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ヨーロッパ(スペイン)でレンタカーを借りる時に気をつけること ~MT(マニュアル)車かAT(オートマ)車か~

 今回、スペイン滞在時にレンタカーを借りたので、その時に感じたことなどをメモしておきます。

 旅行前に少し調べておいたのだが、「左ハンドル右側通行」以外にも、以下の様な注意点があることが分かった。

・ヨーロッパではマニュアル車がメインでオートマ車は数が少なく、AT車のレンタル料はMT車の倍近くする。
・ラウンドアバウト(ロータリー交差点)の入り方について、事前によく理解しておく(「左から来る車優先」と覚える)。
・交差点に歩行者専用の信号があり、右折・左折後にその信号が赤になっていたら、停止しなくてはならない。(日本の通常の感覚だと停止せずに進んでしまう)

 他に、旧市街地は道が細いので、通らない方が無難、とか、縦列駐車が多いが、ギリギリに停めてあり、真似が出来るものではないので、やめた方が無難、などなど、注意点は少なくはない。

 私が一番悩んだのは、マニュアル車にするかオートマ車にするか、ということだった。一応、アメリカやギリシャで運転したことはあったが、いずれもオートマ車で、日本で普段使用している車もオートマで、マニュアル車は免許取得後から10年程度は乗っていたが、その後はオートマ車ばかり乗っているので、果たして、どれほど身体が覚えているか、不安だった。一応、近所で軽トラの運転はしたことはあり、普通に運転できていたので、意外にあっさりと乗れてしまうだろうと考えてはいたが、それでも注意点の多い海外での運転であり、また、妻子も乗せることになるので、無難にオートマ車にしたいところだが、倍もお金をとられるのは嫌だなぁ、でも安全も重要だしなぁ、と心は揺れに揺れていたのである(笑)。

 結局、バルセロナで初めて借りた時はオートマ車に、アンダルシアで借りた時はマニュアル車、ということになった。

 バルセロナでは年末年始に当ってしまったため、こちらの希望がほとんど通らず、時間はこちらの希望の数時間後、かつ、インターメディエイト(コンパクトカーのひとつ上)のクラスのマニュアル車しかない、などと言われ、いろんな都合上、仕方なくOKしたのだが、やって来たのはオートマ車だったのだった。なんとアバウトな国民性!

 アンダルシアを回るために訪れたジブラルタルのレンタカー事務所では、オートマ車は一台もない、と言われ、選択の余地なく、マニュアル車となった。一応、バルセロナである程度、ヨーロッパの交通ルールに慣れていて、マニュアル車でもいける、という感触を得ていたし、価格も最初に借りた車の半額以下だったので(エコノミークラスだったこともあるが)、二つ返事でOKした。

 担当者に連れられて地下駐車場に行ったのだが、ここでいきなりエンストをやらかした。エコモード搭載でブレーキベダルから足を離すと自動的にエンジンがかかる仕組みになっていたためだが、念のため、駐車場で一速・二速とバックの練習をしてから地上に出ることにした。

 ある程度リズムが取れるようになったあと、路上へ。幸い、そこは海辺の公園の一角で交通量が少なく、もう少し練習するにはもってこいの場所だった。そこで、同じコースを何度かグルグルと回りながら、3速と4速の練習をしてみて、右手でのギアチェンジを前を見ながらでもスムーズに出来るぐらいにはなり、さらに4速から2速とかでも出来るようになってから、いざ本番へ。

 実際に市街を走り始めると、もう迷ってる余裕すらないので、とにかく前の車にひっついていく(ただし、車間距離を多めにあけて)のに必死で、そのうち、いつの間にか高速に乗れていたのだった。ナビあってこその運転のやり方だったかも。

 私はどちらかというと車の運転はそんなに上手な方ではないと思っていて、さらにそんなに好きなわけでもないと思っているが、オートマとマニュアルなら、マニュアル車の方が運転に集中できるので、条件が許せばマニュアル車に乗りたい派である。なので、マニュアル車の運転にはすぐに慣れることが出来た。私はやらなかったが、出来れば、国内にいるうちに、軽トラでもいいので、知人にマニュアル車を保有している人がいたら、借りて練習しておくとよいと思う。

