Yoshiro のすべての投稿

1971年滋賀県大津市生まれ。大阪外国語大学ロシア語科除籍。IT業界で働きつつ、2006年よりチェルノブイリ被災地で「ナロジチ再生・菜の花プロジェクト」、被災者互助団体「ゼムリャキ」を取材。

議会制民主主義について思うこと ~参議院のあり方について~

 議会制民主主義について、事前に調べると簡単にその影響を受けてしまうタイプなので、調べずに思うことを書いてみる。すでに誰かが言ってそうとか、ググればその無効性がすぐに分かるようなことを書くことになるかもしれないが、メモとして書いておきます。

 今回の採決で野党は必死の抵抗を見せたが、保有議席数の差を見せつけられ、安全保障関連法は成立した。政治制度上、この結末を見ることはみんなうすうすは分かってはいたが、それでも多くの人が今行動しないといけない、という衝動に突き動かされ、反対の声をあげ続けた。デモを揶揄する連中がうじゃうじゃ出てきたが、その多くは「反反原発」の人たちとかぶる印象を持った。彼らが反原発やデモに参加する人たちが嫌いなのは分かったが、では彼ら自身どんな世の中にしたいのか、あんま見えてこないのだが、そこんとこどうなんだろう。

 野党は今回、様々なやり方で対抗し、「見せ場」は何度も作ったが、反対の強度をこういう形であの手この手で見せるぐらいしかできない政治制度はやはり欠陥があるように思える。実質、フリーハンドで法案を通すことが出来るわけであり、急速に社会が変化する中、何年かに一度しかない選挙の結果が与える影響の度合いが大きすぎるように思う。

 参院は良識の府だそうだが、実質的に衆院で成立したら成立してしまうのであって、何の意味があるのか、という意見がある。それに対し、もう二院制なんてやめればいい、という意見もあるが、貴族院の流れから来ていて、それなりに歴史的に意味のある存在であり、そういうものには過去の人たちの知恵が含まれていることが多く、そう簡単にやめるものではないだろう。

 ただ、今のような、実質的に止める力もない参院ではその存在意義に疑問符がつけられても仕方ない。なので、どうせなら、限定的に止める力だけは与えるとかすればいいのではないか。例えば、内閣不信任案のように、会期中一回だけ拒否権を使えるようにするとか。ただ、そうすると、拒否権発動用にひどい法案を出しておいて、本当に通したいのは拒否権が出た後、ちょうどトランプの大富豪でジョーカーが出た後にゆうゆうと2を出すように出す、なんて悪知恵が働いて無効化される恐れもありそうだが。

 あと、参院は貴族院の流れで設置されているとはいえ、正直なところ、良識の府という期待をもはや多くの人は抱いていないだろうから、いっそ、そういう現実に則さない幻想は捨て去って、今の時代にあった、衆院には期待できないような役割を与えた方がいいのではないか。例えば、若い人や女性など、現実の政治になかなか声が届けられない人たちの意見を国政にすみやかに反映されるようにするため、選挙区を、今のように地域ごとに分けるだけでなく、性別や世代など、出来るだけ今の日本の人口構成に合うような属性ごとで立候補できるようにするとか。もちろん、こうした参院議員も立法ができるので、実効性のある方策を打ち出すことができるようになる。

 より具体的には、都道府県単位だと一票の格差解消が大変なので、道州制にして、各道州ごとに30-35歳など各年齢層の男女1人ずつ選べるようにするとか。道州ごとの定員で生じる格差は年齢帯で解消すれば良い(ある州は30-34歳、別のある州は30-36歳、など)。このようにすることで、女性議員が半数を占めるようになり、誰かが言ってた「女性が輝く社会」の到来により近づけるだろうし、各世代の声が届くようになるので、不毛な議論に陥りがちな世代間対立をより生産的な形で解決できる方向へと進めるようになるだろう。

 以上は、今の今思いついたような案なので、粗はあるだろうし、様々な問題があって実現は困難なのだろうが、ともかく、今の政治制度には問題が多いので、今回の出来事を契機に政治制度改革に向かうとよいのではないかと思う。

