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ラグビーのドロップゴールについて思うこと

 今朝、ラグビーワールドカップ準決勝「南アフリカvsニュージーランド」の試合を見た。点差はたったの2点で、あと一本PGかDGが決まっていれば南ア勝利となったが、ボール所有は6:4でNZで、さらにトライの数ではNZが2に対し、南アは0であり、試合としてはNZが押していたといっていいだろう。ただ、南アの守備がよくて、いくつもあったピンチを切り抜けていた。

 今回のラグビーワールドカップで知ったのは、主審とキャプテンのコミュニケーションが大変重要だ、ということで、日本の南ア戦やサモア戦では主審とのコミュニケーションが吉と出たような試合だったようだ。(スポニチの記事 「リーチ「英語力が勝因」 新主将は主審と良好な関係を築ける人材を」

 この準決勝の試合では、南アがうまく審判とコミュニケーションを取っていた、ということか、ニュージーランドの反則が多かった印象で、南アがうまく反則を誘い、トライで引き離されてもペナルティゴールで着実に3点ずつ加点してニュージーランドを追い込んでいった。特に端っこからの難しいの2本を含め、5本すべて成功だった、という南アのキッカーのポラード選手の正確さはすごかった。ちなみにこの選手はW杯後に日本でプレイするらしい。(記事「南ア代表の21歳司令塔、ハンドレ・ポラードが短期契約でドコモ入り!」)

 テレビ解説でも触れていたが、前半はノートライだったもののよい守備をしつつ、着実にPGで加点していた南アのペースであったが、後半開始少ししてからのNZのドロップゴールで流れが変わったような。

 ラグビーの試合を見ていて、ドロップゴールをやられると、ちょっと置いて行かれた感が残る。トライは爽快感があるし、PGは反則に対する代償で理解できるのだが、ドロップゴールは何かそれまでの試合の流れを断ち切ってしまう。トライまであと少しなのにそこで3点狙いにいくんか、というような。サッカーでいうと、ゴール前にロングボールを放り込んだら、なんか入ってしまったみたいな感じに近いあっけなさがある。

 しかし、これもラグビーの味の一つなのだろう。正直言って、トライを望む観客の興をそぐことになると思うが、相手に勢いがあるときなどにこれをやると効果的なのかもしれない。流れが悪い時にちょっとした怪我を痛がって時間を浪費するサッカー選手みたいなもんで。

 ラグビーの歴史上、トライは元はコンバージョンゴールの権利取得のためのもので0点だったそうだが、ドロップゴールはそうしたサッカーから派生したゴール主体ラグビーの名残なのかもしれない。

 そういうわけで、私のような「にわか」はドロップゴールに対し、よい印象を持てないが、それでも、このルールを失くしたほうがいいとまでは思わないし、これはこれでおもろいルールだと思う。ただ、3点もいらんのんとちゃうかとは思う。2点に減らすなんて案は出てないのかな。

 英語記事だが、Rugby World Cup 2015: New Zealand progress to final after seeing off spirited South Africaはいろいろとデータが出ていて、見せ方がうまくなるほどと思った。日本国内でもこれぐらい力をいれた記事がこれから普通に読めるようになるのか、各種メディアの対応にも注目したいところ。