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ウクライナの地名表記問題 ~ クィーイィウかキーウか、キイフはどうか

 この前、世間話をしていた時に「中国に行く」と言われて、話の流れから隣国の中国のことではないな、と一瞬考えた後わかったのだが、日本では中国というと、隣国の中国と広島などがある中国地方の中国があって、大変紛らわしい。一応、中国地方の方が先なのだが、今やほとんどの人は中国というと国の方を先に思い浮かべるだろう。

 さて、昨日、こんなニュースがあった。

政府 グルジアを「ジョージア」に表記変更へ

グルジア側の要請に応じ、ロシア語を起源とする現在の表記から、英語に由来する「ジョージア」という表記に変更する方針を固め……

 ジョージアというと、日本では、まず缶コーヒーが来て、でなければ、アメリカの州かな、って感じだが、これからはさらに国名が加わり、三つ巴の戦いが頭の中で繰り広げられることになる。正直、紛らわしくてちょっと勘弁な改名だが、当地の方がそう呼んでほしい、という以上、日本側としては希望に沿わないわけにはいかないだろう。

 ウクライナの地名についても、ソ連時代からの呼び方が踏襲され、今に至るまで日本ではロシア語表記が主流となっている。キエフしかり、チェルノブイリしかり。特にこれらの地名は日本国内での浸透度が高く、ウクライナ語読みにすると、いろいろと不都合をきたしてしまい、こうした地名についてはこのままとせざるを得ない、というので、今まで来た。

 ただ、今後もこのままずっとロシア語読みを続けるのかどうかについては、クリミア併合でウクライナのロシア離れの流れは長期的に見て決定的だと思うし、グルジア同様に日本での呼び方を変えてほしい、という依頼が来る可能性はあるのではないかと思っている。

 しかし、ここに少々微妙な問題が発生する。個人的な意見だが、ウクライナ語をそのまま出来るだけ正確を期してカタカナに変えると、日本語として、どうにも座りの悪い語感になってしまうのだ。特に首都のキエフは厄介で、発音に忠実だと「クィーイィウ」あたりになるが、この表記はちょっと一般向けとしては無理があるだろう。そういうわけで、キーウかキイウあたりが候補にあがっているのだが、これらも日本語としてしっくりこない。逆引き広辞苑で見ても「ーウ」も「イウ」で終わる言葉はなく、現地の発音に拘りすぎない方がよいのではないかと思う。(「まいう~」とか一応あるけどね・・・)

 あと、ウクライナ語やロシア語には母音で「ウイ」という音があり、ウクライナ語の地名では結構この音が登場するのだが、「ムィコラーイウ」とか「ジトームィル」とかちょっと日本語として発音しにくい表記になってしまう。(実はチェルノブイリの「ブイ」もそうなのだが、これはちょっと例外ということで)

 ではどうすればいいのか。いろいろ考えた結果、私のおすすめは「キイフ」。ナイフとかワイフとか「○イフ」で終わる言葉もあり、日本語としての語感も悪くないし、何より「キイフ」だと話の流れで「キエフのことかな?」という類推がしやすく、混乱を最小限に抑えつつ、ウクライナ語読みに移行できるメリットがある。

 あと、キイフは英語表記のKyivの発音に近いのも大きなポイントだと思っている。少なくともあと100年以上は世界の最重要言語であり続けるだろうし、頻出でない地名の英語読みというのは、なかなか覚える機会がないので、そのままの発音で通じる、というのは、無視できない重要性があると思っている。ちなみに、キエフの英語表記は以前はKievだったが、徐々にKyiv表記が浸透しており、今後、英語圏の人たちや英語学習者はキイフという発音に移行していくことになるはずである。

 「キイフ」の最大の問題は最後の音に「フ」という本来、ウクライナ語にはない音が出てきている点だが、現実を見てみると、例えばウクライナ第二の都市の今までロシア語読みで「ハリコフ」と呼ばれてきた街をいろんな呼び方で検索すると「ハルキウ」が優勢だが「ハルキフ」も多くひっかっかる。これは英語から直接カタカナにしたためだと思われるが、今後もこの類推での表記がなくなることはないと思う。であれば、この際、フ終わりを正式にしてしまえばよいのではないか。グルジアがグルジア語での国名「サカルトヴェロ」には拘泥せず、英語の圧倒的な浸透力という現実から英語読みの「ジョージア」にするという決定を下したひそみに倣えばよいのではないか。

