そのうち、泣き出して、お腹痛いと言い出した。さすってやろうとすると、触られるのもイヤ、という感じで、床に突っ伏してしまった。そこがお風呂マットのとこで、とても清潔とは言いがたいところだったので、そっと動かそうとすると、激しい泣き声で抵抗するので、お手上げ状態になった。

 幸い少しは話せるようになっているので、どこが痛いのかを腹をさぐりながら聞いてみるとお腹全体が痛い様子。子供の腹痛で腸捻転というのがあり、重症化することがある、というのを読んだことがあって、これはもう家庭での処置は難しく、急患にかかるか、救急車を呼ぶしかない、という判断に迫られ始めた。

 ひとまず、土曜の夜にかかれるところはどこか、まずは電話相談窓口があることが分かったので、そこに電話をかけてみることにした。

 今まで知らなかったのだが、国の事業で「小児救急でんわ相談」というのがあり、#8000にかけると繋がる、ということを知った。また、各県にも電話番号があるようだったので、ひとまずはそちらにかけてみることにした。しかし、「混み合っているのでしばらくしてからかけ直して下さい」のアナウンスが返ってくるばかりで、もういっそ救急車を呼ぼうか、と思い始めた時に、やっとつながった。

 混乱状態の人への対応に慣れているのであろう、落ち着いた口調の女性の方で、一通り子供の年齢や住所、あとなぜか親の年齢などの質問に答えてから、こちらの状態を話し始めた。ここで急に思い出したのだが、今日は日本脳炎の2回めのワクチンを打ったところで、その影響もあるかもしれんな、ということで、そのことも話したが、日本脳炎の副作用で腹痛は出にくいとのこと。ひとまず、その状態が続くようなら診察を受けたほうがよい、とのアドバイスでその日の夜間急患の当番の病院名と電話番号を教えてもらい、電話を切った。

 さて、どうするか。ただ、ともかく、方針は定まった。こうした場合、焦って視野狭窄に陥る場合があるので、こうして第三者に説明することで頭が整理され、それまで忘れていたワクチンを打った、という情報が出てきたりするので、やはり何につけ誰かに話すというのはよい効果があると再認識した。

 しかし、触られるのも嫌がる子供を載せて車で30分以上はかかる病院まで行けるのかどうか、波があるのか、やや痛みが和らぐこともあるようで、穏やかになる場面もあるが、痛いか聞くと相変わらず痛いと言って泣き出すので、もういよいよか、というその時だった。黄土色の物体、つまりはウンチ(固め)がどっさりと床に産み落とされたのだった。

 便秘だったのか! 腸捻転とか悪い方ばかりに考えていたので、便秘という可能性に思いが至らなかった。そういえば、おまるにまたがり始め、「出ない~」を繰り返していたが、ウンチが出かけていた、ということだったのだ。今思えば、その可能性は考えられたはずだが、なんせここまでの痛がり方は初めてだったので、こちらも焦ってしまった。

 離乳食のときなどに何度か便秘になったことはあったが、ここのところ、快便だったため、その可能性が自然と排除されてしまったのだろうが、ちょうど今、トイレトレーニングの真っ最中で、保育園の方でオムツを一度も履かずに全日パンツのみで過ごせるようになったばかりだった。

 北朝鮮からの脱北者が韓国の綺麗なホテルのトイレでどうしても便を出すことができなかった、という話をしていたが、今までとは違う形・環境で便を排出するとなると、どうしても便秘になりがちになるものなんだろうと思う。トレーニング中ではあるが、便秘になるよりはお漏らししてもらったほうがよいので、とにかくいつでもどこでもウンチをしてもいいのだと分かってもらう方向で考えているところ。

 しかし、今日水曜朝時点で日曜から出てないのが気がかりではあるのだが……。

2歳の子へのパズルの教え方

 あまり連れて行ってやれていないのだが、たまに図書館に行くと子供向けの10ピースぐらいで一つ一つの形が明確でわかりやすい簡単なパズルがいくつもあって、それをやらせてみると、最初はなかなか出来なかったが、助けてやると少しずつ出来るようになった。しかし、自分で一からすべてやるのは難しいようで、まだ2歳前半だし、早いかな、と思っていた。

 それが2ヶ月ほど親元から離れて生活していたときに「修業」をしたのか、簡単なものなら出来るようになっていて、そちらで買ってもらったパズルも持ち帰ってきて、それからは毎日のようにそれで遊ぶようになっている。

 少し前にパズルを買ってやっていたのだが、3歳以上対象と書いてあり、盤面も大きくピースの数も24枚もあるため、出さずに保管していたのだが、この前出してやらせてみることにした。

 さすがに一からやるのは無理のようだったので、まずは完成状態から2,3枚だけくり抜いてやらせてみると、さすがにそれぐらいならなんとか出来たので、それを4枚、6枚、8枚、という風に増やしていってみると、8枚ぐらいなら時間はかかるがなんとかできるようになった。

 パズルはお気に入りの遊びのようで、その後、少しずつ枚数を増やしていき、ついに昨日24枚すべてできるようになった。どこで覚えたのか、出来上がると「キャンセー(完成)!!!」と大きな雄叫びをあげるようになったのだが、こちらもその雄叫びがきこえるまでは子供がパズルに夢中ということがわかるので、その間、家事その他が捗り大変重宝している。一種のブームでずっと続くことはないだろうが、しばらくパズルの恩恵を受けることになりそう。

 というわけで、その子にもよるだろうが、大きめのパズルでも、始めは完成状態から2,3枚だけ抜いて与え、完成の喜びを体験させる、というのを繰り返す内に出来る枚数が増えていく、ということが分かった。我ながら、なかなかよいアイデアだと思ったが、ググるとそういうのはあるあるではあるようだった。

 最近、家庭菜園や山仕事をするようになり、畑や木など自然相手に物を自作するなどして工夫せざるを得ない場面に遭遇することがよくある。ググればすぐに答えが出てくる時代ではあるが、自分の頭で考えて試行錯誤する、というのは、先行き不透明な時代、やはり必要な作業なのだろうと思う。もちろん、私もググりまくる人間だし、Google以外の検索エンジンも意図的に使うようにしていて、検索の恩恵を受け続けるが、一呼吸置いて、まず自分なりに考えてみる、というのも、多忙な現代社会にあって、急がば回れでよいのではないかと思う。