カタツムリの飼育

 先日、こんなことがあった。

 とりあえずイチゴの透明パックに入れて、すぐに逃がすなりなんなりしようとしたのだが、外来種を環境中に放っていろいろ問題になっているという話があり、同様に茨城のカタツムリを滋賀に放してもいいのか、今更そんなことを気にしてもしゃあないのだけれども、一応、調べてからにしよう、しかし、もしあかんとなったら、どうしたらいいのか、「処分」せなあかんのやな、ほな、どうしようかいな、子供にも見せた手前、カタツムリどうなったの?と聞かれた時に、天国に行ったのだよとかいわなあかんのやろか、とかどうでもいいことを考えている内に日が過ぎていき、その間、水分は切らさないようにして、適当に小松菜をやったり、糞の掃除をしたりしてると、変なもので情が移ってきた、とでもいうのか、昔小学生のときにカメなどを飼育した経験が蘇ってきて、こうした生き物を飼うのもおもろいかも、教育的効果もありそうだし、というわけで、カブトムシ用の飼育箱をホームセンターで購入してきて、飼育し始めたところ。

カタツムリの飼育
カタツムリの飼育

 子供も関心を持ち始め、カタツムリさんどこにいるとか気にしたりしている。保育園で教えてもらったのか、私の子供時代にはなかった「グーチョキパーで何作ろう」という歌を早いタイミングで覚え、右手をグーにし、左手をチョキにして重ねてカタツムリを作ってよく遊んでいて、さらに去年家庭菜園をしてたときも、畑に出没してたので、実物も一応知ってて、カタツムリは子供にとってなじみのある生物であり、初めてのペットとしては悪くない。

 調べると結構長生きできるようだし、雌雄同体でもう一匹入れると卵を産むことがあるようで、もう一匹入れてみようと思うが、種類とかようわからんので、うまくいくかどうか。

チェルノブイリの日に実施された日本関連の現地イベント3(チェルノブイリ博物館で起き上がり小法師展)

 最後に福島とチェルノブイリ博物館関連の記事でキエフで起き上がり小法師の展覧会が開かれるという記事が出ていた。

 チェルノブイリ博物館では以前、私も関わった福島展が実施されていたが、今も一部展示が残っているようで、ウクライナにおける日本年にちなみ、福島とウクライナの連帯の意味も含め、企画されたとのこと。

 記事には「フランスで活動する高田賢三の発案で震災復興を祈願し、日本や諸外国のアーティストが会津の起き上がり小法師起き上がりにデザインを施し、フランスなどヨーロッパ各国で展覧会を実施した」とある。

 オキアガリコボシ・プロジェクトのFacebookページもあり、動画や写真を見ることができる。

 ちなみに、起き上がり小法師はロシア語でなんていうのか、と思ったら、そのまま「Окиагари кобоши」となってた。ただ、記事のタイトルには「неваляшка」という単語が割り当てられていて、googleでневаляшкаを画像検索すると、赤ちゃんをあやすため用の人形が出てきたのだった。

 英語だと、「roly-poly toy, round-bottomed doll, tilting doll, tumbler, wobbly man」とかいろんな言い方があるらしいが、Wikipediaを見ると、こちらも英語ではOkiagari-koboshiとしかいいようがないようだった。

チェルノブイリの日に実施された日本関連の現地イベント2(ウクライナにおける日本年で桜を2500本植樹)

 次はウクライナの私もよく通っていたジトーミル州の記事で、ジトーミル中心部に日本の桜が植樹されましたという記事。

 2017年は日本とウクライナが外交関係を持って25周年に当たり「ウクライナにおける日本年」として、20都市に2500本の桜を植樹する計画があるとのこと。詳細は桜2500本キャンペーンを参照。

 また、日本はジトーミルに専門的な医療機器の支援を継続しますという記事も同様にジトーミル関連の記事で、チェルノブイリ救援・中部を通して、特にチェルノブイリ事故で最も被害の大きかったナロジチ地区に数百万ドルの支援をしてきたことが述べられている。

 ナロジチ地区には震災後は一度も行っていないが、その後、どうなっているのか、ちょっと気にはなっているのだが、なかなか……。

チェルノブイリの日に実施された日本関連の現地イベント1(ひろしま・祈りの石)

