新生児訪問と乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)は義務として受ける必要があるのか

 早いものでもう次男が生まれて一週間が経過した。すでに家の中に赤ちゃんがいることが普通になっていて、第一子もいろいろと協力的に動いてくれている。

 出生届を出してきたのだが、いろいろとトラップがあって、訂正印を幾つか押すことになった。本籍の筆頭者については提出後に間違えて提出したことに気づいたのだが、後日、訂正に行くと、すでに役所の方で訂正済みとのこと。なんのこっちゃ。訂正できるということは特に書く必要がないということではないのか。本人確認の意味があるのかもしれないが、私のように忘れてしまっている人が結構いるようだし。一体、どういう意図でこの項目があるのか。

 母子手帳には新生児訪問依頼書というハガキがついている。第一子のときは義務的なものだと思い、受け入れたが、第二子であること、産科の指導で必要十分であること、今のところ、母子ともに健康であることなどから、訪問は受けないでもいいのではないかと考え、役所で聞いてみた。結論としては、自治体としては受けてほしいが、受けなかった場合は数ヶ月後にまたハガキが来て、別の訪問事業を受けてもらうことになる、とのことだった。

 よく理解してなかったのだが、新生児訪問以外に乳児家庭全戸訪問というのもあって、私の自治体では新生児訪問を受けなかった人が対象となっているようだ。新生児訪問は母子健康法、乳児家庭全戸訪問は児童福祉法が根拠となっていて、それぞれ以下のような文言がある。

母子保健法の第11条

当該乳児が新生児であつて、育児上必要があると認めるときは、医師、保健師、助産師又はその他の職員をして当該新生児の保護者を訪問させ、必要な指導を行わせるものとする。

児童福祉法の第六条の三の4項

乳児家庭全戸訪問事業とは、一の市町村の区域内における原則として全ての乳児のいる家庭を訪問することにより、厚生労働省令で定めるところにより、子育てに関する情報の提供並びに乳児及びその保護者の心身の状況及び養育環境の把握を行うほか、養育についての相談に応じ、助言その他の援助を行う事業をいう。

 前の自治体では新生児訪問は家の居間に保健師さんに来てもらっていろいろ指導を受けるという形で、もう一つの方は地域の民生委員の人が玄関先で様子を尋ねる、という感じだったので、今回、新生児訪問はパスして、全戸訪問の方を受けることにすることにした(対応が楽だからというのが主な理由だったりw)。

 ちなみに厚生労働省サイトにやや古いが平成22年度実績の乳児家庭全戸訪問事業の実施状況(PDF)というのがあり、見てみるとこの事業は92.3%の市町村で実施されたとのこと。残りの7.7%の市町村で実施しなかった理由としては「母子保健法に基づく訪問事業で対応可能である」や「乳児家庭全戸訪問事業以外の同様の事業を既に実施している」などが挙げられており、この事業を必要としていない自治体も少なからずある模様。

 国としては早期に「問題家庭」の把握をすることで未然に虐待やネグレクトを防ぐなどの目的があるのだろうと思う。個人的にはこうした事業は「孤育て」が当たり前の時代にないよりはあった方がいいとは思うが、多様な有り様を一律に「全戸訪問」することで把握しようとするのは少々無理があるようにも思える。こういう事業では得てして現場が様々な工夫をして訪問率をあげようとしているものと想像するが、実施できなかった理由に「訪問者が足りない」「訪問の同意が得られない」というのもあり、今の時代にあったやり方があるのではないかと思ったりもした。

 子育ては今や家庭の範疇の事柄となっているが、人類の歴史を鑑みるに集団で育ててきた、というところがあり、集団での子育てのデメリットも多少有るものの、メリットの方が大きいと思われる。その効用をどのように取り入れるか。おそらく今の行政では出来ることが限られており、期待すべきではない。ではどうするか。私が思う一つの答えは子供が属す集団を複数にし、多様な集団での経験ができるように準備することぐらいしかないのではないか。この場合、習い事とかになってしまいがちだが、それだけではなく、いろんな形で工夫の余地があるように思う。

 なんか、思ってた方向と違う方向に論を進めてしまった。私も上記のことは十分に出来ていないが、方向性を今、確認したので、これから考えていきたいと思っている。

 最後に、うちの自治体は「乳児家庭全戸訪問及び新生児訪問の際に配付している人形に縫い針が混入した事案についてお詫び」がなされるような自治体だったりして、これが新生児訪問を躊躇した理由の一つではあったのかも、なんてね。