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自伐型林業研修会に行ってきた

 前々から自分の住む自治体で自伐型林業についての研修会をやってて、参加したいと思っていたが、この土日空いていたので参加してきた。

 ちょうど、こちらのNHKのサイトで自伐型林業についての連載記事が始まっていたので、詳しくはそちらなどを読んでほしいのだが、自伐型林業とは簡単にいうと、従来の大型重機を使った大規模林業ではなく、ごく小規模で副業レベルの収入を目指した林業で、自分で伐採して市場に売りに行く、というもので、前々から気になっていた。

 私自身は近所のおっちゃんと一緒にごくたまに山に入って下草刈りや枝打ちの真似事をする程度で、林業で収入など考えたことはなかったのだが、今現在、祖父の世代が植林した山が放置状態で荒廃していて、前から何とかしたいけど、どうしたらええんかいなー、と思っていたのだった。

 日本で林業が衰退した理由はいろいろあるだろうが、木材価格の下落が最大の要因だろうとは思う。あと、林業というのは、最たる3K職場で、特に危険性は全産業の中でも鉱山業と共にダントツでトップを独走しており、これも若者がやりたがらない理由の一つなんではないかと思う。

 厚労省のサイトに平成8年~平成23年の産業別死傷年千人率というのが掲載されているが、この15年の間でも全産業で3.4から2.1に下落する中、林業は30弱という全産業の10倍以上の値で高止まりしている。ちなみに鉱山は33から24に下落しているので、林業の特異性がわかる。とにかく、危険な仕事といっていい。そして、その危険性に見合った収入が得られるならともかく、決してそういうわけではないので、今時山に入るやつはアホ、とまで言われる始末なのだ。

 祖父の日記をちらと見たことがあるのだが、「今日も下草刈り」みたいな記述が毎日のように出てくる。当時は草刈機もなく、大鎌で刈っていたはずで、木をまっすぐにさせるための枝打ちなどもやっていて、そうやって祖父母世代が次世代のために苦労に苦労を重ねて守ってきた山を荒廃させているのは気分のいいものではない。しかし、山に入っても収入にならないので……という状態が続いていたのだった。

 こうした状況で多くの集落では森林組合などに委託する形を取っていて、個人個人が山に関わることはほぼなくなっていたのだが、ここに来て、自伐型林業という新しい形態が生み出され、今全国に広がりつつあり、うちの自治体でもこの流れに乗り、すでに何度か自伐型林業講習会が実施されている。

 今回は何回目か、ということで、参加者は以前よりは少なく、参加者としては実技で多く作業ができるし、質問も多くできるので、ラッキーだった。土日の二日間に渡り、朝8時から17時までみっちりと座学と実技の講習が受けられた。

 座学は主にチェーンソーの扱い方と危険回避についての勉強で、今までちゃんと学習したことがなかったので、大変有益だった。講師は実際に林業に携わっている方で、テキストにはこのように書いてあるが、実際はこうした方がいい、みたいな話もあり、みよう見まねでやっていた私からすると、なるほど、という事柄が随所にあって、何かと腑に落ちた。

 実技は実際にチェーンソーを使って、丸太を切ったり、二日目の最後には実際に講師の指導の元、立木をチェーンソーで切り倒すところまでやらせてもらった。今回参加したことで、いきなりバンバン切り倒せるとは思わないが、なんとか、自分でも伐木できそうかな、と思えるようになった。特にロープワークが大切であらかじめ倒す方向を決めてロープで引いておくとまず間違いなく、倒したい方向に倒れる、ということがよく分かった。

 私はマイ・チェーンソーすらもっていなくて、これから林業に携わるかどうかまだ決めかねているが、近くに一緒にしてくれる人がいるなら、始めてもいいのではないかと思い始めている。山仕事は危険であるため、山には一人で入るものではない、と言われていて、私は一応それを守ってきたが、そんなことをゆうてたら、全然山に入らなくなるので、伐採以外の仕事は一人でも何とかなるんじゃないかとも思えてきたこともあり、まずは現状確認がてら、山に再び入ってみるかな、と思っている。

 山仕事のための道具を揃えるのにそれなりの出費は覚悟しなくてはいけないので、そこら辺を自分の中で整理して、じっくりと検討していきたい。

自伐型林業_チェーンソー練習
丸太をチェーンソーで切る練習。ただ上から下に切るだけではなく、真ん中から切る「突っ込み切り」などもあり、いろんな切り方ができることを知った
自伐型林業_初めての伐採
初めて伐採した木。初めてにしてはまあまあ?
自伐型林業_自撮り
初めて伐採した木の前で自撮り