ザポリージャ(ザポロージェ)訪問記

2014年9月にザポリージャ(ロシア語読みで「ザポロージェ」)を訪れたときの雑記をまとめました。

ザポロージェ訪問記1 ウクライナ東部のコサックの街・ザポロージェへ

ザポロージェ訪問記2 ザポロージェのレーニン像

ザポロージェ訪問記3 ザポロージェからエネルゴダールへ

ザポロージェ訪問記4 ザポロージェ原発の衛星都市エネルゴダール

ザポロージェ訪問記5 欧州最大の原発・ザポロージェ原発へ

ザポロージェ訪問記6 エネルゴダールの街並み

ザポロージェ訪問記7 エネルゴダール郊外

ザポロージェ訪問記8 街の建築散策

MVNO(格安SIM)をIIJMioの音声通話機能付きSIM(みおふぉん)に変更

 以前、ガラケーの電池が膨らんできて、ドコモのショップで交換したが(確か無償交換だった)、その後、また膨らんできたので、ショップに行くと、もうその電池は製造していないとのつれない返事が返ってきて困ったことがある。当時まだ格安SIMがなく、スマホは高すぎて嫌だったので、ガラケーの中古でも買うしかないか、と観念しかけていたのだが、非純正電池を買えばいいことに気づき、何度かカメラ用などで買ったことがあるROWAで購入した。

 その後、充電の持ちも十分で特に問題なく使えていた。だが、先日、ウクライナから帰国直後、バッテリー残量はかなり減っていたのだが、まだ使える状態だったので、普通に使い、帰宅後に充電しようとすると、もう充電ができなくなっていた。バッテリーがこんなに急にへたることは通常あまりないので、過放電か何かでイカれてしまったのだろう。

 ああ、またこのガラケーの電池を新調せなあかんのか、と思いかけていたところ、もうこのタイミングでスマホ一本にしてしまえばええやんと思い直し、MNP可能(電話番号の移行が可能)な格安SIMである音声通話機能付きSIM(みおふぉん)に移行することにした。

 以前、当ブログ記事「初スマホNexus5を月額ワンコインのServersMan SIM LTEで運用中」に書いたように、私はこれまで「ガラケー+最安の格安SIMスマホ」で運用していて、すでに一本化は可能だとの感触は得ていた。しかし、それでも音声通話が普通に出来るのか不安ではあった。普段からあまり電話は使わないので、まだこの「みおふぉん」での通話回数は多くないが、何度か使ってみて、まず問題なく使えることがわかってきた(ただし、都市部では未使用)。データ量制限があるが、動画を出先で見たりはしないので、これで必要十分である。ドコモのエリアだと使えるし、エリア外になることもほとんどない。さすがに先日訪れた徳山ダムの奥の福井県に抜ける道ではエリア外だったが。

徳山ダムの奥の福井へ抜ける道でキャプチャー
徳山ダムの奥の福井へ抜ける道でキャプチャー

 気をつけた方がいいのは移行時期で、携帯電話会社の2年縛りのことをよくよくチェックしてから移行した方がいいということ。私のように途中だと約1万円の出費+αが必要になり、さらにMNPに数千円とかいろいろと無駄(に見える)出費が増えるので、このあたりは計画的に移行したいところ。

 格安SIMを使う場合は、SIMフリーの端末である必要があり、私はいろんな機能を試してみたかったので、動作確認済み端末一覧で全機能に○のついているNexus5にしたが、もっと安い端末でもよかったかも、とちょっと思っている(もっともNexus5でもiPhone6に比べる半値だが)。ただし、Nexus5のようによく使われている機種にしておくとネットなどでの情報も豊富で、トラブルが起きたときに対処しやすい、という利点もあって、これにしたのだった。

 今、改めて動作確認済み端末一覧を見てみると、当時はNexus5ともうひとつぐらいしかなかった、全機能に○がついている機種がえらい増えていることに気づく。別にNexus5である必要はないだろうが、余計な機能がついてないのが好みな人はこれが無難といえるかも。

