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所有林の確認がてら山に行ってきたが境が分からず困る

 相続で引き継いだ山林があるのは知っていたが、行ったこともない場所が大半で、まずは確認、ということで、いろいろ動いているところ。聞くと、ひとまず森林簿というので確認できるということを聞き、最寄りの湖北森林整備事務所というところにいって、森林簿を閲覧してきた。先日からコピーもOKになったとのことで、コピーをもらってきた。PDFにもしてもらえるようだが、この日はまだ出来なかった。

 この森林簿で全部わかるかというと、そうではなくて、かなりアバウトに線が引かれていて、実際のところ、現地に行くなり、近所の方に話を聞くなどしないとわからない。それでも、登記されている地番と照らし合わせるとおおまかにあの辺りにあるのだな、ということはわかる。

 しかし、現場に行っても、正直、よくわからない。特に問題となるのは境界で、聞くと、たいていはフクラシという常緑樹が植えてあるそうなのだが、その姿が見えない。境の木としては、スギ林の場合、ヒノキで一列に植えることで境としている箇所もあるとのことだが、この場所はそういうわけでもなさそうだ。

 他に尾根や谷筋が境となるとの話もあるので、地形と位置関係を照合して、なんとなくここかな、というのはわかったが、境については大変心もとない。全国でこんな状態になっている、ということは、もうその制度設計というか、仕組み自体に問題があるということなんだろう。というか、林業が未だ前近代をベースにしている、ということなのか。

 ひとまず、撮影した写真をアップしておきます。(所有林以外も含む)

枯れ木 所有林の確認
枯れ木があちこちにあって、倒木だらけでもあり、荒廃が進んでいる様子
岩場だらけの山1 所有林の確認
今回確認した場所はもっとも大きな面積のところだったが、岩が露出していて、植林する場としては不適格なようで、状態の良い木が少なかった。
岩場だらけの山2 所有林の確認
岩が露出する場所が多数。歩くのも大変。
倒木と小さな滝 所有林の確認
歩いていると小さな滝に遭遇。倒木だらけで荒れており、木をまたぎながらの散策となる。(所有林の範囲外)
けもの道 所有林の確認
道がいくつもあるので、人が通ったあとかな、と思いかけたが、まず人が来ないところなので、間違いなくけもの道。結構あちこちに走っている
鹿の食害跡 所有林の確認
多分鹿の食害の跡か。こうして皮をめくられると、もう杉の木は育たなくなるので、テープを巻いている人もいるが、そうして手入れしている人はごくごく少数。
小動物の顎の骨 所有林の確認
何かの小動物の顎の骨。ここで動物が死んでいた、ということか。
猟銃の薬莢 所有林の確認
HIT MASTERと書かれた猟銃の薬莢。そういえば、祖母と山を歩いていてい、猟師と会ったことがあるのを思い出した。
山のゴミ 所有林の確認
たまに増水する川の川沿いとはいえ、この高さまで来る可能性はないという位置にあった牛ふん袋
炭焼き小屋の跡1 所有林の確認
炭焼き小屋の跡もあちこちにあった。
炭焼き小屋の跡2 所有林の確認
炭焼き小屋正面から。真ん中が出入り口になっていて、この上に三角屋根の小屋が立っていた(はず)
杉林の中のケヤキ 所有林の確認
杉ばかりの木立に立つケヤキの木。数少ない広葉樹。
切り株が残る 所有林の確認
近所のおっちゃんによると、ここにはよいケヤキがあったが、祖母が頼まれて切ってしまったとのこと。写真では手前から3つほどまあまあの大きさの切り株があるので、そこそこ立派な木だったのか。
山中にある平地の杉木立 所有林の確認
急な斜面ばかりの山を登って行くとなだらかな場所に出てきた。急斜面の杉は状態がよくないが、ここは比較的よい状態。残念ながら所有林の範囲外だが。

スチールのチェーンソーMS201をついに買ってしまった

 先週土日はまた二回目となる自伐型林業研修会に参加してきた。参加者がさらに少なくなり、経験のほとんどない一参加者としてはラッキーなことに、ほとんどプライベートレッスン状態となって、実技や安全面での心構えなど、多方面から様々な事柄を教えていただいた。

 今回もまた林業の奥深さを知ることとなったが、今回知ったことを徐々に自らの体験として知っていくのと最初に知っておくのとでは大変な違いがある。ある未知の分野に挑むとき、最初にこうしたレッスンを受けておくことは時間の節約になるし、我流のクセがつきにくくなるだろうから、自分で少しずつ知る楽しみというものの意義を認めるものではあるが、特に危険と隣合わせの事柄の場合、可能であれば最初からみっちりと仕込んでもらうのがよいと思う。

 今後、どれだけ本気で取り組めるかわからないし、いずれ引っ越すことになるので、どうしようか買う直前まで迷っていたが、昨日、意を決してチェーンソーを買うことにした。チェーンソーの扱いについては、初心者が知るべき事柄はほぼ伝授してもらったと思っているので、そういう面の心配はないが、これからどれだけ使い込んでいけるのか、という点は買ってしまった今も懸念事項ではある。とにかく、これをただの「高いおもちゃ」にしないようにしたいところ。

 今回買ったチェーンソーはスチールというドイツのメーカーの山林作業用のもので、決して安い買い物ではない。ホームセンターなどでは10000円程度で売っているものもあるが、アフターメンテなどの点では期待すべくもなく、ほとんど使い捨て感覚で使うべきもののようだ。講師の方が言っておられたが、最寄りの取扱店が扱っているメーカーのにしておくと、故障した時も対応してもらえるので、そこで買っておくと良い、とのことで、どのメーカーのものを買うか、という点ではあまり悩む必要はなかった。機種についても、私の用途(山林作業用)と希望(軽量であること)を考慮するとほぼ一択といってよく「STIHL MS201 C-M」というのを購入することになった。買うかどうかは最後まで悩んだのであるが。

 昨日は最寄りのチェーンソー取扱店である藤田機械店でフェアが開催されていて、スチールの社員の方もおられ、またしてもありがたくもチェーンソー講習を受けた形となった。とにかく、奥が深い世界でチェーンソー一つとっても、様々な極意があり、今回、最初からそうした知識を身につけた上で山に入れるのは大変よかったと思っている。

 今後、これを主な収入源とすることは現実として大変困難なので、基本的にはその可能性は大変低いが、それでも副業としてある程度成立させるところまではいきたいと思い始めている。木材は宅配便で配送、というわけにはいかない世界なので、伐採する地域の需給状況もあって、なかなか個人で生業(なりわい)として成立させるのは簡単ではないことは重々承知しつつも、森林の多い日本で林業従事者が増えること自体の社会的要請は間違いなくあるだろうし、まずは荒廃した自分の山の手入れから始めることとして、あまり身の丈に合わないようなことはせず、出来る範囲で始めようかと思っている。

STIHL MS201の箱
様々な言語で書かれたスチールチェーンソーの外箱。ウクライナ語だけMで始まる言葉ではないのが興味深い。(ベンジン(ガソリン)のピラー(のこぎり)という意味)