「放射能を中和させる方法を発見」という記事について

 ロシアNowというサイトに放射能を中和させる方法を発見という記事が出ていた。ロシア語圏のニュースサイトで話題になっているのかとざっとニュース検索してみたが、出ている様子はなかったので、シャフェエフという名前で類推してшафеев(shafeev)で検索すると、2015年5月に以下のような記事が出ていたことがわかった。

В России ядерные отходы превратят в удобрения(ロシアでは核廃棄物が肥料に変わります)

 Shafeevで検索すると、「素人が知りたい常温核融合」というサイトでShafeev博士のレーザー照射による半減期短縮実験(セシウム137)というエントリーが見つかり、そちらでLaser-induced caesium-137 decayという英語の論文が読めることもわかった。ざっと見てみたが、残念ながら私の文系頭ではよくわからない。

 核変換については各所で研究がなされていて、日本原子力研究開発機構(JAEA)サイトにも「放射性廃棄物の核変換技術への挑戦」というPDFファイルがあり、ざっとナナメ読みしてみたが、「核変換は、様々な国・分野の研究者・技術者の力を結集して、数十年かけて実現する技術」とあり、現時点では実用レベルではないんじゃないかな、と。

 ただ、ロシアは核大国であり、独自技術があったりするので、もしかしたら、なんて期待してしまうが、どうなんでしょうね。

台風対策で畑の支柱を固定、室内では子供の柵越えに対応

 ミニ家庭菜園を始めてから最初の台風がやってくるかもしれない、ということで、慌てて、支柱の固定を朝からやった。いつかやろうと思ってはいたのだが、いろいろとやることが多く後回しになってしまっていた。あらかじめ支柱を固定するための杭は作っておいたので、そこの手間は省けたが。杭は適当な端材をなたで適当に削って、適当に尖らせただけのものだが、十分間に合った。既成品を買ってくるのが手軽だし確実だが、「仕事」ではないので、こういうDIY的な所作も含めて楽しむもんなんだろう。

 あと、杭を削っていて思い出したのは、以前、祖母の畑の手伝いをしているときに頼まれてこういうのをいろいろと自作していたことで、初めて一からやる菜園であるが、それなりに畑仕事のやり方は少しは知っているといえるのかもしれない。性格上、諸々ちゃんとやりたい方だが、いくら時間があっても足りないので、適当でごまかすことが多いのだが、適当でもそれなりに育ってきていて、おもしろい。

 子育ても、どうしても適当ですます場面は多く、子供の相手ばかりもしてられないので、今、こうして文章を打っているすぐ横でいろいろとインタラプトしてくるのであるが、時にかまってやり、時に邪険にあしらいつつ、適度の距離感を持って接している。別に狙ってこうやっているわけではないが、バランス感覚として、この辺が適当ではないか、って感じで。

 今週から、子供がキッチンのエリアに入ってこないように設置している柵に身を乗り上げると乗り越えられることを発見してしまい、今まであの手この手で侵入しようとしてきた子供だったが、ついに方策を編み出した。ちょっと危険な方法なので、今朝その部分を手当したのだが、次はどこから侵入してくるか。

 侵入といえば、昨日、窓の外に比較的大きめの蜂がいて、その軒下には以前、スズメバチの巣があったところであり、アシナガバチにしては大きいなあ、と眺めていたら、窓の隙間から室内に侵入してきて、嫁さんと子供を急遽別の部屋に移動させ、カッパを着用して対決した。部屋をぶんぶん飛び回るので、困ったのだが、部屋の電気を消して、キッチンの電気だけにするとその周囲だけ飛び回るようになり、観察してるうちにある程度、行動パターンが読めたので、丸めた雑誌で一発で仕留めた。結果はスズメバチではなさそうだったのでよかったが、アナフィラキシーショックなどもあるので、蜂は油断できない。