 初期費用はかかるものの、ガラケーと同じぐらいの月額費用でスマホが使えるようになり、その便利さに慣れきった今となってはもうガラケーに戻ることはできなくなってしまった。別にガラケーが悪いとは言わないが、まだスマホデビューしていない方は、検討されてみてはいかがだろうか。

ウクライナの地名表記問題 ~ クィーイィウかキーウか、キイフはどうか

 この前、世間話をしていた時に「中国に行く」と言われて、話の流れから隣国の中国のことではないな、と一瞬考えた後わかったのだが、日本では中国というと、隣国の中国と広島などがある中国地方の中国があって、大変紛らわしい。一応、中国地方の方が先なのだが、今やほとんどの人は中国というと国の方を先に思い浮かべるだろう。

 さて、昨日、こんなニュースがあった。

政府 グルジアを「ジョージア」に表記変更へ

グルジア側の要請に応じ、ロシア語を起源とする現在の表記から、英語に由来する「ジョージア」という表記に変更する方針を固め……

 ジョージアというと、日本では、まず缶コーヒーが来て、でなければ、アメリカの州かな、って感じだが、これからはさらに国名が加わり、三つ巴の戦いが頭の中で繰り広げられることになる。正直、紛らわしくてちょっと勘弁な改名だが、当地の方がそう呼んでほしい、という以上、日本側としては希望に沿わないわけにはいかないだろう。

 ウクライナの地名についても、ソ連時代からの呼び方が踏襲され、今に至るまで日本ではロシア語表記が主流となっている。キエフしかり、チェルノブイリしかり。特にこれらの地名は日本国内での浸透度が高く、ウクライナ語読みにすると、いろいろと不都合をきたしてしまい、こうした地名についてはこのままとせざるを得ない、というので、今まで来た。

 ただ、今後もこのままずっとロシア語読みを続けるのかどうかについては、クリミア併合でウクライナのロシア離れの流れは長期的に見て決定的だと思うし、グルジア同様に日本での呼び方を変えてほしい、という依頼が来る可能性はあるのではないかと思っている。

 しかし、ここに少々微妙な問題が発生する。個人的な意見だが、ウクライナ語をそのまま出来るだけ正確を期してカタカナに変えると、日本語として、どうにも座りの悪い語感になってしまうのだ。特に首都のキエフは厄介で、発音に忠実だと「クィーイィウ」あたりになるが、この表記はちょっと一般向けとしては無理があるだろう。そういうわけで、キーウかキイウあたりが候補にあがっているのだが、これらも日本語としてしっくりこない。逆引き広辞苑で見ても「ーウ」も「イウ」で終わる言葉はなく、現地の発音に拘りすぎない方がよいのではないかと思う。(「まいう~」とか一応あるけどね・・・)

 あと、ウクライナ語やロシア語には母音で「ウイ」という音があり、ウクライナ語の地名では結構この音が登場するのだが、「ムィコラーイウ」とか「ジトームィル」とかちょっと日本語として発音しにくい表記になってしまう。(実はチェルノブイリの「ブイ」もそうなのだが、これはちょっと例外ということで)

 ではどうすればいいのか。いろいろ考えた結果、私のおすすめは「キイフ」。ナイフとかワイフとか「○イフ」で終わる言葉もあり、日本語としての語感も悪くないし、何より「キイフ」だと話の流れで「キエフのことかな?」という類推がしやすく、混乱を最小限に抑えつつ、ウクライナ語読みに移行できるメリットがある。

 あと、キイフは英語表記のKyivの発音に近いのも大きなポイントだと思っている。少なくともあと100年以上は世界の最重要言語であり続けるだろうし、頻出でない地名の英語読みというのは、なかなか覚える機会がないので、そのままの発音で通じる、というのは、無視できない重要性があると思っている。ちなみに、キエフの英語表記は以前はKievだったが、徐々にKyiv表記が浸透しており、今後、英語圏の人たちや英語学習者はキイフという発音に移行していくことになるはずである。