 ということで、改革は必要だと思うが、そういうテクニカルなことよりももっと根本的なところで思うことがある。それは、今、主流にいる政治家の政治信条のことで、その政治信条を持つに至った動機はいろいろだろうが、その背景に何があるのか、しっかりと語れる政治家はどれほどいるだろうか。世襲議員だらけで、生まれた時から地盤を引き継ぐ用意が出来ていて、そんな青臭いことを言う必要性もないのだろうし、有権者もそれでよしとしている現状があって、問われる場面は少ないのだろうが、どこの所属の党員であっても私はやはり叩き上げの政治家に頑張って欲しいと思う。職業選択の自由というものがあるから難しいかもしれないが、せめて参院だけでも世襲はあかん、そして、コスタリカみたいに連続で出てもいけない、とか出来ないものか。

 政治信条については、一昔前の世代の戦争反対への思いは、どこか、経験に裏打ちされた迫力のようなものがあり、人をして納得させずにはおかない何かがあったように思う。戦争を知らない我々戦後の各世代の反戦熱はどうしても相対的に低く感じられるし、戦時想定にしても、リアリティが感じられない。しかし、これはどうしようもないことだと思う。だって、実際、戦争を知らないので、思い入れを持ちようがない。

 しかし、こういう戦争を知らない世代でも何らかの強い思いを持ちうるはずだ。それは何なのか。

 ちょっと疲れてきたので、続きはまた今度、ということで。

安全保障関連法が成立した今日、このところ感じていたことを書いてみました

 2015年9月19日未明、安全保障関連法が成立した。この法律については、様々な分野の方々が懸念を表明しており、私自身もなぜこの今というタイミングで、国民的理解が得られていない中、このような拙速なやり方で強引に法案を通す必要があったのか、理解に苦しんでおり、一体、この問題の背景に何があるのか、専門家でもなく、むしろ、問題の本質を理解していないかもしれない私が何かを言う意味があるのかどうかも分からないが、突っ込みだすと専門領域に入ってしまうこの問題に関し、若い世代の人たちが自分たちも勉強中だと述べつつ行動していたことに呼応し、日本では世代的に真ん中あたりに位置するおっさんとしても一言ぐらいはゆうておこうかと思ったので、恥さらしになるかもだが、この間、思っていたことなどをつらつらとメモしておきます。

 原発の話題などもそうだが、こうした一筋縄ではいかない問題と対峙する時、自分とは意見が異なる陣営の話を聞くようにすると、自分なりに問題点がはっきりしてくる。彼らの言い分を総合すると、要するに、中国の台頭への対応と日本の国際貢献のため、ということになるのだろうと私は理解した。

 中国についていうと、昨今の尖閣諸島を巡る動きなどから、軍事的脅威を感じる向きが増えていて、対抗するためにはアメリカとの同盟関係をより強固なものとすることで抑止力としたい、ということが背景にあると。ただ、個人的には中国が日本にどんどん攻めてくる、というような可能性は、ないとは言えないが、そんなことをしても中国の利益となるとは思えないので、今のような形で主に中国国内向けパフォーマンスとしていろいろと日本を刺激してくる、という程度の諍いが当面は続くのではないかと思っている。

 歴史的に見ると、防人の時代があったし、元寇もあったわけであるが、漢民族が主体となって日本に攻め入って来たことはないので、今後も攻めてこないだろう、という推論は成り立つ。ただし、ウクライナ政変をきっかけにロシアがしかけた「ハイブリッド戦争」でクリミア併合があっさりとなされてしまった、という新しい事態が今の世界にはあり、日本がかつて日露戦争に勝利してイケイケになり、軍部の独走を許したように、中国も軍部が独走をする可能性が指摘されており、国としての意思とは別にして、中国が旧来のような形で武力でもって日本に攻めてくる可能性はまずないだろうが、より洗練された形で何らかの攻撃をしかけてくる可能性はあるとはいえるだろう。

 あと、思っていたのは、日本の国是として、古の昔より「中国とは距離を取る」というのがあって、「日本」という国号からして中国を強く意識したものとなっており、隣人が嫌なら引っ越せばよいわけだが、国まるごと引っ越すわけにはいかないので、こうしてつかず離れずの関係を続けていくしかない、ということで、中国側としては、日本は数ある周辺国の一つに過ぎないが、日本にとって、中国の存在は常に巨大で、この距離感は日本側が飲み込まれないために古来より身に着けてきた知恵なのであって、これはもう日本が島であり続ける限り、人類史的時間感覚でいえばほぼ永遠に続く問題といえるだろう。

