サルにまだ熟していないトマトを取られ、ヒマワリを何本か折られる

 畑を始めてから初めてサルの来襲を受けた。トマトは直植えと鉢植えを試していて、鉢植えは家の軒下に置いているので、ここまでは来ないと思っていたのが甘かった。サルは目で餌を探すので、見つけて、その周辺に人気がないようだったら、遠慮なく襲いかかる、ということを学んだのだった。

 直植えの方も荒らされ、近くに植えているヒマワリもいくつか倒れたり、折れたりした。ただ、ヒマワリは強いみたいで、少し前、植え替え時にしおれてしまったやつを再度しっかりと植え直してみると復活したことがあったので、これぐらいなら大丈夫だと思っているのだが、どうなるか。

 お隣さんは立派な菜園をされてるだけあって、さらに被害が大きく、人参などが軒並み餌食になった模様。サル対策は柵を立てるぐらいしかないのだが、柵を立てても隙間から容赦なく奪い去っていくようなので、お手上げである。

サルが人参を奪って山に帰って行く時に捨てていった人参の葉が道に散乱していた
サルが人参を奪って山に帰って行く時に捨てていった人参の葉が道に散乱していた

 猿害対策は、サルに人里は餌場ではない、ということを分からせることがポイントなのだが、そうはいっても、山は特に戦後の植林政策によりスギ・ヒノキなど人工林だらけになっていて、山の食べ物を減らしたのはお前ら人間とちゃうんか、と言われると、はいすいません、な話なので、長い目で見ると最終解決は山に餌場を作り直すしかないんじゃないか、と思ったり。

 他にイノシシもよく来て畑を荒らしていくようで、あんなのに暴れ回られると、私の小さな畑などひとたまりもない。トタンで柵の下部分を一回りぐるっと囲っている畑をよくみかけるが、イノシシはミミズを探して、掘り返すので、ああいうのをやると効果的らしい。しかし、それも手間ばかりかかってちょっと大変ではある。あと、小さい畑なので、ただでさえ山間地で少ない日照時間がトタンが作る日陰のせいでさらに少なくなりそうで、ちょっと他の方法を考えているところ。

 いろいろと人生思い通りにいかないことばかりだが(畑に限らずなー)、植物はそれでも健気に少しずつ大きくなっているのがわかるので、精神衛生にとてもいいことが実感として分かってきた。こういうのは頭ではわかっていても実際に実践してみて分かることが多いので、「経験主義」的な考え方は好みではないが、とにかく身体を動かしてやってみるという態度は、頭でっかちな傾向を持つ人ほど試してみる価値はあるのではないかなと。

チェルノブイリ森林火災続報。まだ4箇所で泥炭がくすぶっている模様なのだが、そもそも泥炭って何?

 こちらの記事によると、チェルノブイリ原発近くで再び発生した森林火災は、すでに延焼食い止めは出来ているようだが、泥炭がまだくすぶっており、消火活動継続中らしい。

 ウクライナ非常事態局のサイトに6/30時点のであるが、英語での説明が出ている。

Information about the ignition of dry grass on campus forestry “Chornobyl Forest” (As of 7:00 July 01)

 ところで、時々、ロシア・ウクライナ関連の話題で出てくる「泥炭」だが、私は「これが泥炭です」という風に言われて見せられた記憶はなく、実際の泥炭地の上を歩いたことがあるのかもしれないが、いまいちイメージしにくい。ググるとまず「泥炭とは、枯れた植物が長い間、あまり分解が進まずに堆積したもの」という説明が出てきて、ふむふむ、思ってたのと違うわ、と冷や汗をかいたところで、さらにこちらのサイトにある「日本の泥炭地」という地図を見ると、北海道に泥炭密集地域があり、やはり、寒冷地特有の地質ということのようだ。

 ロシア語の泥炭 “торф”でイメージ検索すると、ああこういうもんか、というのが多少理解できる。

 画像検索結果に土壌をレンガぐらいの大きさに切り出している画像が出ているが、このように切り出して燃料としても使われているらしく、Wikipediaには「日本ではニッカウヰスキーが自社使用のために石狩平野で採掘を行っている」とある。ただし、こちらでは以下の様な説明があり、今は輸入してるとの話も。

竹鶴政孝氏は北海道にはピートが豊富であることから石狩平野の所有する土地から掘り出して国産ピートを使用していました。しかし、品質の安定化の問題や掘ればいくらでも適したピートが出てくるスコットランドとは違うので暫く前にスコットランドからピートを輸入することとなりました。

 ググって最初に出てくる泥炭とは?という日本技術士会北海道本部のPDFを見ると、「北海道には泥炭のできやすい気象条件がそろっているので大規模な泥炭地が分布」とあり、泥炭地盤で道路の地盤沈下が発生するなど、北海道開拓は泥炭との戦いの歴史でもあったことが分かる。