 「キイフ」の最大の問題は最後の音に「フ」という本来、ウクライナ語にはない音が出てきている点だが、現実を見てみると、例えばウクライナ第二の都市の今までロシア語読みで「ハリコフ」と呼ばれてきた街をいろんな呼び方で検索すると「ハルキウ」が優勢だが「ハルキフ」も多くひっかっかる。これは英語から直接カタカナにしたためだと思われるが、今後もこの類推での表記がなくなることはないと思う。であれば、この際、フ終わりを正式にしてしまえばよいのではないか。グルジアがグルジア語での国名「サカルトヴェロ」には拘泥せず、英語の圧倒的な浸透力という現実から英語読みの「ジョージア」にするという決定を下したひそみに倣えばよいのではないか。

 このあたり、日本在住のウクライナ人に聞いてみたところ、キエフよりも、国名の「ウクライナ」の発音が気に入らない、という予想外の答えが返ってきた。首都名よりも国の名前か。「ウクライーナ」と書くと近い発音になると思うが、カタカナを発音するときの都合上、どうしても、低高高低低となってしまうので、これはちょっとどうしようもないかも。ちなみに、ロシア語とウクライナ語で発音は微妙に異なるが、「ウクライーナ」で表せると思うが、「ウクライナ」を「ウクライーナ」に変更する必要は私はないと思う。

 英語読みに関して言えば、ウクライナはUkraine「ユークレイン」になるわけで、これに近づけろというのか、と迫られると怯んでしまいそうだし、かつてリボフと呼ばれた西ウクライナの街Lvivについて言えば、自分の中ではすでに「リヴィウ」が定着していて、新聞などでもリビウが使われ始めており、キエフをキイフにするなら、リヴィウはリヴィフやリビフにしなくてはならなくなる道理だが、すでにリビウ・リヴィウが定着し始めている現状で果たしてそれが可能かと言われると少々心許ない。

 このように様々な事情があるとはいえ、どこかでえいやっと移行した方がいいのではないかと思っている。今、かつてないほどウクライナが注目されており、このタイミングで移行を検討してはどうだろうか。一般の人は別にキエフ表記のままでいいが、政府やマスコミが新表記を使用していくと徐々に移行していけるんじゃないかと思う。(徐々にといっても数十年単位の話だが。。。)

 ちなみに、先日、ウクライナ大使館のツイッターアカウントで「キイフ」表記でのツイートがなされていた。キイフで二度ツイートされているので、打ち間違えた、とかではないと思う。

 ごちゃごちゃゆうてまいりましたが、私の意見はこうです。

国名はそのまま「ウクライナ」
首都名は「キイフ」
他の都市は英語読みに合わせる。英語読みはウクライナの方で決まった表記があるので。
ただし、チェルノブイリはチョルノブイリだが、そのまま「チェルノブイリ」

 ただし、決定がなされないうちは、私の中でも揺れ続けていこうと思います(笑)。当面、東ウクライナはロシア語表記、西ウクライナはウクライナ語表記、首都はキエフという表記にしていくことになると思います。

マレーシア機を撃墜したとされるブーク(ブク)について

 昨日、こんなニュースが出ていた。

(CNN) ウクライナ東部上空で今年7月17日に発生したマレーシア航空17便の撃墜事件で、発生の経緯などの究明作業を主導するオランダのティマーマンス外相と同国の検察当局は12日までに、乗客1人の遺体が酸素吸入マスクを装着していた状態で発見されたことを明らかにした。

マスクを着ける時間があったことを意味し、乗客乗員計298人全員が撃墜の衝撃で即死しなかったことを示唆すると受け止められている。

酸素マスク姿の遺体発見、全員即死せずか マレーシア機撃墜(CNN)

 これが親ロ派誤爆説を覆す決定的証拠とはならないと思うが、今回ウクライナ滞在時にこのブークについて通暁している人に話を聞いたので、少しだけ。

 東ウクライナに墜落したマレーシア機については事故原因は分からないとしかいいようがないが、やはり親ロ派の誤爆の可能性が高い、という話だった。一部で言われているようなウクライナ軍による撃墜の可能性は大変低いとのこと。また、当時、ブークについての詳しい報道が出てきた時に言われていたように、ブークは自動追尾して目標物に当たるように作られているので、飛行物体の撃墜自体は数時間程度のレクチャーでも簡単に出来てしまうが、目標物の同定が大変難しい、というのも、その通りだった。以下はWiredの記事。