 私は割りと人口学と地政学で説明されると腑に落ちる、というところがあって、地政学については基本上記の通りで、あと太平洋など海の動きを見る必要があるだろうが、それはちょっと置いといて、人口の方を見ておくと、今、適当にググって出てきた「世界と主要国の将来人口推計」で中国とアメリカを見てみると、中国は2100年人口は今より結構な割合で減少しているが、アメリカは今よりもさらに増えることが予想されている。今後、南アジアやアフリカで人口増加が続き、徐々に欧米を中心とした時代からアジア寄りに移行していくことになるだろうが、それでもアメリカを中心とした世紀がまだまだ続くと見てよいだろう。

 アメリカと中国の「G2」の時代到来で、韓国同様にアメリカか中国か、という選択肢があるといえばあるが、そういうわけで日本がアメリカを捨てて、中国につく、ということは歴史的に見ても、現在の状況を見てもほぼ100%ないと断言してもよいだろうから、この巨大な隣国となんとかうまくやっていかないといけないわけで、そのための日米同盟強化、ということに対して、一定の理解を示す人がいることに対しては私も理解する。

 次に国際貢献について。戦争放棄を謳っている憲法を戴く国として、国連からの求めであったとしても、日本は戦争出来ない国なので、すいませんが、うちは人も物も出せません、で通してきたが、経済的発展を遂げ、GDPで世界第二位になった国として、相応の国際貢献をもとめられるようになり、1990年からの湾岸戦争で多額の資金を提供したが評価されず、アメリカより”Show the flag”だの、”boots on the ground”だの言われ、人的貢献を求められるようになり、PKO派遣を経て、さらに踏み込んだ支援を要請されている、ということになっていると私は理解する。

 私は、こういう時、自らの想像力を超えることではあるが、自分が実際に交渉担当になってみたときにどんなことになるかを想像するようにしている。こういうのって、タフ・ネゴシエーターが担当する場合もあるだろうが、意外といろんな力学により何故かその場に居合わせてしまって、気乗りしないが、仕事なんでやってる的な人が担当だったりすることもあるだろうと思う。ほんで、自分個人としては、アメリカからの自立の方向に舵を切りたい意向はあるものの、現実世界で経済の結びつきも強く、アメリカ様の機嫌を損ねると日本経済が大打撃を蒙り、自分の身内が失職したりするかもしれない、自分の子供が職にあぶれるかもしれない、という可能性もある中、どんな交渉ができるか。

 ”Show the flag”について、意味をどう取るか、検索すると “flagは自衛隊を示している”、という意見もあれば、“外務省と、自衛隊の海外派遣を推進したい政治家の言う「湾岸戦争のトラウマ」とは、外務省のミスであり、アメリカからのメッセージの背後にある本心を読み違えた思い込みだった”というのもあり、どちらが正解とも言いがたいように見えるが、結果として受けた日本側はそれを何がしかを意味する「圧力」と感じ、日本の政策決定に影響を与えた、というのは間違いのないところだろう。

 あと、こういう場合、意図を察して、先回りして相手の喜ぶことをして良い顔をしたい、というような面もあるんじゃないだろうか。国益対国益の場といえど、最終的には個人の思惑の影響は避けられず、その立場の違いから、日本側はどうしてもジャイアンの機嫌を取るスネオみたいなことになりがちなのも、そうはあって欲しくはないが、理解はする。

 話はずれるが、先頃自民党を離党した滋賀県選出の衆院議員の発言がいろいろと物議を醸したが、地盤看板を持たない落下傘候補の議員が上層部の覚えめでたくなりたい一心でちょっとやり過ぎた、という話が出てて、その後の自民党の素っ気ない対応を見ても、この説はあながち穿ちすぎ、というわけではないように思える。

 誰しも、弱い立場に立たされたら、太鼓持ちというか、おべっかを使わずに生きていくことは簡単ではなく、こういうのと無縁で生きていける人がいたとしたら、それだけで相当な果報者ということが出来るだろう。逆に言えば、こういうのを上手に利用するのが大人というものであり、アメリカや自民党はこういう面にかけてはやり手が揃っているのだろう。

 格差固定社会になりつつある日本だが、国としても、第二次大戦の連合国そのままの国連の枠組みの中で、戦後70年を経ても敵国条項の削除もなされず、敗戦国扱い、という立場からの脱却は容易ではなく、アメリカとの立場が対等になる、というのも、現状想像しがたく、当面変わることはないだろう。『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』という本があったが、返す返すも負ける戦争はすべきではなかった。でも、負けてしまった現実があり、その現実を噛みしめるところから出発するかしない(いちおーゆうとくと、勝てる戦争もダメなんだけどね)。