 というわけで、泥炭について、ひと通りの知識を得たわけだが、かように、燃料として使われるほどのものがそこいら中に層として横たわっているような土壌で雨が降らない日が続くと乾燥してちょっとした火の不始末で大規模な山火事になってしまう、というのがおぼろげながらわかった。今回のも、原因は火の不始末って話が出てたが、例によってタバコのポイ捨てが着火源になったのかもしれない。

 チェルノブイリ被災地では多くの人にタバコを吸う習慣があり、携帯灰皿持参してる人なんて見たことはなく、吸い殻が落ちているのもよく見かける。なので、今後もこうした火事は当面はなくならないだろうな。。。

字幕翻訳と映像編集の狭間で

 池上彰氏の番組でインタビュー映像の音声と字幕が合っていなかった件が話題になっている。この話題については、以下の記事が興味深かった。

フジテレビ「池上彰緊急スペシャル」の「字幕取り違え」事件についての私見――テレビ報道の映像・字幕翻訳者としての経験から韓東賢 / 社会学

 ただ、これは映像制作者にとって悩ましい問題で、ちゃんと対応しようとすると、時間もコストも余計にかかるのは間違いない。制作者側は現実に限られた時間の中で制作していて、フジテレビ側は再発防止に努める、と言っているが、この問題はそう簡単にはなくならないだろう。

 実際、私もチェルノブイリ関連映像などを見ていると、映像と字幕が合っていないのに気づくことがよくある。一次映像チェックしている人は語学的にも事柄的にも事情に精通している人で間違いのない人であるし、映像制作者側も悪意を持ってそうしたズレのある編集にしているとは思えない。むしろ、受け手のことを考え、仮に合っていないことに気づいていても、そうした方がわかりやすいから、ということでズレをあえて許容することも現場ではよくあることだろう。

 ちょうど昨日の7時のNHKニュースでサッカーなでしこジャパンの準決勝の試合後の宮間選手のインタビュー映像で「(決勝点は)ラッキーなゴールだった」という字幕があったのだが、これはおかしいと私はすぐに気づいた。これでは相手のオウンゴールをラッキーと表現する宮間選手に対して、ちょっと違和感を感じてしまった人もいたはずだ。私はニュースを見る前にインタビューを聞いていたので違うと気づけたが、改めて考えても、文脈からして、そんな取り違えはしないように思った。だいたい選手同士はお互い同じ境遇にあり、仲間という意識が強く、オウンゴールをしてしまった選手に対し、同情しない選手を探すのは難しいだろう。過去にはコロンビアのエスコバル選手のようにオウンゴールのせいで殺された選手もいたことはサッカー界では記憶されているはずで、相手のオウンゴールをラッキーなどとは思わないはずだ。

 私はこの宮間選手のインタビュー字幕の取り違えについては、意図的にやった可能性があるんじゃないかと邪推してしまう。ニュースで使う素材としてインタビューから切り取るには少々背景説明が必要になり、短い時間で正確に伝えるのは簡単ではないので。

 その後、視聴者から苦情・指摘があったのだろう、以下のような訂正が番組内で出ていた。

○彼女にとってはアンラッキーなゴール
×(決勝点は)ラッキーなゴール

 映像制作者、とくにテレビの作り手は「わかりやすさ」をとりわけ重視しており、悪意でというよりは、視聴者目線であまり理解するのには複雑過ぎにならないよう、気を遣いながら制作しているはずだ。しかし、これは見方を変えれば、視聴者をナメている、とも言えるかもしれない。そして、視聴者がそうした複雑さを許容できず、安易にわかりやすさを求めている実態がこうした状況を招いているとも言えるのではないか。世の中の出来事なんて、たいがい「わからない」がデフォだろうに。

 こうした状況を変えていくには、日頃からわかりやすさに安住せず、めんどくささに耐えられるよう、それぞれが日頃から鍛錬していくしかないのだろうけれど、個人的には、自分で映像制作してみるのが手っ取り早いんじゃないかと思うのだがどうだろう。今や簡単に映像編集できるツールが出回っていて、こうしてブログに文章を書く手軽さで軽い映像編集ぐらいは出来るようになっていて、デジタルネイティブ世代なら特にわけなく習得出来るはずだ。これからの世代には発信側にももっと多くの人に立ってほしいところで。

チェルノブイリ原発近くで再び火災発生

 時事通信で「チェルノブイリでまた森林火災」という記事が出ていた。

 【モスクワ時事】1986年に放射能漏れ事故があったウクライナ北部の旧ソ連チェルノブイリ原発周辺の森林で29日、火災が発生し、30日までに1.3平方キロが燃えた。国家非常事態局が発表した。
 周辺の森林では、4月にも火災が発生し、4平方キロに被害が出た。
 環境保護団体は、火災により森林に残留した放射性物質が大気中に拡散する恐れがあると指摘している。インタファクス通信によると、ロシア、ウクライナ、ベラルーシの放射線量に異常はない。

 ウクライナ・プラウダ紙の報道によると、火災は6月29日夕方に発生し、蛇行するウジ川が増水したときに冠水するようなところに生えている乾燥した草や葦などが燃え、130ヘクタール延焼した、とのこと。場所はチェルノブイリ原発の西側の30kmゾーン外のポレスコエ(ポリスケ)やコフシロフカなどで、現在のところ、空間線量率などに変化はない、とのこと。

 現地視察の様子がYouTubeに上がっている。

 また、こちらによると昨日現在で延焼中の地点として、先ほどの地名以外にも以下のような6つの地名が挙げられている。

Поліське, Ковшилівка, Глінка, Стара Красниця, Луб’янка та Бички.