 このあたり、日本在住のウクライナ人に聞いてみたところ、キエフよりも、国名の「ウクライナ」の発音が気に入らない、という予想外の答えが返ってきた。首都名よりも国の名前か。「ウクライーナ」と書くと近い発音になると思うが、カタカナを発音するときの都合上、どうしても、低高高低低となってしまうので、これはちょっとどうしようもないかも。ちなみに、ロシア語とウクライナ語で発音は微妙に異なるが、「ウクライーナ」で表せると思うが、「ウクライナ」を「ウクライーナ」に変更する必要は私はないと思う。

 英語読みに関して言えば、ウクライナはUkraine「ユークレイン」になるわけで、これに近づけろというのか、と迫られると怯んでしまいそうだし、かつてリボフと呼ばれた西ウクライナの街Lvivについて言えば、自分の中ではすでに「リヴィウ」が定着していて、新聞などでもリビウが使われ始めており、キエフをキイフにするなら、リヴィウはリヴィフやリビフにしなくてはならなくなる道理だが、すでにリビウ・リヴィウが定着し始めている現状で果たしてそれが可能かと言われると少々心許ない。

 このように様々な事情があるとはいえ、どこかでえいやっと移行した方がいいのではないかと思っている。今、かつてないほどウクライナが注目されており、このタイミングで移行を検討してはどうだろうか。一般の人は別にキエフ表記のままでいいが、政府やマスコミが新表記を使用していくと徐々に移行していけるんじゃないかと思う。(徐々にといっても数十年単位の話だが。。。)

 ちなみに、先日、ウクライナ大使館のツイッターアカウントで「キイフ」表記でのツイートがなされていた。キイフで二度ツイートされているので、打ち間違えた、とかではないと思う。

 ごちゃごちゃゆうてまいりましたが、私の意見はこうです。

国名はそのまま「ウクライナ」
首都名は「キイフ」
他の都市は英語読みに合わせる。英語読みはウクライナの方で決まった表記があるので。
ただし、チェルノブイリはチョルノブイリだが、そのまま「チェルノブイリ」

 ただし、決定がなされないうちは、私の中でも揺れ続けていこうと思います(笑)。当面、東ウクライナはロシア語表記、西ウクライナはウクライナ語表記、首都はキエフという表記にしていくことになると思います。

マレーシア機を撃墜したとされるブーク(ブク)について

 昨日、こんなニュースが出ていた。

(CNN) ウクライナ東部上空で今年7月17日に発生したマレーシア航空17便の撃墜事件で、発生の経緯などの究明作業を主導するオランダのティマーマンス外相と同国の検察当局は12日までに、乗客1人の遺体が酸素吸入マスクを装着していた状態で発見されたことを明らかにした。

マスクを着ける時間があったことを意味し、乗客乗員計298人全員が撃墜の衝撃で即死しなかったことを示唆すると受け止められている。

酸素マスク姿の遺体発見、全員即死せずか マレーシア機撃墜(CNN)

 これが親ロ派誤爆説を覆す決定的証拠とはならないと思うが、今回ウクライナ滞在時にこのブークについて通暁している人に話を聞いたので、少しだけ。

 東ウクライナに墜落したマレーシア機については事故原因は分からないとしかいいようがないが、やはり親ロ派の誤爆の可能性が高い、という話だった。一部で言われているようなウクライナ軍による撃墜の可能性は大変低いとのこと。また、当時、ブークについての詳しい報道が出てきた時に言われていたように、ブークは自動追尾して目標物に当たるように作られているので、飛行物体の撃墜自体は数時間程度のレクチャーでも簡単に出来てしまうが、目標物の同定が大変難しい、というのも、その通りだった。以下はWiredの記事。

あまりにも簡単に旅客機を撃墜できるシステム、ロシアの地対空ミサイル「ブク」

 小ネタだが、ブークは目標物に当たる前に細かい破片に散らばるらしいのだが、その時の破片の形は3種類でT型、凹型、H型になるとのこと。こういう細部の話は興味深く、ついつい聞き入ってしまった。しかし、大半は右から左に抜けていったようだが(汗

