「福島第一原発で水素爆発の危険性」という記事が出ていたが……

 こちらに「福島第一原発で水素爆発の危険性」と題する記事が出ていた。時々他の日本語のニュースサイトでは報道されない記事が出ることもあるラジオイラン発の記事で、怪しい出処の記事をよく掲載する某国の日本語プロパガンダサイトなんかよりはまともな記事が掲載されることが多いと思っているのだが、さすがにこの記事はないやろと読んでみると、「福島第一原発の汚染水タンクからの放射能漏れにより、水素爆発が起こる危険が高まっており」とあり、この記事の題名から類推される「原子炉建屋の水素爆発の危険」ということではないことがわかった。

 先日、『考証 福島原子力事故 炉心溶融・水素爆発はどう起こったか』という本を読んだところで、原発の水素爆発といえば、燃料被覆管のジルコニウムと水が反応して発生する水素がその源であり、汚染水タンクでそれが起こるわけはないので、なんだろうな、と思って、もう少し調べてみたところ、1週間ほど前の記事で 原発汚染水処理の廃液容器、1割に水漏れやにじみ 東電 という記事が出ていた。

東京電力は22日、福島第一原発の汚染水処理に伴って出る廃液の保管容器の約1割に水漏れやにじみが見つかったことを、原子力規制委員会の検討会に報告した。容器はコンクリート製の箱の中にあり、箱の外には漏れていないが、容器の内部には水素がたまっており、規制委の担当者は「濃度が高ければ、静電気で火花が飛ぶと爆発などの危険性もある」と指摘した。

 そして、汚染水の水漏れの原因として、以下の要因をあげている。

高濃度廃液から出る放射線で水が分解されて発生する水素などのガスが、容器下部の沈殿物の中にたまり、体積が膨張、液面を押し上げたと推定する。ふたには水素などのガスを逃がすための小さな穴がついているが、今回の調査で穴がない欠陥品が1個見つかった。納入時の記録から、同様の欠陥の可能性のある容器は他に333個あるという。

 ということで、このことをラジオイランの記事は指していることがわかった。もう少し調べると英語記事で、英テレグラフ紙が「近くに着火源はなく、静電気を発生するものもないので、水素爆発の危険は極めて低いだろう」との東電のコメントを取っている。以下は元記事と元の英語。

Fukushima leak ‘could cause hydrogen explosion’ at nuclear plant

“We think the possibility of an occurrence of hydrogen explosion from these storage facilities is extremely low, since there is no fire origin, or anything that generates static electricity nearby,” Mayumi Yoshida, a spokeswoman for Tepco, told the Telegraph.

 ちなみに、こちらによると「水素爆発は、酸素濃度が5%以上、水素濃度が4%以上混ざった気体に点火すると起こる爆発」とのこと。あと、こちらによると、

実際の燃焼範囲は空気中に体積で4~75%含まれている場合で、それ以上濃度が高くても低くても着火しません。また、発火点は527℃とガソリンの500℃よりも高く、自然発火しにくいガスといえます。万一、屋外で容器から漏れたとしても軽いガスであるため、ただちに空気中に拡散してしまい開放空間での爆発はほとんどありません。

とあり、水素というと危険なイメージがあるが、

ちなみに、「ヒンデンブルグ号」の事故は、近年の研究で、出火原因が船体の外皮の塗料にあったことが解明されています。酸化鉄と粉末アルミニウムをまぜた特殊な塗料でしたが、成分が大変燃えやすく、外皮にたまった静電気のスパーク(火花)で簡単に火災を起こし、炎上したことが原因で、水素漏れによるものではないことがわかっています。

ともあり、思っているほどには危険ではないんだな、と調べてて知った次第。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です