マレーシア機を撃墜したとされるブーク(ブク)について

 昨日、こんなニュースが出ていた。

(CNN) ウクライナ東部上空で今年7月17日に発生したマレーシア航空17便の撃墜事件で、発生の経緯などの究明作業を主導するオランダのティマーマンス外相と同国の検察当局は12日までに、乗客1人の遺体が酸素吸入マスクを装着していた状態で発見されたことを明らかにした。

マスクを着ける時間があったことを意味し、乗客乗員計298人全員が撃墜の衝撃で即死しなかったことを示唆すると受け止められている。

酸素マスク姿の遺体発見、全員即死せずか マレーシア機撃墜(CNN)

 これが親ロ派誤爆説を覆す決定的証拠とはならないと思うが、今回ウクライナ滞在時にこのブークについて通暁している人に話を聞いたので、少しだけ。

 東ウクライナに墜落したマレーシア機については事故原因は分からないとしかいいようがないが、やはり親ロ派の誤爆の可能性が高い、という話だった。一部で言われているようなウクライナ軍による撃墜の可能性は大変低いとのこと。また、当時、ブークについての詳しい報道が出てきた時に言われていたように、ブークは自動追尾して目標物に当たるように作られているので、飛行物体の撃墜自体は数時間程度のレクチャーでも簡単に出来てしまうが、目標物の同定が大変難しい、というのも、その通りだった。以下はWiredの記事。

あまりにも簡単に旅客機を撃墜できるシステム、ロシアの地対空ミサイル「ブク」

 小ネタだが、ブークは目標物に当たる前に細かい破片に散らばるらしいのだが、その時の破片の形は3種類でT型、凹型、H型になるとのこと。こういう細部の話は興味深く、ついつい聞き入ってしまった。しかし、大半は右から左に抜けていったようだが(汗

 ちなみにブークとはロシア語でブナの意味。なんでブナなんかはよう分からんかったが、このブークと呼ばれる「9К37」は同じ地対空ミサイル「2К12(クープ)」の後継機なのだそうで、このクープをロシア語で書くと「куб」(英語だとcube)、これを逆にすると「бук」(ブーク)となる。これが名前の由来ではないかと思ったが、どうだろう。


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