 ニュースチェックしてたら、いくつか日本関連のイベントが報道されていたので、ご紹介しておきます。

 まずはベラルーシのニュースサイトのミンスク諸民族友好公園でチェルノブイリの犠牲者の碑と広島平和の石に献花という記事。

 4月26日、ミンスクのこの公園に事故処理作業者など2000人以上が集まり、犠牲者を追悼したとのことで、その中にはウクライナ、ロシア、日本の大使館関係者も来ていたとのこと。ベラルーシはロシアとの関係がウクライナほどにはこじれていないので、ここではロシアとウクライナの関係者が同じイベントに参加することが可能なのだろう。

 こちらの記事によると、この広島平和の石は2007年10月19日にこの公園に置かれたもので、広島から運ばれたものとのこと。この石自体は原爆投下時に路面電車の敷石として使われていたもので、いわば「被爆石」といってよいものであり、観音像が刻まれていて、すでに100カ国以上に送られており、さらに石の放射線が健康に影響がないレベルであることを示す証明書も添えられているとのこと。

 この石について、ググるとひろしま・祈りの石の会というNGOのページが見つかった。以下にその「設立の主旨と目的」を引用しておきます。

広島電鉄の敷石を払い下げてもらい、その200個あまりに平和を祈る「観音像」とFROM HIROSHIMAという文字を掘り込む手作業を行った市民は、この石を世界共通の「平和希求のシンボル/メッセージ」として世界の国々に受け取って頂けないか、と考えました。この思いが1991年の「ひろしま・祈りの石の会」の設立につながりました。ひろしま・祈りの石 (Stone for Peace) を持つことにより、それぞれの国で平和の尊さを再考してほしい、世界に平和の輪が広がってほしい、という強い思いは多くの人々の賛同を得ています。1991年にペルー大統領に最初に石を贈呈して以来、贈呈国は100カ国を超えました。今後も世界の平和に向けて祈りの石を通じたメッセージを発信し続けます。

2017年時点の世界の脱原発動向まとめ

 世界のエネルギー動向と題した、現在の脱原発動向をまとめた記事があったので、多少色をつけながらまとめてみた。

 このBellonaというサイトは本部がノルウェーのオスロにあるNGOにより運営されているようで、ロシアにもサンクトペテルブルクとムルマンスクに支部があるようだ。ロシア語以外にも英語とノルウェー語で情報発信がなされている。


 産業としての原発のピークは2006年で、世界全体の原発のシェアは2016年には10%となり、その20年前の17.6%から大幅に落ち込んだ。

スペインの原発

 スペインでの原発開発は世界的にも最初期からなされており、フランコ独裁期の1940年代にすでに始められている。1964年から1968年にかけて加圧水型(PWR)、沸騰水型(BWR)、ガス冷却炉(GCR)の3種類で建設が始まり、それぞれ1969年から1972年にかけて運転が開始された。しかし、フランコの死後から失速し、1979年のスリーマイル島事故を受けて、1983年以降、原発建設計画は大幅に縮小された。1988年以降、新設はなされていない。現在、PWR6基、BWR1基が稼働中で原発依存度は約20%。

イタリアの原発

 イタリアには4基の原発があったが、チェルノブイリ事故を受け、1987年の国民投票で原子力の平和利用を拒絶することが決まり、1990年にイタリアの全原発が停止した。2000年代になって、ベルルスコーニ政権は再び原発を建設しようとしたが、福島第一原発事故の発生を受け、2011年6月に原子力利用再開の是非を問う国民投票が実施され、94%が反対票を投じ、原発再開に国民はノーを突きつけた。

オーストリアの原発

 1970年代に6基の原発建設計画があったが、1978年に国民投票が実施され、賛成49.5%、反対50.5%という僅差で反原発側が勝利し、開発計画は頓挫した。当時、完成していたツヴェンテンドルフ原発は稼働することなく閉鎖され、「世界一安全な原発」と言われている。また、オーストリアは他国からの原発による電力の輸入も拒絶している。

ドイツの原発

 現在、ドイツに17基の原発があるが、一部はすでに停止している。2022年までに原発をやめ、再生可能エネルギーへの転換をはかる予定。このために3兆ユーロが必要と見積もられているが、2022年には最後の3基が閉鎖される予定で変更予定はない。