 ちなみにブークとはロシア語でブナの意味。なんでブナなんかはよう分からんかったが、このブークと呼ばれる「9К37」は同じ地対空ミサイル「2К12(クープ)」の後継機なのだそうで、このクープをロシア語で書くと「куб」(英語だとcube)、これを逆にすると「бук」(ブーク)となる。これが名前の由来ではないかと思ったが、どうだろう。

ザポロージェ訪問記8 街の建築散策

 ザポロージェの街の建築を散策するプログラムがあったので、散歩がてら参加しました。一様に見えるソ連建築ですが、よく見るといろいろと特徴があるもので、興味深いものです。

1949年建設のアパート
1949年建設のアパート
窓にウクライナ国旗
窓にウクライナ国旗

 各地でウクライナ国旗を窓に掲げている方がたくさんいました。

洒落たバルコニーのあるアパート
洒落たバルコニーのあるアパート
菊の御紋?
菊の御紋?

 アパートの窓の上に菊の御紋のようなのがあったが、何か意味があるのだろうか。

一階の窓だった部分がレンガで塞がれている
一階の窓だった部分がレンガで塞がれている

 ウクライナでは建物の一階部分の窓は田舎でも都市部でもたいてい鉄格子的なので守られているが、ここまでしてるのはあまり見かけない。倉庫か何かにしたのだろうか。

徘徊する野良犬の群れ
徘徊する野良犬の群れ

 ほとんど人間を襲うことはないが、ちょうどこの散策時、縄張りを荒らした犬に対して、複数の犬が威嚇し、追い払う、という現場に出くわした。

洒落た建物
洒落た建物
階段部分が丸く出っ張っているスタイルのアパート1
階段部分が丸く出っ張っているスタイルのアパート1
ゴミを漁る人
ゴミを漁る人

 貧富の差が激しく、ゴミ漁りをする人は時々見かける。

静かな昼下がりの住宅街
静かな昼下がりの住宅街
模造銃で遊ぶ子供たち
模造銃で遊ぶ子供たち

 子供が模造銃で遊んでいた。銃のことはさっぱりわからんが、これってライフル銃の模造品だろうか。日本だとせいぜい拳銃のモデルガンぐらいしかないように思うが、日本が平和なのか。

バルコニーの足にひび割れのある建物
バルコニーの足にひび割れのある建物

 地震国ニッポンから見ると怖いが大丈夫なのか

明かり取りとぶっとい柱がモダンな建物
明かり取りと太い柱がモダンな建物

全体が半円形になってる建物(内側)
全体が半円形になってる建物(内側)
全体が半円形になってる建物(外側)
全体が半円形になってる建物(外側)
壊れたベンチ
壊れたベンチ

 アパートの前のベンチというと、たいていお年寄りたちが座っておしゃべりしているものなのだが、ここの出入口ではそういう交流がないということか。

ソ連団地の中庭
ソ連団地の中庭

 ロシア語勉強したての頃、двор(dvor)という単語が時々出てきて、訳語に「中庭」とあるのだが、なんかいまいち想像できなかった。こういう風に旧ソ連圏の団地にはたいてい木々とベンチがある空間がある。

中庭の石
中庭の石

 こんな感じで石を配置して愛でる文化はあまりないように思うが、この中庭にはこんなのがあった。

物干し竿
物干し竿

 こんな感じで物干し台が固定されているもあまり見ないような。いや、気づかないだけであちこちにあったかな。

階段部分が丸く出っ張っているスタイルのアパート2
階段部分が丸く出っ張っているスタイルのアパート2
渡り廊下のある建物
渡り廊下のある建物
駐車禁止
駐車禁止

 駐車禁止とロシア語で書いてある。ウクライナの都市部では公共スペースの駐車場が整備されてなくて、カオスになっているのを時々みかける。

日本円も扱う両替所
日本円も扱う両替所

 珍しく日本円のレートがあるが、売買価格が倍も違ってる。ザポロージェでの日本円での両替の需要はほとんどないと思うので、扱っていない可能性が高そうだが、このレートなら替えてもいいと思わせる。多分、長らく変えていないのだと思われるが。初めてウクライナに来た時は1フリヴニャ25円ぐらいで計算が面倒だったが、今や8円台で1/3になってしまった。だいたい10円ぐらいで計算できるので、便利ではあるが。。。

