チェルノブイリの日に行われたデモ(ロシア編)グリーンピースが水上原子力発電所に抗議

 こちらによると、グリーンピース・ロシアの抗議活動がサンクトペテルブルクのネヴァ河で行われた、とのことで、記事内の写真を見ると「水上のチェルノブイリに反対!」という横断幕が見える。サンクトペテルブルクでは「アカデミック・ロモノソフ」という水上原子力発電所が建設されており、ロシアのプロパガンダサイトのスプートニクの世界初の水上原発が2019年極東にという日本語記事によると、2019年に北極圏のチュクチ半島にあるロシア最北端の街ペヴェクで稼働を予定しているようだ。ここは対岸がすぐアラスカなんだが、アメリカは何らかの抗議の声を上げるのかどうか。

 あと、サンクトの割りとど真ん中でこうした施設が建設されている、というのはちょっと驚きだが、試運転もここでやるつもりなんだろうか。Wikipediaのアカデミック・ロモノソフの項を見ると、契約不履行のための移転や会社の破綻などでサンクトに今、置かざるを得ない状況になっているようだが。

 ПАТЭСでイメージ検索するといろいろ画像が出てくる。ロスアトムの公式映像はこちら

チェルノブイリの日に行われたデモ(ベラルーシ編) チェルノブイリの道(чернобыльский шлях)

 ベラルーシで毎年行われる「チェルノブイリの道(чернобыльский шлях)」というベラルーシ野党主催のデモ・イベント。過去にはОМОН(OMON=特別任務民警支隊)に逮捕された者も出ていたようだが、今は当局公認のイベントとなっているようだ。

 こちらのベラルーシのニュースサイトでイベントの詳細が時間順で報告されている。規模としてはそれなりでおそらく数百人レベルの動員がなされているようで、老若男女が思い思いの格好をして、歩いている様子が見える。

 「アストラベツは第二のチェルノブイリ」という横断幕とともに行進する市民の姿が見える。アストラベツ(ロシア語読みではオストロベツ)はベラルーシ初の原発の建設予定地でチェルノブイリ原発事故で最も被害を受けたベラルーシ市民としては受け入れがたい方も大勢いることだろう。ベラルーシはこうした活動への締め付けが大変強い国なのだが、ガス抜き目的なのか、こうしたデモは公認されている。

 組織委員会の名誉会長はノーベル賞受賞者のスヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ。日本でも大江健三郎が関わることでデモが大きく世界的に取り上げられることもあり、著名人の名前を利用するのは効果的なはず。ただ、アレクシェーヴィチ氏は参加しなかったようだ。

 ВНФ(BNF)と書かれた紅白の旗がたくさん揺れているが、これはベラルーシ人民戦線という野党の旗。この政党はベラルーシ(Belarus)と人民(Narod)が政党名にルカシェンコにより使えなくなったため、仕方なく今はBNF党と名乗っているとのこと。

 映像は時間のない方はこちらのこの記事のサイト“tut.by”による2分編集版を、2時間のライブ配信の映像はこちらのRadio Libertyの映像とかこちらのBelSatの映像を御覧ください。

 ちなみにBelSatはポーランド資本のテレビ局のようで、2007年にはルカシェンコ大統領から「愚かで非友好的な試み」とまで言われてたようだが、ベラルーシでも一応、こうしたテレビが活動出来ているようで。