ベルギーの原発

 ベルギーでは現在、2箇所で7基の原子炉が稼働中。1993年には原発依存度が60%に達し、フランスに次ぐ割合となった。1999年、連立政権下で原発の段階的廃止が決定され、新設が禁止となり、耐用年数は40年とされた。その後、この決定の見直しが図られたが、オランダ語圏とフランス語圏の対立による政治の空白で法制化できなかった。福島第一原発事故後の連立政権で10年延長が予定されていたドール1、2号機を2015年までに閉鎖し、チアンジュ1号機のみ10年間運転延長することを決定した。2025年までに全廃の予定。

スウェーデンの原発

 ここ数年、スウェーデンの原発依存度は40%程度で3箇所で10基の原発が稼働している。1979年のスリーマイル事故を受け、1980年に国民投票で段階的廃止を決定し、1999年と2005年にバーセベック原発で操業が停止され、2018-2020年にリングハルス原発で期限前の停止が予定されている。2017年中頃にもオスカーシャム原発の1基が廃炉予定で原発全廃に近づいている。

 (※宮腰注:ここには書かれていないが、他の情報源を見ると、2010年までに全廃予定であったが、今も稼働しており、スウェーデンでは原発全廃は事実上撤回されており、既存の原子炉10基をリプレースで建設することが許可される可能性がある、という記事が出ている。Financial TimesのBoost to nuclear energy as Sweden agrees to build more reactorsなど参照。)

スイスの原発

 スイスでは現在5基の原発が稼働中で、原発依存度は約40%である。福島第一原発事故後に段階的脱原発を目指す「エネルギー戦略2050」が策定され、今後10数年で全廃される予定で、現在のところ、2018年までに老朽原発3基が、2024年に1基、2029年に最後の1基が廃炉予定である。

 (※宮腰注。既存の原発の運転期間について、2029年全廃とする案は2016年の国民投票で否決された。また、2017年5月21日(つまり今月)、全廃の方針に対し、改めて国民投票が実施される。詳しくはこちらを参照)

フランスの原発

 原発大国フランスは現在、58基が稼働中であるが、老朽化に伴う事故の増加や再生可能エネルギーの普及などで原発が政治的論争を呼ぶ話題となっている。

 大統領候補だったメランション氏は原発を全廃し、2050年までにすべての発電を再生可能エネルギーで賄うと主張し、アモン氏も同様の主張を述べていた。

 全廃した場合、リサーチによると、その解体コスト、代替電力への投資、金銭的保障含め、2170億ユーロのコストがかかると見られている。

 (宮腰注:フランス最古のフェッセンアイム原発の閉鎖延期が2017年4月6日に決まり、原発論戦も盛んになっているようで、こちらによると、ルペン氏は「近代化、安全化」との条件付きながらフェッセンアイム原発の維持を唱えるが、マクロン氏は廃止を訴え、さらに原発依存率50%削減を公約にしている。)

台湾の原発

 台湾では現在、3基の原発が稼働中で原発依存度は約16%。さらに2基の建設計画あったが、コスト上昇や大規模な抗議行動もあり、2014年に中止が決まった。

 2016年発足の蔡英文政権は2025年全廃を決め、期間延長もしないことが決まった。2018年から停止される。

ベトナムの原発

 2009年、ロシアと日本が原発建設を受注したが、福島第一原発事故後の建設コスト増大、および、他のエネルギー資源が安価になったこともあり、2016年白紙撤回された。


 改めてまとめてみると、スリーマイルきっかけの国(例:スウェーデン)もあれば、チェルノブイリや福島第一きっかけの国もあり、各国いろいろであるが、その中でも異彩を話すのがオーストリアで、スリーマイルの数ヶ月前に国民投票で脱原発が決まった、というのは、そういう国があるのだな、と感慨深い。

 その経緯についてはオーストリアの原子力への「ノー」~なぜ脱原発が可能だったのかに詳しい。

 世界で最も原発依存度の高いフランスでは大統領選の結果いかんによっては原発政策に大きな変化が生まれる可能性があり、注目したいところ。