祝ウクライナ独立23周年記念日
祝ウクライナ独立23周年記念日
ダムの上の道路からの眺め
ダムの上の道路からの眺め

 ダムを近くで展望できるところがあって、何人かで撮影していたところ、警官が飛んできて、橋や発電所の撮影は禁止だと告げられた。警官によっては、SDカードを取り上げてしまう場合もあるようなので、従うべし。私は外国人なので、李下に冠を正さず、ではないが、現地の人以上にこういうのには慎重に対応するように心がけてはいる。

美容院
美容院

 キエフとかではたいていはウクライナ語表記だが、ここではロシア語表記になっている。概ね、こういう生活密着型の商売の看板はロシア語表記、より公用に近い場合はウクライナ語表記になってるような気がする。ちなみにザポロージェの街中ではほとんどウクライナ語を聞くことはなかったが、当地で見たコサックの馬劇場ではウクライナ語で話されていた。

麻薬中毒? アルコール中毒?
麻薬中毒? アルコール中毒?

 「麻薬中毒? アルコール中毒? 無料相談」とある。ウクライナではいずれも深刻な問題となっている。

ウクライナ国旗を手にもつ銅像
ウクライナ国旗を手にもつ銅像

 倒されないための予防のためばかりではないんだろうけど、もうそういう風にしか見えなくなってきた……。

ソ連人民は労働の権利を有する
ソ連人民は労働の権利を有する

 ソ連崩壊から20年以上経つが、こういうのもまだまだ残っている。

ザポロージェ訪問記7 エネルゴダール郊外

 エネルゴダールの貯水湖を見てみよう、というわけで、少し足を伸ばした。

貯水湖の橋1
貯水湖の橋1

 「注意! 水泳・魚釣り禁止」と書かれていて、車両重量1.5t以下、車高1.9m以下、車間距離20m、速度10km制限という標識がある。

貯水湖の橋2
貯水湖の橋2

 なんとドラム缶の浮力で保っている浮き橋だった。

貯水湖の橋3
貯水湖の橋3

 やたらと水面が近く、車で渡るのはちょっと怖い。1.5tを超える車だとやばいことになる(つまり沈んでしまう)のか、というと、一応大丈夫だったが、サビだらけで結構老朽化してる様子だったのでマジ怖かった。

ザポロージェ火力発電所
ザポロージェ火力発電所

 ザポロージェ火力発電所。煙突から盛んに水蒸気が出ている。

ドニエプル川の貯水湖
ドニエプル川の貯水湖

 ほとんど海の風格のある貯水湖。対岸は見えない。琵琶湖は山に囲まれているので対岸が見えないことはまずないが(南北に見ない限りは…)、その広大さが分かる。ちなみに当然ながらダムに沈んだ町や村が数十町村はあったとのこと。

ゴミを捨てるな、という注意書き
ゴミを捨てるな、という注意書き

 最後に、橋のところに書かれていたもので、「ゴミを捨てるな、砂採取は厳禁」などと注意喚起がなされている。こういうのは個人が書いてるのか。犬の見張りがなんとか、とも書かれてもいるが、他の場所でも使われていない建物に犬が何匹も放たれていて、地元の人が「警備員たちさ」とニヤリとしながら言っていた。こういう番犬は本当に噛み付くので、近づかないのが無難。

ザポロージェ訪問記6 エネルゴダールの街並み

 ソ連時代、チェルノブイリ原発に隣接していたプリピャチ市のような産業衛星都市が各地で建設され、多くは原発衛星都市であったようだが、例えばベラルーシではカリウム塩の産地に建設されたソリゴルスクというような街もあった。当地ザポロージェでは原発の隣にエネルゴダール(ウクライナ語読みでエネルホダル)が建設された。

日本の団地のようなエネルゴダールの街並み
日本の団地のようなエネルゴダールの街並み

 こうした衛星都市はソ連各地にあり、私はプリピャチ以外に、スラブチチ、リトアニアのヴィサギナス、そして今回滞在時に訪問したオデッサの近くのテプロダルに行ったことがあるが、いずれも街の端から端までが徒歩圏内で非常にコンパクトに何万人もが住める街が形成されている。特に旧ソ連圏は寒冷地が多く、冬季の暖房用に温水を各家庭に行き渡らせる必要があるため、効率性がより重視される傾向があったはずである。