あまりにも簡単に旅客機を撃墜できるシステム、ロシアの地対空ミサイル「ブク」

 小ネタだが、ブークは目標物に当たる前に細かい破片に散らばるらしいのだが、その時の破片の形は3種類でT型、凹型、H型になるとのこと。こういう細部の話は興味深く、ついつい聞き入ってしまった。しかし、大半は右から左に抜けていったようだが(汗

 ちなみにブークとはロシア語でブナの意味。なんでブナなんかはよう分からんかったが、このブークと呼ばれる「9К37」は同じ地対空ミサイル「2К12(クープ)」の後継機なのだそうで、このクープをロシア語で書くと「куб」(英語だとcube)、これを逆にすると「бук」(ブーク)となる。これが名前の由来ではないかと思ったが、どうだろう。

こちらが聞いてないのに話し続ける人、あるいは、アウトプットの効用

 仕事をしていて、どうにも袋小路に陥って先に進めなくなった時に、誰かにヒントをもらおうとして、相談相手に現状を説明し、どこでスタックしてるかを述べているうちに自分で突破口を見つけてしまうことがある。頭の中だけで考えているときは思いつかなかったのに、誰かに聞いてもらうことで自分の中で整理がつき、どこに問題があるのかがクリアになるものらしい。結局、聞かされた側は相槌を打っただけで一言のアドバイスすらしていないのに問題が解決したらしいので、まあええか、となり、こちらはあっさり自己解決したバツの悪さを感じつつ、時間を取らせたことを謝って、席に戻ることになる。

 もちろん、逆の場合もあって、こちらとしては相槌を打つだけだが、ちょっとひっかかる部分があるとその相槌の感じが多少は変わっているはずで、そういう微妙な空気を双方が感じ、解決策に自然と近づいていくことになるのだろう。

 こうした効果は、カウンセリング効果と似ているのかもしれないが、結局、仕事においてそのようにその場を共有することで得られる何かは間違いなくある。

 しかし、これをもって在宅勤務を否定する方には個人的には与したくはない。やはり、同じ空間を共有することはよい面もあるが、集中してまとまった仕事をやりたいときなどに、こうした「ちょい聞き」をされると、思考の流れが中断されるので、仕事のクオリティが下がる可能性があり、全体として悪い結果を生むことにもつながるともいえるだろう。仕事の性質にもよるが、定期的に会う時間を作るようにすれば、在宅勤務は十分可能だと思っている。

 ここで表題の話となるのだが、世の中にはこちらがあからさまに話を聞いていないことがバレバレなのに、話を続ける人というのがいて、なぜそういうことができるのか、自分なら相手のそういう素振りが見えると、心が折れて、適当なところで話をやめてしまうことになるのだが、と長年疑問に思っていた。その後、歳を重ねるうち、結局、話している本人は別に聞いてもらうことに主眼はなく、自分が話すことそれ自体が重要なのであって、そうやって自分の中でいろいろと情報(場合によっては感情)を整理しているのだな、ということに気づいた。昔は聞いてなくて申し訳ないなぁ、という気持ちがいくらかあったが、今はそういうものとして、適当に流せるようになった。

 とはいえ、ただ一方的に話す、というのは、基本的には迷惑行為といってよいかと思うので、ほどほどにしないといけないだろう。自分はどちらかというと聞き役に回りがちなのだが(リアル知人からツッコミを受けそうだが、流しますw)、話すことを含め、アウトプットの重要性を軽視してきたように思う。

 私はあまりアウトプットしてこなかった人間だが、アウトプットすることの効用は、こうしてブログ記事を書いたり、ツイートしたりすることで自分でもよく認識できるようになった。記憶の定着がいいとか、アウトプットすることで情報をいただけることもある、など、実用面があるし、インプットにもよい影響が出てくるのは間違いない。ネットではロムが基本の人が多数派なんだろうけど、アウトプットの効用は大きいので、最初は小さな一歩でいいので、何かしらアウトプットしていくといろいろいいことがあるかもしれません。

Yoshiro Miyagoshi Website