 嫁さんと子供には蚊帳に避難していてもらったのだが、これは先日、この家にはムカデが時々出て、寝ているときも身体の上を這うことが以前あったので、下にも網のある蚊帳を購入したもので、早速役に立った。安物なので、ちょっと柔く、子供がすぐに壊してしまいそうなのが難点だが、今のところ、まだ持ちこたえてはいる。やはり、就寝中に足がムズムズした時に、ムカデであるはずがない、と思えるのは精神衛生上大変いい。

 畑の方でもイノシシ・サルの侵入対策で防護柵を設置しないといけないのだが、場所的に一部網を張るのが困難な箇所があり、頭を捻っているところ。その「ソフトターゲット」をやつらは的確についてきやがるので、それなりに手当しないとまずそうなので。

 トマトやナスは、始めるのが遅かったためか、あまり大きくはならず、芽かきや虫取りもやってるのだが、なかなかうまくいかないもので。それでも、初生りの小さいのを収穫して食べてみたが、普通にちゃんとトマトで、やや精神的にしんどい今日このごろだが、こういう小さな楽しみを見つけてしのいでいくのも生きていく技術なんだろう。

カビと過剰品質の日本

 ここ数日、この山の中でも気温が上がり、葉刈りなど外仕事をしている時に、一時ちょっとふらついてしまって、あまり根を詰めすぎるのはよくないと、その後は休み休みやるようにしている。葉刈りといっても、10年近く放置していて伸び放題になっている枝をキレがいいとはいえない錆びたのこぎりで切るという作業の連続でもう腕があがらないほどになり、今朝も二の腕に麻痺があるような感覚が残ってたり。

 そういうわけで、梅雨明けが見えてきた今日このごろだが、先週はジメジメしつつ気温も高い日が続き、カビ大発生の嫌な予感がしている。昨日、風を通そうと普段あまり開けないカーテンを開けたら、死んだカメムシにカビがさっそく生えていて、これはやばいぞ、とビビっているところ。カビはあらゆる箇所に根を下ろすので、湿度がいくらか下がったタイミングで家に風を通すとか、カビが見つかったら拭いたりするなどして地道に取り除いていくしかない。

 あと、カビが生えないようにカビの元となる有機物を出来るだけなくすのもよい方法とのことで日頃からまめに掃除をしているといいのだが、育児などでそんなことはしてられず、しかも食べこぼしとかが散乱し、子供が汚れた手であちこち触り回るので、掃除してもすぐに汚されてしまう。

 ウクライナにいるときに思ったのだが、あちらはこうした明確に雨季と呼べるような季節がなく、あまりカビに神経質にならなくてもよく、ナッツ類の入った皿をフタもせずにテーブルに置きっぱなしにしてる家庭があったりとか、日本では考えられないような生活様式に驚いたものだ。実際、そういうことをしても特に湿気る様子はなかった。

 江戸時代や明治初期に日本に来た外国人の記録で、きれい好きな日本人の様子が描かれることがあるが、ウクライナで生活していたとき、もしかしたら、それは日本には梅雨という雨季があるせいではないか、と思ったことがある。そして、この雨季が一年のうち、1ヶ月程度、という期間も重要なポイントで、これより長くても短くても、また違った生活習慣になるのではないかなと。つまり、1ヶ月という期間はある習慣を育てるには十分な長さなのだが、半年ともなると、カビ前提での生活になるだろう。それがこの期間だけ我慢すれば、あとは大丈夫ということになると、そのカビ前提でない習慣はそのまま続けられることになるだろう。

 ただし、梅雨時だけきれい好きになるのは実質無理なので、梅雨じゃない時も梅雨時に身についた生活習慣が少しずつ広がっていき、きれい好きになっていく、ということではないかと。例えば、袋に入った食材の口は一度開けたら開けっ放しにはせず、比較的乾燥している季節でもちゃんと口を閉めることを習慣づけている方が日本では多数派だろう。