ウクライナ国旗色に塗られたアパート
ウクライナ国旗色に塗られたアパート

 プリピャチ出身のサーシャと共に訪れたので、サーシャ的にはこの9階建ての建物群がノスタルジーを誘うものらしい。実際、今回撮影してきた建物の階数を改めて数えてみると判で押したように9階建てだった。ただし、プリピャチ市の場合はさらに先進的で9階建てもあったが、16階建ての建物も多かったため、プリピャチ市とは景色は異なる。

ソ連崩壊後は富裕層が一戸建てに住むようになった
ソ連崩壊後は富裕層が一戸建てに住むようになった

 ちなみに、日本の団地がソ連の方式を参考にした、という話があり、例えばこちらのブログ:原武史・重松清『団地の時代』で紹介されている。

 私はこの原武史という著者の「滝山コミューン1974」という、1970年台の東京郊外の団地のリアリティを描いた本を読んだことがあるが、私はこの本に登場する、熱い時代にアドレッセンス期を過ごした実験精神溢れる例の年代の人たちに冷めた感覚を持っていることもあって、興味深くも昔から同じようなことをしてたのだなぁ、という感想を抱きつつ通読したのだが、奇妙な読後感のある本ではあった。

第二次大戦の戦勝記念碑1
第二次大戦の戦勝記念碑1

 ともかく、日本とソ連の間にこんなところで類似性がある、というのは大変興味深いと思ったのは確か。ただ、日本の団地は基本的には住居のみであり、街をまるごと設計したこうした街は、筑波とかそういうのはあるが、これだけの規模で作ったところはないのではないか、と思う。

第二次大戦の戦勝記念碑2「ソ連・勝利」
第二次大戦の戦勝記念碑2「ソ連・勝利」
第二次大戦の戦勝記念碑3「母なる祖国が呼ぶ! 祖国のための偉業」
第二次大戦の戦勝記念碑3「母なる祖国が呼ぶ! 祖国のための偉業」
第二次大戦の戦勝記念碑4「ソビエト人民の偉業は不滅!」
第二次大戦の戦勝記念碑4「ソビエト人民の偉業は不滅!」

 街の中心部にはソ連時代のスローガンがそのまま残されている

エネルゴダールのチェルノブイリ祈念碑
エネルゴダールのチェルノブイリ祈念碑

 チェルノブイリ祈念碑はチェルノブイリから離れた街でもよく見かける。それだけの国家的災難だった、ということだろう。

ザポロージェ原子力発電所への巡回バス
ザポロージェ原子力発電所への巡回バス
ザポロージェ火力発電所への巡回バス
ザポロージェ火力発電所への巡回バス

 このWikipediaロシア語版・ザポロージェ火力発電所の項目によると、ザポロージェの火力発電所はウクライナで最大の火発らしい。ザポロージェ原発近くにさらに火発があるというのは知らなかった。ザポロージェ州は水力・火力・原子力のすべてで、重要な電力供給の役割を果たしている、ということになる。

「エネルゴダール」というホテル
「エネルゴダール」というホテル
「ZAES(ザポロージェ原発)」という名のホテル
「ZAES(ザポロージェ原発)」という名のホテル
横に長いアパート
横に長いアパート

 一番下の写真は普通のアパートだが、一階部分に図書館、書店、家具店などがある他、ファイトクラブ「アタック」というのがあるのが目を引く。格闘技のクラブのようだ。街の貼付広告などからウクライナには格闘技に関心を持つ人が多いように見える。

落書き(єдина країна)
落書き(єдина країна)

 「一つの国」という意味のєдина країнаという文字の上に卑猥な言葉が書かれたが、黄色い文字で再度上書き訂正されている。

エネルゴダール出身の兵士を支援するチャリティ・コンサート
エネルゴダール出身の兵士を支援するチャリティ・コンサート

 ちょうど訪れた時に、中心部の文化会館の前で、エネルゴダールから戦闘に参加している兵士を支援するチャリティ・コンサートが準備中だった。

エネルゴダール遠景
エネルゴダール遠景

 遠くから見てもコンパクトにまとまった街、エネルゴダールを後にした。