かなり久々の健康診断を受けに行政の健診に行ってきた

 考え方は人それぞれだが、フリーになってから私は健康診断はほとんど受けてこなかった。健康には全く自信はないので、そんなことではまずいのであるが、実のところ、職場で強制的に定期健診を受けさせられる、とかでないと、行政から案内が来てもまず行こうとしないもので。

 健診を受けなかった理由としては、無駄に短く生きるつもりもなかったが、かといって無理に長生きするつもりもなく、また無用の検査を受けたくない、というのもいくらかはあって、結局のところ、めんどくさい、というのが一番大きかったんかも。

 しかし、この年齢で子供が生まれたこともあり、安吾のいう「親はあっても子は育つ」、つまり、親はなくても子は育つし、あっても育つもの、だとはいえ、やはり、成人するまではなんとか健康に留意して、「教育を受けさせる義務」は果たさんといかんな、との思いが芽生えつつあり。

 町の健診なんて行ったことがないので、一度行ってみるか、という好奇心半分で行ってみたのであるが、受付から始まって、次は測定、次は採血、などトロコテン式にどんどん流される方式で、問診と検診で2,30分ほどの待ちが発生する以外はほぼスムーズに流されていった。

 私の住む滋賀北部は南米からの日系人が働く工場が多い、という土地柄を反映し、日本語の掲示以外にスペイン語とポルトガル語の表記もあった(英語・中国語はなし)。ということは通訳の方もどこかに待機してたのかもしれない。

 もう何年も健診受けてないので、最新の健診事情を知らなかったのだが、検便の方法がえらい変わっててちょっと驚いた。昔風に小さなプラケースに爪楊枝かなんかで詰め込む式ではなく、先端がギザギザになってる細い棒状のものでこそげとり、100円ライターほどの大きさの専用容器にしまい込む方式で、ごく少量で検査できるようになっていた。ただし、2日分必要で危うく忘れるところだったが。(※アイキャッチ画像参照)

 また温水洗浄便座(つまりウォシュレット・シャワートイレのことだが、この2つの商標以外に言いやすい総称はないものか)が家庭に普及している現状を反映し、水の張った水洗トイレでも便を簡単に取れるような配慮も万全。

トレールペーパー
(※うんち坊やがこちらへどうぞと示す★に向けて噴射する仕様)

 バリウムを飲んでの胃がん検診というやつも初めて受けたのだが、あんな具合にDJよろしくマイクパフォーマーの指示に従って、右に左に転がるものだとは思わなかった。あとで胃の中でバリウムを回すためだと知ったが、日本中でみんながあんなことをやらされてると思うと、ちょっとしたおかしみを感じたり。

 しかし、「バリウム 健診」でググるとこういうサイトが一番目に表示され、やはり皆さん被曝は気になっているようで。

胃バリウム検査で癌になる?

 リスクと早期発見という効用のトレードオフというやつだが、現状は受けたい人が受けられるわけで、少しでもリスクを減らしたい人は毎年受けない、という選択肢もありかと。
(追記:過去に胃潰瘍をやった方などは、胃カメラを飲む、とのこと。今は非常に技術が進んでいて、かなり楽に受けられるらしい。)

 採血後、止血のために3分待つ間も抜かりなくアンケートを取られるのだが、隣のおばちゃんがその役をしてて、世間話しながら答えてると、「インターネットアクセスしてますか? スマホ持ってますか?」という設問があって、なんじゃそら? スマホ? ええ持ってますけど何か、とか思ってたら、行政としても健診受診率向上が至上命題となっているのか、健診を受けてもらうための広報にネットが使えるかどうか検討しているのだそうで。

特定健診受診促進キャンペーン
(※「健診を受けて5000円分の商品券を当てよう!」に目が眩んで受けたわけやないんやで。ほんまやで。ほんまやって!)

 正直なところ、こうした健診で病気を早期発見できる可能性はそれなりにはあるんだろうけれど、実際のところどうなんだろう、とちょっと思ってしまうのは仕方のないところで。血液検査などは比較的機械的に出来るが、人間の判断力がからむ場合どうなのか。技術者倫理として特段別け隔てしたりはしないだろうが、「病気の可能性が高い」と本人が思ってる場合、チェックする側もそれなりに気合を入れてチェックするが、病気の可能性が高くなさそうな人の病状はそういう先入観を持ってやってしまったりはしないのだろうか。このあたりはそれこそ「当たり外れ」がありそうな気がするが。

 ともあれ、アンケート項目にもあったが、健診には自身の健康状態に関心を持つきっかけになる効用があるのは間違いのないところで、この機会に自分自身の日常生活を見直すきっかけにはなった、ということで。