 しかし、未来永劫アメリカの庇護の元にいるわけにもいかないだろう。私はできるだけ早く自立に向けた道を進むべきだと思うし、たとえ、アメリカから経済制裁などの嫌がらせをされたとしてもアメリカの属国状態を解消した方がよいと思っている。

 軍事面に疎い私の素人認識であるが、核兵器の発明により大国同士の全面戦争はなくなったわけで、中国の軍事的脅威を過剰に見積もるべきではないと思う。ついでに言っておくと、軍事バランスが取れない国同士でも全面戦争にはならないだろう。実質的問題はあるが、ロシアとウクライナは全面戦争はしていないことになっている。なんといおうと、軍事力ではロシアには太刀打ちできないことをウクライナ人自身が誰よりもよく分かっている。

 で、どういう方向に進むのがよいと私は思っているのか。私個人は、日本は先の大戦で手痛い経験をし、戦争・核に国民的アレルギーがあるので、後方支援は出来ない、で押し通せば良いと考えている。後方支援については、補給路を絶つのが戦局を有利にする常道であり、補給源が攻撃に晒される可能性がある、という懸念は当然のことだろう。総じて思うに、アメリカに過剰に慮る必要はないのではないか、ということで、どうも戦後ずっとアメリカに近い筋の話が重用されすぎるきらいがあるように感じるのだが。

 国際貢献に関しては、何も後方支援などの形をとらなくても復興支援など別の形で可能であるし、国際貢献としての難民受け入れも検討すべき時期に来ていると思う。

 今後、アメリカの弱体化で世界は多極化していく、と言われるが、まだまだアメリカの世紀は続くと私は見ている。ここのところの生活に関連することで新しい動きは、ほとんどがアメリカ発で、アメリカ以外の人々の生活も変えている。本当にこんな世の中になってよかったのか、その良し悪しはあるだろうが。そういうアメリカと付き合っていく際に、スネオ的立ち位置で経済的繁栄を謳歌する時代はとうに過ぎ去っていて、今後、アメリカとしては、衰退していく日本に対し、わしらは別に出て行けゆうなら出て行くがおまえらどうしたいねん、と問われていくことになるだろうと思う。その時に、中国脅威論に囚われすぎて、アメリカにどこまでもついていきます、で行くのがよいのかどうか。

 私個人は安倍首相のようなボンボン育ちはどうしても好きになれないし、何故氏がここまで盤石の権力基盤を保持出来ているのか、理解に苦しむが、一応、祖父の岸信介の自主独立路線を精神的に引き継いでいるのだという話もあり、この法律群に氏のそういう思惑が反映されている、と考えてみたが、正直ようわからん。

 ともかく、これで終わりではなく、引き続き、この法律群がどのように適用されていくのか、しっかりと見ていきたいところで。

 他にこのところ思っていたこととして、日本の政策決定のあり方として、今の形の議会制民主主義でよいのか、というのがあるのだが、また別の日に。

 最後にNHKによる、まとめを丸コピしときます。しかし、なんでNHKは過去記事消してしまうのだろう。民間の新聞社では過去記事を保持してるところが多いのに。皆様のNHKというなら、それぐらいのことはやってほしい。


安全保障関連法 改正と新法の概要
9月19日 3時31分

【国際平和支援法(新法)】
新法の国際平和支援法は、国際社会の平和と安全を脅かす事態に対処する外国軍隊への後方支援を、そのつど、特別措置法を作らなくても対応できるよう、恒久法として制定したものです。

【自衛隊法】
自衛隊法の改正には、集団的自衛権の行使が可能となる「存立危機事態」の際に防衛出動を命じ武力の行使を可能とするほか、海外での邦人救出をできるようにすることなどが盛り込まれました。

【国際平和協力法】
国際平和協力法の改正では、国連のPKO活動で、いわゆる「駆け付け警護」や、住民の安全を確保するため、巡回や警護、検問といった活動を新たに可能にし、そうした任務を遂行するための武器の使用も認めるとしています。

【重要影響事態法】
周辺事態法を改正した重要影響事態法では、日本の平和と安全に重要な影響を与える事態を、「重要影響事態」と位置づけ、その際に行う外国軍隊への後方支援には、地理的な制約がないことを明確にしました。また、国連が統括しない国際的な平和協力活動について、EU=ヨーロッパ連合のような
国際的な機関から要請がある場合や、国連安全保障理事会など、国連の主要機関から、活動が支持を受けていることを要件に、参加を認めるとしました。

