某ブック**で育児本コーナーを眺めてて、うーん、おっさん向けの本ってなかなかないもんなんやなぁ、と思って、店内をひと通りぐるっと回って、普段は行かない漫画コーナーに行くと、吉田戦車著「まんが親2」というのがあり、面白そうなので、買って読んでみた。
氏の奥さんは私がファンである伊藤理佐であり、二人の日常が吉田戦車独特の世界観そのままに描かれてて、続きを今後も読み続けることになりそう。ここ数年マンガはほとんど読めてなくて、その存在をうかつにも知らなかったのだが、奥さん側視点の育児マンガ「おかあさんの扉」というのもあるようなので、そちらも読んでいくことになりそう。
伊藤理佐のマンガは、一言で言うと「下品」ということになってしまうのだが、それだけに収まりきらない、ツボをつく笑いがあって、最初期のを除くとほとんど私的にははずれがない。代表作は「おるちゅばんエビちゅ」ということになるのだろうが、「やっちまったよ一戸建て!!」とかも、とても面白い。余計なお世話だが、このマンガを書かれた当初は独身だったため「一人用一軒家」を建てられたのだが、結婚されて、その後どうなってるんだろうか。
ちなみに、「えびちゅ」は私の知るウクライナの大学の日本語学科の学生さんも好きでネットで見てたらしく、ワールドワイドに人気があるようで。
ところで、「まんが親」にはほぼお二人そのままであると思われる東京住まいの漫画家夫妻が出てくるが、放射能の話題が何度か出てくる。原発事故のせいで子供に砂場で遊ばせることが出来ないという件(あとがきによると、公園デビューが済み、砂場遊びも解禁されたとのこと)、また、旅行先の長崎の平和公園でのシーンではこんなセリフが出てくる。
「…東北や関東の食べ物応援したいし、食べてるけどさ…」「東京あたりに住んでる人間がこんなこと言って申し訳ないけど…」「なんかすごく楽…放射能のこと考えなくていいの…」
対する夫たる人物は、泥酔して帰宅した奥さんが母乳を与えようとした時に以下のようなセリフを言う。
「日頃、放射性物質がどーした基準値がこーしたうるさいくせに!」「その酒乳のほうがよっぽど子供の体に悪いわ!」
私の子供が生まれたのは約1年前だったが、原発事故当時に妊娠中だった方、子育て中だった方は、それはそれは様々な情報に錯綜され続けたことだろう。そして、今も現在進行形で心配され続けているんだろうと思う。
その後、様々な実測データは出てきているが、多分、データを示されても、親というのは、子供の安全ということにかけては99%を99.9%に出来るなら、その99.9%を選んでしまう生き物なのであり、それに対し、外から「正しく怖がれ」などと言われても、その態度を翻すことはできないのであろう。
原発事故から4年目、まだまだ原発事故が収束したとはいえない状況が続いている。そして、福島の農家さんの声も直に聞いたことがあるので、その努力や悔しさは知っているつもりで、応援したい気持ちもある。遠くにいて、出来る事は限られているが、引き続き、関心を持ち続けていきたい。