ウクライナから帰ってきて1週間経過した。いつもは行ったら行きっぱなしで映像整理はもちろん写真整理もままならなうちに日々の生活に突入してしまうが、新鮮なうちに可能な範囲で諸々書き残しておこうと思う。
というわけで、まずはチェルノブイリ博物館のことから。今回の渡航目的の一つに福島展の展示のために福島県の方からお借りした展示物を持ち帰る、というのがあり、特に法螺貝は持ち運びに気を遣ったが無事持ち帰ることができた。快く持ち出しを許可していただいた福島のWさんにお礼申し上げます。
福島展は去年夏頃から今年の上旬まで展示されていたようだが、今も1階の一部のコーナーで展示が続いている。
福島のあぶどらさん(@datechibu)やバグパイパーのかとけんさん(@katokenjiro)の写真などが今も展示中です。
今の1階のメインテーマはチェルノブイリ周辺の野生生物で、剥製や写真、様々な地図や説明などが展示されている。
上は事故から10年後の動物の汚染マップで、30000Bq/kgを超える生物がいたことがわかる。
いつものように、ウクライナの子供たちがチェルノブイリ博物館に課外学習に来ていた。
この柱の写真はアンナ・コロレフスカ副館長が特にこだわった写真で、木に結びつけたリボンを見つめる女性の写真。
種明かしをしてしまうと、この女性はとある行政長の奥様でリボンで風向きを調べているのだが、見るものに問いかける何かがあるとのことで、この柱のこの位置に展示されることになった。この写真は博物館入口からは見えない位置にあり、ひと通り一階の展示物を見ても気づかずに二階に行ってしまうことが多いようで、階段から降りてきたときに初めてこの写真を目にすることになるのだという。階段から降りてきた来館者はここで初めてこの写真を見て、「これはなんだろう?」と思いを巡らせることになる、という仕掛け。
この建物は元々博物館にするために設計されたわけではなく、ずいぶんと「らしくない」空間だったりするが、その中で来館者がどのように行動するか、その動線を知り尽くしている方ならでは配置の妙で、うならされたのだった。というか、鯉のぼりが天井を泳いでいるのを見た時も度肝を抜かれたが。
チェルノブイリ博物館では音声ガイドも用意され、日本語のもありますので、訪問された際は是非どうぞ。(というか、イタリア語のとか前見たときより増えてるし!)