【船舶検査活動法】
船舶検査活動法の改正では、「周辺事態」の際に自衛隊が行うことができるとしていた、他国の不審な船舶への立ち入り検査について、重要影響事態や、国際社会の平和と安全を脅かし、それに共同で対処する事態でも、実施することができるようにしました。

【事態対処法】
事態対処法の改正では、集団的自衛権の行使が可能となる事態を、「存立危機事態」と定義し、「わが国と密接な関係にある他国への武力攻撃により、わが国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と定義しています。

【米軍等行動関連措置法】
日本への武力攻撃事態に対処するアメリカ軍への補給などの支援措置について定める米軍行動関連措置法は、米軍等行動関連措置法に改正し、支援対象に、ほかの外国軍隊も追加するとしました。

【特定公共施設利用法】
特定公共施設利用法の改正では、日本への武力攻撃事態などの場合に、自衛隊やアメリカ軍が、港湾や飛行場などの公共施設を利用できるよう定めたもので、アメリカ軍以外の外国軍隊も対象に加えました。

【海上輸送規制法】
海上輸送規制法の改正では、日本への武力攻撃事態の際、船舶検査を行う手続きを定めていますが、新たに「存立危機事態」の際にも、船舶検査を行うことができるようにしました。

【捕虜取扱い法】
捕虜の拘束や抑留は、国際法に基づき対応するよう定めている、捕虜取扱い法の改正では、「存立危機事態」にも、この規定を適用するとしました。

【国家安全保障会議設置法】
国家安全保障会議設置法の改正では、NSC=国家安全保障会議での審議事項に、「存立危機事態」や、「重要影響事態」への対処を加えるとしました。

ヒマワリ開花から1ヶ月

 東日本で猛威を振るった台風だが、今のところ、今季こちらに何度か来たものの、甚大な被害にはならず、ほとんどのヒマワリも頭を垂れて持ちこたえている。ただ、場所が悪いところで育ったのが花の部分の重みに耐えられずに折れてしまった。1本折れているのは確認していたが、今日確認したところ、さらに数本折れていて、このところバタバタしていて世話が出来ていなかったが、何か支柱にもたれかからせるなどの対処をすべきだったようだ。

 とはいえ、ほとんどは収穫を待っている状態となっていて、あと判断が必要なのは収穫のタイミングぐらいだが、シャロームさんのサイトでは「開花後40日程度で、花托の裏が黄色みを帯びてきた頃が収穫適期」とあり、開花はちょうど一ヶ月前なので、次の連休あたりがちょうど収穫第一弾となりそうだ。

 ついでに植えたトマトとナスについては、よく実がなるのとならないやつがあり、なぜそういう結果になったのかはよくわからないが、今、冷静に考えると、ミニトマト以外はあまりうまくいかなかったようだ。原因はいろいろあるが、施肥のタイミングを間違えた(あるいは足りなかった)ということだろうと思う。

 一応、ゆくゆくは自然農法などにも手を出してみたいと思っているのだが、現実的に考えると、あまり畑仕事に時間が割けないというのもあって、まずは今、主流のやり方でやってみようと思い、始めてみたものの、それですら簡単ではないことがわかった。

 誰もが多忙な現代社会で仕事や日常生活以外のことに時間を割く、というのはなかなかに大変なことだ。映画「そして父になる」で、子供に対し「何でも独りでできるように」という方針で子供と風呂も一緒に入らないという福山雅治演ずる多忙なエリート社員に対し、リリー・フランキー演ずる街の電気屋さんが「何言ってんの。時間だよ。子供は時間」と詰め寄るシーンがある。何でも、この映画の監督自身が多忙でなかなか家に帰れないときに娘から「また来てね」と言われたことがショックで、そのことがこの映画を着想するきっかけとなった、ということらしいが、実際問題、今の日本の現実では仕事が出来る人には仕事がさらに回ってきて、仕事人間になっていくようになっていて、働き盛りと育児期間は重なってしまうので、育児に時間を割くには、いろんなことを「諦める」必要が出てくる。しかし、そんなことでは生き難くなるばかりであり、この悪循環を断ち切らない限り、よりよい社会にはならないだろう。(余談だが、リリー・フランキー演ずる電気屋は育児に多く時間を割く「よいパパ」である一面、慰謝料名目であちこちでガンガン領収書を切りまくる金に汚い印象も残すが、出身は滋賀県という設定らしい・・・)。

