ウクライナ動乱から1年が経過

 ウクライナ動乱から1年が経過した。イスラム国のこともあって、停戦合意や合意崩壊危機のニュースも、NHK7時のニュースなどでトップニュースにはなるものの、日本国内での関心は低下してきているように思う。

 もちろん、こうも愉快でないニュースばかりが伝えられ、いい加減、食傷気味になるのも仕方のないところで、おそらく、イスラム国のことも多くはもうたくさん、ってところではないかと思う。

 いずれも日本から遠い場所での出来事であり、自分の生活範囲内と関係があるとは思えないため、そうした反応になるのも仕方のないところだろう。私も含めた話だが、日々の生活に追われていると、新奇な出来事を受け入れるキャパというものがあるようで、それを超えるともう入らないらしいのだ。

 そうはいっても、である。もはや、いずれの国・地域も鎖国する時代ではなく、遠くの国・地域の出来事がすぐに自分の周囲に影響する可能性がある時代である。特にインターネットの恩恵で(これは功罪あるが功が大きいと考える)遠くの出来事でもその気になれば、いくらも情報を得ることができる時代であり、一時的に低下してでも、関心を持続する、ということが大切なのだと改めて思っている。

 私のツイッター・アカウントはほとんどウクライナ・ニュース・ボットと化している有り様だが、関心を持続するためにやっている面があり、フォロワー数はぐいぐいと減る一方だが、懲りずに続けている。一応、他にも関心分野は多くあるが、なかなか仕事メインで生活してると時間が取れず、さらに育児にも結構時間を取られるので、ちょっと当面は余裕のない生活が続きそうで。

 ウクライナ情勢については、私はウクライナ人には怒られるかもしれないが、軍事力の差は歴然としており、さらに領土を削られる危険があることを承知しつつも、とにかく、一般人が無為に殺されている現状はどう考えてもまずいので、現状で停戦として欲しいと切に願う。

 あまりきな臭いことは言いたくはないが、「臥薪嘗胆」という言葉があり、この言葉は日本がロシアを含む国から三国干渉を受けた時にスローガンとなった言葉だ。ウクライナの人たちは腸が煮えくり返る気持ちでいるだろうが、今はどうか耐え忍んでほしいと思う。

 一応、言っておくと、一方でロシアだけを悪者にするのも私はどうかと思う。一部で言われているように、中途半端にちょっかいを出している国の方がもっとタチが悪い、という話もあって、陰謀論めく話ではあるが、いくらか私も同意出来る面があると思っている。ただ、プーチンという今のロシア人の多くが支持する一人の人間の思惑が今回の事態を招いている面が大きく、また、クリミア併合以降の動きは、怒りまくったプーチンが後先考えずに感情的に決めたのではないか、という見解があり、私はこれが正解に近いのではないかと思っていて、プーチンは時々ウクライナ人を同じスラブ民族の「兄弟」と言うが、とっくにウクライナ人の方では見切りをつけており、プーチンが今後長期間に渡るウクライナのロシア離れを決定的にしたといえると私は考えている。そして、これはウクライナ人・ロシア人双方にとって不幸なことだったと思う。

 ウクライナが現状でEUに入って、一般の人たちが幸せに暮らせるのか、というと、ギリシャ周辺の動きを見ても、ちょっと見込みは薄いのではないか。ウクライナ国内には東南部に限らず多くのロシア系住民が、そしてロシア国内にもウクライナ系の人が多数住んでおり、ベラルーシもしかりだが、この三カ国は分かち難い関係にあり、ソ連崩壊からまだせいぜい四半世紀を経た程度の現状では、まだこのような離反はすべきではなかった。

 ネット上でウクライナ関連の言説を見てると大上段から識者面して分析する人たちの言が時々目につくので嫌になるが、私は国籍問わず最も被害を被っている一般人への眼差しの在処がその品性を見極めるポイントかと思っている。もっとも、品性などというと、十分お下劣な私にもリバウンドで帰ってくるので、今日はこの辺でやめといたろ。