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OSCE報告:正体不明の「第三の勢力」がウクライナ政府側、親ロ派側双方を挑発

 多分、そのうち通信社から日本語ニュース記事として出ると思いますが、一応、書いておきます。

 こちらのOSCEレポートによると、

According to both Ukrainian Armed Forces and Russian Federation Armed Forces officers at the observation point, an unidentified “third party” was provoking the two sides.

監視地点のウクライナ、ロシア双方の軍将校によると、正体不明の「第三の勢力」が両勢力を挑発

というような事態が発生しているようで、戦争状態を継続したい勢力によると思われる介入が報告されている。

 サイトでは、場所、爆発の様子・回数、武器の種類、攻撃の方向、日時などの表も同時に公表されており、たった一回の爆発音から非常に細かくまとめられている。以前に比べて治まってきてはいるものの、事態がまだまだ流動的で予断を許さない状況が依然続いていることを示している。

2015年4月15日の停戦違反(PDF表:英語)

2015年4月16日の停戦違反(PDF表:英語)

 例えば、14日19時から23時半の間の報告によると「Both incoming and outgoing (could not determine the exact number of each)」とのことで、双方からの爆撃があり、どちら側からいくつの砲弾が来たかとても数えられないような状況だったことが分かる。

 こうした状況下での第三の勢力による挑発は停戦合意を崩壊させかねず、双方の自重と共に、この「第三の勢力」が何者でどういう背景でこうした動きをしているのか、究明が待たれる。

ポロシェンコの14項目の和平案

 どうでもええ身辺雑記しかないブログではあるが、ちょっとは役に立つ記事も入れていきましょう。

 というわけで、ウクライナのウニアン通信社のサイトにポロシェンコの和平案が出てたので、ざっと訳してみました。(誤訳指摘歓迎)

  1. 全交渉参加者の安全の保証
  2. 武器を置いた者、重犯罪を犯していない者への刑事責任の免除
  3. 人質の解放
  4. ウクライナ・ロシア国境間に10kmの緩衝地帯を設置。非合法武装集団の撤退。
  5. ロシアとウクライナの傭兵が退去するために保証された回廊
  6. 武装解除
  7. 共同監視を実施するために内務省の組織に部門を設立
  8. 不法に占拠されたドネツク州とルガンスク州の行政庁舎の解放
  9. 地方行政の再開
  10. ドネツク州とルガンスク州の中央テレビ・ラジオ放送の再開
  11. 地方分権(実行委員会選出による、ロシア語の保護、憲法改正の草案)
  12. ドンバス代表者との選挙までの知事の合意(単一の候補者の合意の条件で、合意できない場合は大統領が解決)
  13. 期限までに地方・国会議員を選挙
  14. 地域での雇用の場所を創設するプログラム

 11、12あたりは、いまいちちゃんと理解しきれずに訳してるため、モヤモヤする日本語になっているが、親ロ派はあくまで独立が目的だと表明してたんじゃなかったっけ? 現在、当地を実効支配をしてる親ロ派が、連邦制であれ、ウクライナ国内という位置づけでの選挙に応じるのかどうか。勝手に独立を問う住民投票とかやりだしたりはしないか。

 一応、「ポロシェンコはミンスク停戦合意は氏の和平プランに基づくと述べた」という記事が出ていて、このプランが元になったみたいだが、合意は12項目という話もあるようなんで、親ロ派がすべてに合意したわけではないのかも。

 結局のところ、住民がどう考えているのかが重要なのだと思うが、ひとまず住民の念願であった戦争状態の収束が実現する可能性が出てきたことで、次の段階に進めるとなると、今後どのように事態が進むのか。

 個人的には東ウクライナで公用語がウクライナ語だけとか、元々ちょっと無理筋な話で、今回こうしてロシア語の保護を打ち出すなど、政府も現実的な対応をしようとしてることもあって、住民はウクライナに留まりつつも自治権拡大を求める、あたりを落とし所とするんかな、とか思ってるが、そうすると今度はウクライナ国内の反ロシア派が黙ってないだろうし、停戦合意が実現できたとしても、今後も茨の道が続きそう。。。