 今の今、諸事情あって、当面しばらくの間、育児から「解放」された状態となり、何に時間を割くか、今日久々にToDoリストを眺めながらいろいろと考えていたが、祖母の死後にすべきだったことなどが、まだまだ山のように残っていて、メインは映像編集作業としたいところなのだが、この期間にどれほど進められるか。こんな風にブログ更新してる暇があったら……という声が聞こえてきそうであるが、少しずつでも進めたいとは思っておりますところで。

 ヒマワリから話が脱線したが、ヒマワリの採種まであと一息のところまでやって来た。あとは台風が来たり、鳥に狙われたりしないこと祈るばかり。

開花1週間後ぐらいにこうべを垂れ始めたヒマワリ
開花1週間後ぐらいにこうべを垂れ始めたヒマワリ

うちの1歳半の子供の取扱説明書(2)

 我が息子の取説つづきです。普段おもろいな、と思ってることをいくつかあげておきます。

●「パ」と言って、物を渡す

 特に意味はなし。リアクションしてもらえることを確認するのが目的、と考えられるので、受け取ってあげる。渡されるものは、何かそんなには大切ではない物が多い。散歩中だと道端に落ちている松ぼっくりとか、室内では手近な日用品や床の上のゴミなどが手渡されることになる。ゴミについてはすぐに目の前で捨てたりするのは忍びないが、ゴミはゴミだと教えるためにも、最近はすぐにゴミ箱に捨てるようにしている。

 ちなみに、床の上のゴミを口に持っていく、というのも、まだまだやることがあるので、ズボラな親ではあるが、基本的に床掃除は拭き掃除とかよりはやるようにしている。

●大人を操縦する

 自分がしてほしいことをまだ口に出して言えないため、編み出した技。立っている大人の後ろに回りこんで、膝の後ろ辺りを掴んで方向転換させて、その目的物のところまで連れて行こうとする。スイッチオフされているおもちゃのスイッチをオンにしてくれ、などの要望があるときに使われる。

●音に敏感

 雷や車が通る音など、家の外で聞こえる音に敏感に反応する。トラックのような大きめの音が鳴ると外が見えるところに走って行く。ただ、雷や飛行機の音など空からの音に対しては怖さを感じるらしく、不安そうな顔をする。そういう場合、怖くない、ということを話し続けると安心するようだ。

 当地では、防災無線で外作業の農家のためにまあまあでかい音で11時、4時にサイレンが、正午には音楽が流れるのだが、昼寝中の安眠妨害となっていて我が家では不評。サイレンが鳴ると起きてしまうため、最近はサイレンが鳴ったら寝ているところに飛んでいって、添い寝してやると、また「二度寝」してくれることがあることに気づき、気がついたらやるようにしているが、昼寝の場合は起きてしまうともう寝ない、ということが多いようだ。

●テレビなど映像は好き

 基本的にはまだ映像は見せないようにしているが、親が見ているテレビを凝視していることはよくある。ただし、たまに見せる子供向け番組を見るときの熱視線ほどではない。ネット動画などを見せることもあるが、これらも静かに見てくれるので、忙しい時などには大変便利であり、これから徐々に見せるようにするつもり。ただ、映像の影響力は半端なさそうなので、注意深く見せる番組を選ぶ必要はありそう。

●夫婦げんかしてると笑い出す

 どういう理屈か知らないが、夫婦げんかの最中に子供もハイテンションになり、キャッキャキャッキャと笑い出すことが何度もあった。あと、夫婦の間に割って入って肩をポンポン叩いたりすることもあった。こういう場合、子供は自分に罪悪感を感じたりするものらしく、あまり子供の前で夫婦げんかをしない方がいいとは分かってはいるのだが、なかなか言うは易くってやつで。というか、夫婦げんか自体しない方がいいわけであるが。

 夫婦げんかのない家の多くはどちらかが我慢してる説、というのがあって、私はこの説の信憑性は割りと高いと思っているので、言いたいことはお互い口に出して相手に伝えた方がいいと考えている。一応、世の中には我慢するでもなく夫婦げんかをしないカップルが稀に存在する、というのも実際そうだとは思うが、うちはそういう家ではなさそう、というのは結婚前からわかっていたことなのであった。