 思いつきの説にすぎないし、こういう説がすでにあるんかどうかも知らないが、民族性・国民性に気候や地形が与える影響というのは、思っているよりも大きいように思う。

 現在の日本製品への信頼性は、かつの安かろう悪かろうのイメージがあったメイド・イン・ジャパンの面影はないといってよいだろうが、世界から見るとそこまで高品質にしなくても、必要十分な品質であれば安価なものが選ばれるのが現実で、高付加価値で生き延びる戦略に日本は向かおうとしているようだが、この人口規模ではちょっとそれは無理なんじゃないかとなんとなく思う。北欧とかシンガポールぐらいの数百万人規模の国ならなんとかなりそうな気がするが、1億人規模の国でこの方向性はまずい気がしているのだがどうだろう。

 日本滞在経験のあるウクライナ人が「電車に乗っている日本人の顔は疲れているかイライラしているかで楽しくなさそう」的なことを言っていたが、時々ほぼ時間通りに電車が来ることの背後にどれだけ多くの人達が苦労しているかを思うことがある。新幹線の運転をしていた方の話を直に聞いたことがあるが、30秒遅れるだけで始末書物だとか、ちょっとあの仕事はいくら高給でも精神をやられそうで(実際、その方は精神的にきつくなり、転職された)、やりたくないなぁ、と思ったものだ。

 日本も国際化、というのであれば、もう少しいろんな面でゆるくなっていかないともうもたないんじゃないか、と思う。何か問題があった時に声をあげるのはよいことであるが、行政サービスとか公的機関に苦情を簡単に言い過ぎて、無駄に防御的対応がなされる、という場面が増えてきているようにも思う。

 日本人の国民性、というのも、本当にそうなのかと時に疑問に思ってみるのもよいことで、きれい好きについても、イザベラ・バードの記録を見ると、明治時代の人々は今の日本人の目には不潔としかいいようがない生活をしてたりしたわけで。

 元々多様性のあった国だったはずだが、近代化の過程で効率の名の下、少々やり過ぎていろいろと無理が生じていて、そろそろ行き過ぎを反省し、揺り戻しの時期に来ているのではないのかな、と。

 ちょっと雑ですが、梅雨明けの待ち遠しさから思うことを書いてみました。

サルにまだ熟していないトマトを取られ、ヒマワリを何本か折られる

 畑を始めてから初めてサルの来襲を受けた。トマトは直植えと鉢植えを試していて、鉢植えは家の軒下に置いているので、ここまでは来ないと思っていたのが甘かった。サルは目で餌を探すので、見つけて、その周辺に人気がないようだったら、遠慮なく襲いかかる、ということを学んだのだった。

 直植えの方も荒らされ、近くに植えているヒマワリもいくつか倒れたり、折れたりした。ただ、ヒマワリは強いみたいで、少し前、植え替え時にしおれてしまったやつを再度しっかりと植え直してみると復活したことがあったので、これぐらいなら大丈夫だと思っているのだが、どうなるか。

 お隣さんは立派な菜園をされてるだけあって、さらに被害が大きく、人参などが軒並み餌食になった模様。サル対策は柵を立てるぐらいしかないのだが、柵を立てても隙間から容赦なく奪い去っていくようなので、お手上げである。

サルが人参を奪って山に帰って行く時に捨てていった人参の葉が道に散乱していた
サルが人参を奪って山に帰って行く時に捨てていった人参の葉が道に散乱していた

 猿害対策は、サルに人里は餌場ではない、ということを分からせることがポイントなのだが、そうはいっても、山は特に戦後の植林政策によりスギ・ヒノキなど人工林だらけになっていて、山の食べ物を減らしたのはお前ら人間とちゃうんか、と言われると、はいすいません、な話なので、長い目で見ると最終解決は山に餌場を作り直すしかないんじゃないか、と思ったり。