 Google Map等で見てみても、地名が出てこなかったので、手元の1986年時点のセシウム137汚染地図に付箋を貼ってみた。Глінкаだけ見つけられなかったが。(追記:ГлінкаはБичкиのすぐ北東にありました)

20150630チェルノブイリ森林火災地点
20150630チェルノブイリ森林火災地点

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 やや汚染度の高い地点も含まれるようで、再拡散につながらないといいのだが。

草刈りのコツ 刈払い機の使い方

 去年も書いたが、今年も毎年この時期にやる自治会の河川愛護の草刈り人足に出動してきた。そして、毎年同様、腕が上がらないほど疲れたのであるが、ひと休みして、キーボードを叩ける程度には回復したので、つらつらとメモを書いておこう。

 以前、チェーンソーの使い方のレクチャーを受けたことがあり、そのうち3分の2が目立て(刃を研ぐこと)の話だったりして、それはそれで興味深かったのだが、刈払機の使い方や草刈りの仕方については特に誰からもレクチャーされたことはなく、見よう見まねでやっている。しかし、夏場に月に一度程度しかやらないので、いつまで経っても、いらんとこに力が入って、毎度かなり疲れてしまう。ただ、これも毎度のことだが、やってるうちにいろいろとコツを思い出して、効率よくできるようになるのだが、その頃にはもう終盤で、そして次にやる頃にはその技もまた忘れてしまって、最初に戻る、という状態が続いている。

 どの分野でもそうだが、だいたいうまい人のを見て技を盗むといいのだが、地面の形状がいろいろでやってみて初めて分かることも多く、習うより慣れろの世界でもあり、やりながら覚えるのがやはりよいようだ。ただ、最低限の知識は持っておいたほうがよさそうで。

 今、ググっていて、最初に読んだページに草刈機は左から右にが基本とあり、「えーっ、そうだったのー」と驚いたのだが、どう考えても、右から左が楽だと思う。危険防止の観点から、というのだが、刃の回転の都合上、右から左側に刈り払うようにやらないと大変やりにくいように思う。草が密集している箇所をやる場合、刈った草の「捨て場」がある状態でやるのがよいので、やはり右から左じゃないかな。

 今日、「おまえのやったところは深い」と突っ込まれてしまったのだが、どうしても2mを超えるような草があったりして、そういう箇所はある程度、刈り払ってからでないとやりにくいし岩場だったので、あまり低くやると刃があたって危ないので、私は安全を見て、やや浅めにやってる。丁寧にやるなら、粗く刈った後、再度刈るのがよいのだろうが、こういう場所はあまり丁寧にやっても意味がないのでは、とも思ったりしつつ。

 余裕があれば、グリップを効かせて、右から左に刈り払うときに、草を左側の「捨場」に持っていけるようにやや左側を下に傾けるとよい、というのも、途中で気づいたところ。とにかく面積が広いので、私はスピード重視で、ある程度雑にやるのだが、達人の作業を見てると、丁寧、かつ、早いので、体力や腕力の違いもあるが、身のこなしなど、いらんところに力を入れなくても出来るように長年の経験で技を体得されているんだろう。

 あと、草が絡むこともよくあるが、これは大抵の場合、欲張って、たくさん刈ろうとしたか、回転不足、という場合がほとんど。密集してるところは少しずつにし、最初は怖くて回転不足になりがちだが、ちゃんと高速回転の状態にしてから草に当てないと刈れない。

 大人数でやる場合、他の人との距離もそれなりに気を遣いながらやる必要があり、位置取りなども見ながらやる必要がある。だいたい、うまい人が私のようなのを避けてくれるので、あまり考えなくてもいいわけであるが。

結構大きなカタツムリを何匹も見かけた
結構大きなカタツムリを何匹も見かけた

 今日もイノシシの沼田場があちこちに出来てたが、例年より多かったような。あと、バッタ、コオロギなど様々な虫もたくさんいて、刈った後は早速カラスが舞い降りてついばんでおった。

蔓草を引き抜くとサワガニの住処だった
蔓草を引き抜くとサワガニの住処だった

 ここのところ、個人的に気が滅入る出来事が続いているが、こうして一心不乱に単純作業をするのも時にはよいもので。

Yoshiro Miyagoshi Website