新しい年度となった。年度内契約が出来ない可能性もあったが、なんとか今日から働ける状態になっている。
個人事業主になって、もう10年以上になるが、安定とは程遠い労働形態であり、いつ食えなくなってもおかしくはない状態が常時続いているので、常に「追われている」感覚が消えることはない。老後の年金などに期待はまったく出来ないので、この状態が一生続くのは覚悟の上である。ただ、人生計画として、妻子を養う予定がなかったこともあり、大きく軌道修正しなくてはならない事態となり、今後20年なんとか食べさせていくだけの収入を保持し続けることが私の目下の最大の関心事となっている。(もちろん、ここのところ最大の関心事であったチェルノブイリや福島のことも常に念頭にはありますがね……)。
こういう立場になって、つくづく感じるのが、今の日本が会社などの組織に所属して収入を得る、という労働スタイルを前提として多くのことが組み立てられている、ということで、自営業者には育児休業もなければ、産前産後の休暇もないし、保育園も多様な働き方に対応した制度設計になっているとはとても思えない。
少子化対策らしきものがいろいろとなされているが、効果をあげている気配はない。結局、基本制度設計からして、実態に即していないわけで、根本的なところに手を付ける時に来ているのではないか。こうした制度に通じていないので、思いつきで書くが、例えば、自営業者でも一定の枠内で直近3年の平均年収に近い金額を給付するとかしたらどうか。仄聞するところでは、ヨーロッパではこれに近いことがなされているらしい。
借金だらけの日本にそんな新たな支出をする余裕はない、という意見はあるだろうが、これほどの急激な少子化があらゆる階層・年齢層にとって、よくないことだという共通認識はあるはずであり、子育て世代の「マインド」に大いに訴える方策を打ち出さないとこの流れは変わらないだろう。先日、3人目の子供を産んだ世帯への優遇策が出ていたが、この程度で産もうという気になる人が増えるとはとても思えない。
「子供3人以上の世帯」負担軽減へ 結婚支援策も盛り込み 少子化対策大綱を閣議決定
今、政治力を持つ世代の子育て環境と、現行世代の子育て環境はまるで違うし、当面、高齢者の人口に占める割合がまだまだ高まっていく局面で極端に子育て世代向けの施策がなされる、というのは望み薄ではあるだろうが、それでもせめて声ぐらいはあげていかんとあかんなと思いつつ、日々の生活にまぎれて、なかなかそれすら大変というのも現実ではあり……。