 他にイノシシもよく来て畑を荒らしていくようで、あんなのに暴れ回られると、私の小さな畑などひとたまりもない。トタンで柵の下部分を一回りぐるっと囲っている畑をよくみかけるが、イノシシはミミズを探して、掘り返すので、ああいうのをやると効果的らしい。しかし、それも手間ばかりかかってちょっと大変ではある。あと、小さい畑なので、ただでさえ山間地で少ない日照時間がトタンが作る日陰のせいでさらに少なくなりそうで、ちょっと他の方法を考えているところ。

 いろいろと人生思い通りにいかないことばかりだが(畑に限らずなー)、植物はそれでも健気に少しずつ大きくなっているのがわかるので、精神衛生にとてもいいことが実感として分かってきた。こういうのは頭ではわかっていても実際に実践してみて分かることが多いので、「経験主義」的な考え方は好みではないが、とにかく身体を動かしてやってみるという態度は、頭でっかちな傾向を持つ人ほど試してみる価値はあるのではないかなと。

チェルノブイリ森林火災続報。まだ4箇所で泥炭がくすぶっている模様なのだが、そもそも泥炭って何?

 こちらの記事によると、チェルノブイリ原発近くで再び発生した森林火災は、すでに延焼食い止めは出来ているようだが、泥炭がまだくすぶっており、消火活動継続中らしい。

 ウクライナ非常事態局のサイトに6/30時点のであるが、英語での説明が出ている。

Information about the ignition of dry grass on campus forestry “Chornobyl Forest” (As of 7:00 July 01)

 ところで、時々、ロシア・ウクライナ関連の話題で出てくる「泥炭」だが、私は「これが泥炭です」という風に言われて見せられた記憶はなく、実際の泥炭地の上を歩いたことがあるのかもしれないが、いまいちイメージしにくい。ググるとまず「泥炭とは、枯れた植物が長い間、あまり分解が進まずに堆積したもの」という説明が出てきて、ふむふむ、思ってたのと違うわ、と冷や汗をかいたところで、さらにこちらのサイトにある「日本の泥炭地」という地図を見ると、北海道に泥炭密集地域があり、やはり、寒冷地特有の地質ということのようだ。

 ロシア語の泥炭 “торф”でイメージ検索すると、ああこういうもんか、というのが多少理解できる。

 画像検索結果に土壌をレンガぐらいの大きさに切り出している画像が出ているが、このように切り出して燃料としても使われているらしく、Wikipediaには「日本ではニッカウヰスキーが自社使用のために石狩平野で採掘を行っている」とある。ただし、こちらでは以下の様な説明があり、今は輸入してるとの話も。

竹鶴政孝氏は北海道にはピートが豊富であることから石狩平野の所有する土地から掘り出して国産ピートを使用していました。しかし、品質の安定化の問題や掘ればいくらでも適したピートが出てくるスコットランドとは違うので暫く前にスコットランドからピートを輸入することとなりました。

 ググって最初に出てくる泥炭とは?という日本技術士会北海道本部のPDFを見ると、「北海道には泥炭のできやすい気象条件がそろっているので大規模な泥炭地が分布」とあり、泥炭地盤で道路の地盤沈下が発生するなど、北海道開拓は泥炭との戦いの歴史でもあったことが分かる。

 というわけで、泥炭について、ひと通りの知識を得たわけだが、かように、燃料として使われるほどのものがそこいら中に層として横たわっているような土壌で雨が降らない日が続くと乾燥してちょっとした火の不始末で大規模な山火事になってしまう、というのがおぼろげながらわかった。今回のも、原因は火の不始末って話が出てたが、例によってタバコのポイ捨てが着火源になったのかもしれない。

 チェルノブイリ被災地では多くの人にタバコを吸う習慣があり、携帯灰皿持参してる人なんて見たことはなく、吸い殻が落ちているのもよく見かける。なので、今後もこうした火事は当面はなくならないだろうな。。。