アトムグラード(Atomgrad)なるイベントがあると聞いたのは、pripyat.comのサーシャからだった。聞くと、ソ連時代に建設された産業衛星都市についてのイベントで、プリピャチについて詳しいサーシャも呼ばれた、とのことで、私たちも急遽参加させてもらうことにした。
開催場所はウクライナ東部のザポロージェ(ウクライナ語読みではザポリージャ)で、現在戦闘が行われているドネツク州に隣接するザポロージェ州の州都である。東部ではあるが、ドネツク州内に入らない限り、安全に問題はないと判断し、子連れではあったが、訪れることにした。
キエフからの移動は列車で行くことにした。希望に合う夜行がなく、朝7時に出る列車で行くことになり、早起きして出発。
列車は巷で噂になっていたヒュンダイ製の列車。冬季に立ち往生する事態が発生したことで「全面運行中断」という話もあったようだが、今もこうして普通に走っている。こちらのWikipediaの現代ロテムの項目にはには「2012年冬に寒波による運行トラブルが続発している。現代ロテム側は冬季における試運転不足を認めた」とある。
ウクライナで車内販売のある列車に乗ったのは初めてかも。いつもは事前に買い込んでおくのだが、事前に分かっていればこれを利用するのもありかも。食堂車というほどではないが、軽食や飲み物を提供する車両もあった。
いろいろ言われてるが、基本的には快適ではあった。トイレも広々としていて、夜行列車でよくあるように水浸しになって床などあちこちが汚れているようなことはなかった。ただ、だだっぴろいトイレにオムツ交換台がなかったのはマイナスポイントとのこと。
ウクライナ鉄道では女性駅員が多い。しかし丈が……。
そうこうするうちにザポロージェに到着。キエフから7時間かかったがこれでも早い方である。子供が何度かグズったものの、デッキに出るなどして対応。特に舌打ちされることもなく(笑)、無事移動出来た。
運賃は348.40フリヴニャ。今、フリヴニャレートが悪くなっているので、日本円では約3000円程度になる。日本の新幹線感覚でいくと時間はかかるが、安く移動できる。ただ、当地の人にとっては新幹線価格ではあり、より安価なのを好む人、あるいは、列車の密閉空間が嫌いな人は長距離バスに乗るようだ。
(つづく)