 実は旅行直前に右ハンドルの外車のマニュアル車を10分とか1時間とか、最短時間でレンタルして練習しようと、何箇所か当たってみたのだが、関西ではそういうのをやっているところは見つからなかった。羽田や成田近くなら見つかるかもしれない。

 今回、たまたま練習する場所があったからよかったが、市街地にあるレンタカーオフィスとかだと練習する場所もなくいきなり交通量の多い道を走らなくてはならなくなる可能性がある。なので、マニュアル車の運転に不安のある人は、あえて郊外で借りるとかの工夫が必要かもしれない。空港で借りれるのであれば、練習場所には困らない可能性が高そうなので、空港で借りてしまうのも手だろう。

 あと、バルセロナではホテルを通じて、借りることにしたため、いきなり市街地でぶっつけ本番でスタートすることになった。ただ、バルセロナの道は、事前に通る道をストリートビューで見ておいたし、通る道を覚えるぐらいにナビで確認しておいたので、道を間違えることなく、行きたい方向に一発で行くことが出来た。今回、妻子連れであったので、ここまでやったが、自分一人の旅行だったら、多分しなかったと思う。でも、準備しておいてやはりよかったと思った。

 ナビは手持ちのNexus5に事前に入れておいたSygicというアプリを使った。これはオフライン状態でも使えるので、おすすめ。実際、私は現地で格安SIMを買ったものの、途中で使えなくなってしまったため、Sygicのオフライン機能に助けられた。多少容量は取るが海外で運転する場合、入れておいて損はないだろう。Googleナビも併用したが、Sygicの方が優秀。無料のだと7日ほどで音声案内が使えなくなり、アンダルシアでは音声なしで使ったが、確か20ドル程度だったので、購入してもよかったと思っている。音声はやはりあった方が助かる。実際、高速道路のラウンドアバウト気味の分岐で「キープ・レフト・・・キープ・レフト・・・ターン・ライト」とか言うてくれたので間違わずにすんだ。実際、アンダルシアでは数回、高速の分岐で道を間違えたので、途中からでも有料で購入すべきだったと反省した。

 道を間違えたのは、もう一つ原因があり、方向を示す街の名前をちゃんと覚えておかなかったためだった。自分の目指す街のさらに先にある街のことまで考える余裕がなかったのだが、これを覚えておけば、時間(と燃料代)を無駄にロスすることはなかっただろう。夜になっているのに行きたい方向と逆の方向に進んでいて、山の中であるため、全然降り口が見つからない時のむなしい気持ちは体験したものでないと分からないと思う。

 今回、クラクション鳴らされても、安全運転で行くぞ、と自分に言い聞かせて運転していたが、実際に数回ほど鳴らされた。そのうち、半分は料金所。どうも料金所では気軽に鳴らす文化があるようなので、あまり気にしなくて良いと思う。

 アンダルシア地方の街で旧市街は走らないほうが無難とあったが、行ってみて改めてそう思った。タクシーでもドアミラーをしまいつつギリギリで通過するような場所があった。直角カーブの場所など、車幅の感覚が分かってないと曲がりきれなくなって立ち往生してしまうかもしれない。

 日本との違いで言えば、海外はやはり多少感覚が違うようで、方向指示器と反対の方に進む車を見かけたし、割とアバウト度が高いように感じた。あと、3車線ある高速道路の真ん中のレーンを50km/h以下でノロノロ走る車が目の前に急に現れた時が今回、一番の危機だった。ブレーキにより車内で飲み物がこぼれてしまったがそれほどの急ブレーキを踏んだ。ただ、危機というとそれぐらいで、今回、ドライブを楽しむ余裕は正直なかったが、事故なく済んだのが何よりで、道を何度も間違えてしんどい思いもしたが、安全第一を心がけた結果だろう。

 事故を恐れるのなら、車に乗らないのが何よりだが、移動手段としての車が持つ特有の良さ、時間に縛られず、好きな時に好きな場所に行ける、というメリットを享受したいのであれば、やはり、あまり怖がりすぎずに海外レンタカーも検討してみるといいのではないかと思う。