一箱古本市に初めて参加して思ったこと。やはり、本の選定が肝だが、見せ方や値付けなどの工夫も必要だとわかった。

 滋賀北部の木之本で一箱古本市があると知り、参加出来るかどうかわからなかったので、締め切りギリギリまで待って問い合わせると、すべて席が埋まっているとのことで一度は参加を諦めた。実際のところ、準備も出来てなかったし、第一回と銘打っているので、第二回もあるだろうから、次回のために準備しておこうか、などと思っていた。ところが、開催日の数日前に主催者の方から、キャンセルが出たとのお知らせを受け、急遽参加することになった。

 本の選定については、時間もないので、ネット価格は安いけど、ランキングは高い本にすることに決めた。一応、少し前にそういう本を集めてあった。しかし、何冊ぐらい出せる/出してもいいのか、最初は皆目検討がつかず、とても困った。ネットで「一箱古本市」で検索すると、段ボール箱一箱に限るのだ、それがその人の宇宙を表すのだから、というような主旨が書いてあるサイトがあり、新参者がそういう雰囲気を破るといろいろよくないのかもな、ああどうしようかいなと悩んだりした。

 問い合わせると、やはり別に一箱に限らないとのこと。本棚を持ってくる人もいる、と聞き、「へ~そんなことしてもええのか!」と目からウロコで、75cm程度のテーブルを準備し、その上に段ボール箱を、そしてテーブルの前とサイドに背の低い本棚を置くことにした。こちらとしては、とにかくたくさん出したいのでこのようにしたのだが、周囲が慎ましく段ボール箱1,2箱だったら浮くだろうな~、とか考えたりした。

 行ってみると、いやいや、みなさんかなり自由にレイアウトしていて、背の高い本棚を複数持ち込んでる人もいて、拍子抜け。もっとも、地べたに敷いたシートの上に選りすぐりの本や雑貨を置いてる方もおり、冊数的には私は多い方ではあったが、楽器を置いて演奏したりする方もいて、雰囲気としてはフリマに近いように感じた。

 開始時にはまだ値付けは決めてなくて、当初はアイキャッチのために持ってきた何冊か以外は1冊200円、3冊500円にしようかと思っていた。そのうち、アイキャッチのための本がどんどん売れていって、他はなかなか売れそうにないように思えてきたので、1冊100円にすることにした。

 しかし、その後、わかったのは、1冊100円じゃなくても売れたということだった。前半は値札は出さずに聞かれたら100円と答えることにしていたのだが、みな一様に「えっ」と絶句され、「本当に100円でいいんですか」なんて聞かれる始末。そのうち、「この本を100円で売ってはいけませんよ」と忠告する方も複数出てきて、あ~、失敗したなぁ、と思ったが、後の祭り。おそらく、本によってはもっと値段を上げても買う人は買っただろうことが推測された。

 私としては、良い本だが私の手元に置いておいても有効活用されず、かといって、ブックオフに持ち込むのは気が引けるような本を大量に抱えていて、処分に困っていることもあり、100円にしたのだが、次回は当初の予定通り1冊200か300円にしようと思っている。その代わり、ネット価格が安くない本も混ぜようとも思っている。

 今回、お隣さんが一箱古本市の常連さんでとてもお世話になった。トイレとか用事がある時に、店番してくれはったり、コツを教えてくれたり。本の選定と値付けは一番おもしろくも難しいところだが、その方曰く、自分的に価値があっても、買い手には価値がないかもしれないし、その逆もあったりで、値付けは経験を積んでも難しいものらしい。

 その他、自分的に思ったことを羅列しておくと

・見せ方は重要
 いい位置に良い本(値段高めでもいい)を置いておくと足を止めて、見てくれるみたい。

・コーナーを作る
 雑多な本でもいくつかコーナーを作っておくと、見やすいし、買ってもらいやすくなる。

・複数のテーマ、しかし、多すぎず
 子供から高齢者までいろんな年齢層の人が来るので、幅広くラインナップしておくのもよさそう。でも、得意分野というものがあるので、あまり広くしすぎても散漫になるだけなんで、数分野程度におさめておくのがよさそう。

 買う側として、店主と話すのが面白かったりするが、なるほど、いろんな人が来るもので、そういう人たちとのコミュニケーションを楽しむ場でもあることもわかった。地方開催とはいえ、本の目利きも来るので、面白い。普通値下げ交渉するものだが、こちらの言い値より高めに買ってくれる人が数人もいて、こういうのはリアル書店ならではだろう。ネットでも顔見知りの方などはそういうことをしてくださる方も稀にいるが、概ね買い叩く方向に向かいがち。

 今回、第一回目だったが、二回目も検討しているとのこと。今回は自分的には試験的にやってみたところもあるが、次回参加する機会があれば、もう少し売ることをちゃんと考えて臨もうと思う。

第一回木之本ひとはこ古本市
第一回木之本ひとはこ古本市