●オムツを替えようとすると逃げる

 オムツ交換時の儀式みたいになっているのがこれ。おとなしく替えさせてくれる時もあるが、オムツを外すと一目散に逃げていく。悪い場合、逃げた先でオシッコしたりするので、出来るだけ逃がさないように捕まえるが、振り切られることもよくあり、神経戦が続いている。

●自分の逃げ場を持っている

 逃げる先はだいたい決まっていて、寝室の方かU字型のスペースになっている場所に向かう。U字型のスペースの方はそこに逃げたとしても袋小路になっているため、逃げてもすぐに捕まるのだが、なぜかそこに好んで行こうとするので、そこは彼の「サンクチュアリ」ということにしてやって、よほどこちらが急いでいる時以外は、基本的には親が立ち入れないスペースというような位置づけにしている。我慢強く、こっちおいで、とか言っていると根負けするのか、だいたいは来てくれる。急いでるときは「土足」で踏み入ることもあるにはあるが、こういうのは出来る範囲で、ってことで。


 以上、思いつくまま書いてみたが、おそらくこの多くはこれぐらいの年齢の子供であればやるようなことなんだろうと思う。1歳半あるあるとかあるんだろうか。

 最近はあまり、育児関係の本や雑誌、サイトなどは見ていないが、年齢に応じた対応が必要になるので、定期的に最低限の情報摂取はしといた方がいいのだろう。

 ネットは情報過多で時に私のような育児に無知な親の不安をかき立てるような記述が目について、その真偽のほどを確認するために無駄に時間を消費することがあり、こういう場合は、太古からの人類の歴史に思いを馳せて、自分なりの落とし所を見つけるようにしているが、それでもやはり有用な情報が多くあり、いろいろとピンポイントで情報を発見できる素晴らしいツールなので、必要に応じて、上手に使いこなしたいところ。振り回されることの方が多いが……。

うちの1歳半の子供の取扱説明書(1)

 嫁さんと子供が家を出ていって3日目、今日も静かな朝を迎えました……。帰ってくる予定はあるそうですけど、帰らないかもとか言われておりまして、学生時代以来、人生とは何ぞや、と考える時間が増えたような気がする今日この頃です。

 さて、割りと実用目的(?)でうちの子供の取扱説明書ってのを書いてみようと思います。公開する意味があんのか、ってのはありますが、「パブリック」志向の今の時代ならでは、ということで。もっとも、私はあそこまでやるつもりはないけど。

 というわけで、早速始めます。

●グズった時の対処法

 だいたい抱っこしてやるなどして相手をしてやると止むことが多い。グズる理由は眠たいがトップで、そういう場合はユラユラ抱っこで寝かしつけると寝てくれる。時々オムツが不快とかの場合もあり、うんちは臭いですぐにしたことが分かるし、時々気張っていて、その後、何か訴えるような視線を送るので大抵わかるが、親が気づけないこともあるので、時々ウンチチェックは必要。他にお腹すいたのときにグズることあり。

 その他、「退屈」でグズるときもあるようで、こういう場合は、なかなか大変。普段はいかない場所に連れて行くなどすると落ち着くことがあるが、それでもダメな場合があり、そういう時は最後の手段で、おやつや子供向けジュースを与えることになってしまう。出来るだけ最後の手段は使わないようにしているが、効果てきめんなので、外出時や何か他に用事をしているときなどについ使ってしまうダメ親である。

 他に、おなかが痛い、とかもあるのだと思うが、こればっかりは分からない。大人でも腹具合が悪くなることはよくあるので、子供もあるに違いないとは思うが、仮にそれがわかったとして、どう対応すればよいのやら……。ふと思ったが、夜中になぜか泣き出すことがあり、あれってお腹が痛いとかだったりするのだろうか。

●おもちゃ

 ありがたいことに、うちには貰い物のおもちゃがいくつもあり、遊び道具には事欠かない。お気に入りのおもちゃは日が経つにつれ少しずつ変わっているが、今のお気に入りは車などの直方体の物体で、両手に車を持って床や机の上を動かしているのをよく見かける。

 子育てしてると生まれながらの性差を感じることが多く、やはり男児は車が大好き、というのを肌で感じる。おもちゃだけでなく、実際に動く車も大好きで、車が通ると大抵そちらの方に向いて、見えなくなるまで熱いまなざしを送り続ける。

