子どものしつけはどうしたらいいのか

 一時的に父子家庭になって2晩が過ぎた。昨晩は試しに鉄板の寝かしつけでない方法をいろいろと試したが、なかなか寝てくれずに困った。結局、こちらが先に寝てしまったようで、気がついたら、足元で寝ていたのだった。

 乳幼児は眠たくなると手足が熱くなる、という、犬の尻尾みたいな大変わかりやすい指標があり、昨晩も足が相当に熱くなっていたので、私が寝落ちするのとほぼ同時に寝たのではないかと思っているのだが。

 そういうわけで、特段「寝かしつけ」をしなくても、一応、入眠はしてくれるのであるが、寝入るまで寝室の端から端まで転がりまわる儀式が必要らしく、それにつきあうのもなかなか大変なので、だいたいはユラユラ抱っこなどして寝かしつけることが多い。子どもに睡魔が襲ってきて、コテンと寝てしまうこともあり、そういうときは寝かしつけは不要なので、楽ができる。

 乳幼児の日常の世話は概ね、食事、オムツ、ネンネだけやっておけば、最低限なんとかなる。ただ、猛烈にグズる場合があり、原因がわかればよいが、いつまでたっても泣き止まないときなどは絶望的になる。昨日も何度か執拗にグズる場面があったが、最近は原因が分かることが多いので、いくらかそういう面では楽になった。最近のグズリは概ね、物への執着の場合が多く、自分の物だと思ってるものを取り上げると、癇癪を起こしてしまうことがあり、そういうところは注意している。ただ、かといって、甘やかしすぎになってもいけないのだし、なかなかバランスが難しいところ。

 育児のイロハも知らずに育児生活に突入して戸惑うことばかりであったが、最近はようやくお互いペースがつかめてきたところがある。しかし、いくつかの点でまた試行錯誤が必要なところがあり、例えば、歯磨きなどは、どうしたらうまく出来るのか、まだよくわからない。口をゆすいだりするのはまだまだ無理かと思っているが、今、ざっとググると風呂場で見本を見せるとやるようになるのだとかで、早速今晩からでもやってみよう。

 あと、最近は自分の要望が叶えられないと、エビ反りになって床に倒れこみ両足で床を踏んで抗議の意思表明をしたりするようになったのだが、どこまで要望を聞いてやるか、毎回悩む。シチュエーションによっては、叶えるわけにはいかない場合もあり、そういう場合は悩まないが、こちらがあと数分つきやってやればよさそうな場合などは、チョットダケヨと、いうことを聞いてやってしまうことがある。基本、まだ1歳半であり、叱っても理由がわからないだろうから、何か悪さをしたら、その原因を取り除く、という対応をするようにしているが、その対応にも限界がある。例えば、うちではある机の上に子どもが乗ることを黙認してしまっているのであるが、部屋のレイアウトを変えない限り、乗るなというのは難しい状況になっている。今、ちょっとググってみたが、同様に子どもがテーブルに乗るのは普通らしく、皆さん苦労されているようだ。ただ、何度も何度も繰り返して、乗ってはいけないと教えている家庭が多いようで、うーん、これはレイアウト変更した方がいいってことだな、と反省し始めたところ。

 最近、「毒親」などという言葉が普通に流通するようになり、あまり躾を厳しくしすぎるのも問題という風潮になってきているように感じる。一方、少し前までは社会が他の子どもの躾を許容する空気があったが、最近では親がモンペの可能性があることもあって、他人の子どもを注意できる空気が急速になくなっており、親が全面的に躾を担当しなければならず、こういう精神面は一定の答えというものはないので、判断に迷うことがある。私は、自由放任で育てられ、そのまま何の疑問もなく大人になってしまったようなタイプの人にあまりよい印象を持っていないので、一定程度、親の価値観を押し付けて、反発させた方がよいと思っているが、これも程度問題で、行き過ぎはよくないだろう。

 沖縄に滞在していた時に子どもが子どもらしくしているのを見て、いつから「内地」の子どもはこうなってしまったんだろう、と思ったものだった。多分、大人の社会の規範がまだ機能している、ということなんだろう。同じことはウクライナの田舎でも感じた。大人が他の子どもを叱っている場面を何度か目撃した。蹴りを入れたりして、少々やりすぎではあったが。

 人類の進化の上で、子どもは一定のつながりのある社会の中で育てるようになっているはずで、ここ最近のように個別に親がそういう面まで負担しなくてはならない状況は相当に特異な状況なのではないか。こういうのは都市部の問題で、人間関係の濃い田舎だとまだ機能している、と思う向きもあるかもしれないが、意外と田舎でも同じようなもんだと思う。昔はよかった、と嘆いていても仕方がないし、今あるのは、様々なプロセスを経ての今であり、それなりの合理性はあるだろうから、何とか適応していくしかないのだろう。


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