チャイルドシートやジュニアシートを助手席に置くことの是非

 チャイルドシートは後部座席に装着することが推奨されている。

 自動車総合安全情報という国交省のサイトで「チャイルドシートは、安全のためにできるだけ後部座席に取り付けましょう。」と書かれているし、こちらの滋賀発祥の某メーカーのサイトにも「エアバッグの付いている座席」では取り付けないでください、と書かれている。

 乳児の場合、後ろ向きの装着になるので、チャイルドシートを助手席に設置するのはやめるべきだが、前向きの場合、どうなのか。もちろん、一般論として、後部座席の方が事故率は低くなるし、助手席というのは最も死亡率の高い場所であり、避けるべきというのは正論であるだろう。

 私もずっとチャイルドシートは後部座席につけていた。後部座席の左右どちらがよいか問題については、やや運転手席側の方が死亡率はいくらか低くなるものの、先程のメーカーでは歩道から乗り降りさせることが出来るから、という理由で助手席側を推奨している。私も信号待ちのときなどに運転席から世話がしやすい、ルームミラーをやや斜めにすることで常時監視することができる、などの理由で助手席側に置いていた。

 ただ、何度か助手席に仕方なくチャイルドシートを設置した経験から、前向き装着なら助手席に乗せるのもアリではないかと思うようになった。子供としては前に乗った方が小さいうちからいろんなものをより多く見ることが出来、これはこれで立派な理由になるんじゃないかと。

 もちろん、これは親の自己責任である。多くの人は後部座席に乗せているのも知っているし、安全性も一般的には高くなるだろう。昨年、3歳の子がエアバッグで圧死する、という痛ましい事故が起きたが、こちらの「エアバッグで圧死」3歳児死亡事故、運転の母親に有罪判決という記事によると、後部座席にチャイルドシートがあったが、近所だったのでチャイルドシートのない助手席に乗せたとのことで、運転していた母親は有罪判決を受けている。

 上記のようなエアバッグでの圧死を避けるためにどうすればよいか。出来るだけ座席を後ろに引いておくぐらいしかないのだが、これで100%安全が保証されるわけではない。また、車両に助手席エアバッグ・カットオフ・スイッチというのがある場合、エアバッグ機能をオフに出来るが、多くの機種は未対応らしい(私の車種も未対応)。

 ここから先はもうリスクとベネフィットをそれぞれが判断する、という話になると思う。後部座席にいたら絶対安全でもないわけだし。

 うちの場合、4人家族になるにあたって、乳児を含む子供二人を後ろに乗せて、親二人が前、というのは、ちょっと考えられない、ということで、上の子を助手席に乗せるのを検討するきっかけとなった。そして、実際に乗せてみて助手席に乗せることのメリットがそれなりにあることがわかった。まず、子供にとって、景色がよく見えること、親としては子供の状態が後部よりもよくつかめること、子供の急な「お茶ちょうだい」などに対応出来ること、子供との会話を楽しめること、などなど。デメリットは死亡や怪我をする危険性が高くなる、ということだが、危険性をいうのであれば、車に乗ること自体なし、っていうのもありうる。そういう人も実際いるだろうし。

 私は他の人には推奨しないし、子供が一人だったら、そのまま後部座席に乗せてたかもしれないなとも思いつつ、助手席絶対危険で思考停止するのもよくないな、とも思った次第。JAFの海外のシートベルト着用・チャイルドシート使用義務というページによると、諸外国では前部座席に子供を乗せることを禁止しているところもあるようなのだが、細かい点がこのページだけではわからなかった。早いところ、自動運転車が主流になって、事故激減って世の中になってほしい、なんて思ったりもするが、まだまだ先の話ではあろうし、ともかく常日頃から安全運転を心がけるしかない。