 小物系では車だが、比較的図体のでかいおもちゃでは音楽の鳴るおもちゃを好むようで、あの玩具のスイッチを入れてくれとせがむこともよくある。その中でも大ヒットはターンテーブルが2個あるDJブースみたいなおもちゃで、嫁さんが某リサイクル店でたまたま見つけたものだが、当初はそんなにお気に入りではなかったものの、月齢が上がるにつれ、このおもちゃの前にいる時間がだんだん長くなった。とにかく日用品でも何でも何か新しいアイテムを手にしたら、まずはこのおもちゃのターンテーブルに乗せて回して眺める、という行為をするようになっている。

 見ていると、ターンテーブルが二つあるため、テーブルの上にある物が予測不能な動きをすることがあり、両方のターンテーブルに物をぶつかるように載せると確かに面白い動きをする。こういうのはある程度遊ぶと飽きてしまうことになりがちだと思うが、この前に座らせておくと他のおもちゃよりも長時間遊んでくれるので、こちらが用事をしているときなどはありがたい存在になっている。

ターンテーブルが2個付いたDJブースみたいなおもちゃ。いろいろ仕掛けが有り、あちこち押すと様々なゴキゲンな曲が流れる。
ターンテーブルが2個付いたDJブースみたいなおもちゃ。いろいろ仕掛けが有り、あちこち押すと様々なゴキゲンな曲が流れる。

 商品名がどこにも書いていないが、なんという名前のおもちゃなんだろうか。いろいろ検索ワードを変えて検索してみたし、類似画像検索もしてみたが、分からなかった。外国製の可能性もあるんかも。

 ちなみにまだ「飽きる」ということは知らないらしく、まったく遊ばなくなったおもちゃは基本的にはなく、どのおもちゃも適度に遊んでいるようだ。

●食事

 明確に常にこれは食べない、というようなものは今のところなく、お腹が空いていたら、だいたい食べる。しかし、昨日食べたものでも今日は食べないとか、その逆とかはしょっちゅうで、昨日食べなかったものでも今日食べることは大いに有り得るので、毎回、食べないかもしれないと思いつつも一応食卓に出してみる、というのが最近分かってきたコツ。

 主食については、パンも食べるがご飯の方がいろいろとこっそり野菜を混ぜることができるので栄養バランス的にはご飯の方が食べさせやすい。パンは気分次第では口にしないことはあるが、ご飯はそういうことは少ない。

 熱いものをやるとベーッと出すので、やはり出来るだけ冷まして食べさせたほうがいいみたい。おいしくないものも出すこともあるが、今のところ、そういうのは少ない。子どもが嫌いな野菜で有名な(?)ピーマンとか人参、ナスなどもご飯に混ぜて食べさせると出すことはまずない。

 関係ないが、ふと、ほうれん草嫌いの子どもに食べさせるために作られたキャラクターのポパイを思い出して、ほうれん草が嫌いってどういうことと疑問に思っていたが、ポパイの「ホウレンソウの缶詰」って実際はどんな見た目なの?を読んで分かった。缶詰という時点で変だと思っていたが、そういうことだったんだな。

●言葉

 まだ、「ママ」以外はほとんど意味のある言葉を話さない。宇宙語を一日に何度かゴキゲンな時に話す。稀に「ネンネ」とか「パパ」「ワンワン」などと言う時もあるが、こちらがパパと言っても、ママと返すなど、母親と父親の間にある圧倒的な差はまったく埋まらず、それどころか開く一方である。

 「オソト」「サンポ」「オムツ」「ジュース」「バナナ」「アマイ」などいくつかの単語は確実に理解している。言葉でサンポというと一目散に玄関の方に飛んで行くし、ぐずっているときに「バナナ」という単語を出すと顔がパーッ明るくなるのでそれと分かる。他にもこういう反応はしないが分かってそうな言葉はいくつもありそう。

●絵本

 もちろん自分ではまだ読めないが、せがむことが多い。出来るだけ毎日何かしら1冊は読むようにしている。うちにはお下がりの絵本がたくさんあるのだが、多くは年長さん向けか小学生向きで、1歳向きの絵本は少なめなので、図書館などで借りるといいのだが、乱暴に扱うことが多いので、躊躇している。絵本は意外とそこそこ高価なので、そんなには買えないが、少しずつでも買ってやりたいと思いつつ。。。フリマとかに出てそうだが、この辺りでフリマはあんまやってないんだなー。

 私は絵本はほとんど読まずに育ったので、絵本の効用はあまり実感としてよくわからないが、あれだけ推奨されているし、悪いこととは思えないので、もっと年齢にあったものをやはり読んでやらないといかんのかもと、書いてて思った。

(つづく)