ラグビーのルールをおさらいしてみた

 ラグビーネタ三連発、ということで、ラグビーのルールついて少々。

 ラグビーのルールは簡単でなく、小学生時分から見てた私でも反則の理由が分からないことがある。サッカーは比較的単純で、「相手ゴールにボールを入れたら1点入って、点が多い方が勝ち」というルールであるが、オフサイドはわかりにくいと言われる。なぜ、あのような変なルールがあるのか。一言でいうと、待ち伏せ禁止、ということで、紳士の国イギリス発祥のスポーツであり、ズルはいけない、というのが根底にはある。

 ラグビーにも同様の考えが根底にはあり、簡単に言うと、「線を超えたところにボールを置いたら点が入って、点が多い方が勝ち」というのが基本ルールで、それを楽にやらせないために、いろんなルールがある、と考えるとわかりやすいと思う。

 ゴールポストの間にボールを蹴りこんでも点が入るが、ボールを持ち込んだ場合(「トライ」という)、一気に5点も入るので、観客はトライの方を好む。昔は4点だったが、より面白くするために(つまりトライの価値をあげるため)、1992年5点となった。もっと昔は3点だったが、1972年に4点になったようだ。

 今回の快挙は日本以外の目利きの国の人たちをも興奮させるに十分だったようで、各地からいろんな声や様子が届けられている。特に最後の試合展開、ベスト8進出を狙うなら、引き分け狙いもありだったのに「無謀にも」トライを狙いに行く、という判断をし、かつ、ロスタイムに入ってて一つでもミスをしたり、相手にボールが渡った時点で負け確定、という中で、ミスを一つもせず、最後には実際にトライを成し遂げてしまった、という、今、思い出しても、ちょっと鳥肌物の展開だった。ああいう場合って得てして、トライできなかったりするものだから、余計に驚かされ、奇跡とまで言われている。

 ルールについては、動画で見ると分かりやすいので、動画付きのトップリーグ所属のチームのサイトの解説などを見ると大枠だけでもつかめるのではないだろうか。例えば、リコーの ラグビーの基本ルール など。このサイトの動画だと、初級編は丸々中級編に含まれているので、いきなり中級編から見るとよいかも。

 この機会にラグビーのルールをおさらいしてみたが、一部、もやもやとしか分かってなかったところがあった。いくつか箇条書きで自分の「にわか」ぶりを晒しておきます。

●モールについて
こちらのラックとモールはどう違う?を読んでみて、モール形成には「ボールを所持している側のプレーヤー一人、ボールを所持していない側のプレーヤー一人の最低三人のプレーヤーが必要」というのは、改めて、ああそうだったのか、と分かった気になれた。

●コンバージョンゴール
いつからトライの後のゴールキックを「コンバージョンゴール」と呼ぶようになったのか。

●シンビン(Sin Bin = 罪の箱の意)
一時的退出のルールがあることはなんとなく知っていたが、約20年前の1996年から導入されてたとは知らなかった。

●フェアーキャッチ
いつの間にか「空中でのフェアーキャッチを認める」ことになってた。昔は両足を着地して「マーク」と叫んでたが。

 というわけで、関心もたれた方は以下のハイライトなどをどうぞ。

【ラグビーワールドカップ】南アフリカ vs 日本 ハイライト(9/19)

より長いのは英語ナレーションだが、こちらの13分版をどうぞ。

South Africa vs Japan – 2015 Rugby World Cup Highlights

今回の歴史的勝利でラグビーブームが起き、ラグビー部が増えることになるかもしれないが、そうなると練習場所問題が出てくるかも

 さらに検索していると、去年ので ラグビー部員「奇跡」の全国最多 大津の瀬田北中、公立校で という記事が出ていた。

 ちゃんとしたラグビーの試合をするには30人+αを集め、ゴールのポールも必要で、何よりあの複雑なルールをみんなが理解していて、かつしっかりと瞬時に判断できる審判も必要になる、という敷居の高さがあり、競技人口が減るのは仕方がない面もあるが、記事によると、「タグラグビー」というタックルなどの「怖い」要素を省いた簡易ラグビーが小学校で普及し始めているようで、今回の「歴史的事件」もあり、競技人口が増える可能性はあるかもしれない。

 ただ、中学と高校とサッカー部だった私には懸念がある。運動場が十分に広くないと、場所の取り合いで部員同士の抗争が勃発する可能性があるのだ。基本、フィールド系のスポーツとして、日本では野球とサッカーが人気を二分しており、グラウンドの使用もこれらのスポーツがでかい顔をしてより広い面積を使うことが出来ることになっている。私の行っていた中学・高校は公立だったが、ラグビー部があって、三つ巴の闘いが繰り広げられていたのだった。

 しかし、実のところ、サッカー部とラグビー部は概ね仲がよかったりする。ボールが双方の練習してるところに飛んでいくこともよくあったが、お互い様で友好的にやりとりができるからだ。しかし、野球部は違う。まず、ボールが小さくて、当たると痛いし、何よりボール自体が小さいので、咄嗟に今、どこにボールが飛んでいるか分からず、避けようがないのだ。

 さらに悪い事に、野球というのは、練習でも試合の時と同じくらいの広大な面積を必要とする。でないと外野は練習にならないし、レフト方面はサッカー部がいるから、レフトに打ってはいけない、なんてわけにはいかない。この点、サッカーやラグビーは練習で試合分の面積が必要ということはないし、様々な練習メニューがあるので、グラウンドが混雑している時は狭い範囲で出来るメニューをこなせばよい。

 あと、野球というのはグラウンドが荒れているとボールがはねたりして、練習にならず、野球部方面にサッカーボールが飛んで行くと、とても嫌な顔をされたりする。とにかく、そのサッカーのイボイボのついたガサツなシューズで神聖なマウンドに入らないでくれ(野球部側の言い分の意訳)などと言われるので、余計にムカつくのだった。

 個人的な付き合いには影響しないが、そんなわけで部対部では仲がよいとは決して言えなかったのだった。

 一番いいのは野球部に専用のグラウンドで練習してもらうことなのだが、なかなか実際そういうのは難しいので、練習の時間帯をずらすとかするしかないだろう。

 全国でラグビー部がある中学校は中体連のサイトによると、2015年度で357校となっている。野球部の8707校、サッカー部の6973校と比較すると、ほとんどの学校にはそもそもラグビー部がない、という現状になっている。(野球・サッカーはこちらのPDF、ラグビーはこちらのPDFを参照。競技人口も同サイトにあり)

 私は腰痛や膝痛の持病があるのだが、医師の診察を受けたところ、中高時代のサッカーのせいだろう、と言われた。そうした経験から、中学高校時代は成長期なので、身体に大きな負担をかけるこうしたスポーツにあまりに力を入れすぎることには反対だが、適度な運動は様々な効果があるし、チームスポーツは見知らぬ者同士をつなぐ役割もあり、一概には否定はしない。この前もウクライナ人とサッカーをして、和んだし。

 ちょっと先を急ぎすぎたきらいはあるが、ラグビーも見始めると独特の面白さがあるスポーツであり、もっと普及してもいいと思ってるので、今回のことをきっかけにして関心が高まるといいと思う。

ラグビー日本代表が優勝候補の南アフリカに勝利したのはW杯開催効果もあるかも

 日本が南アフリカに勝ち、スクールウォーズ以来のラグビーブーム到来か、というところで、4年後のラグビーW杯開幕に向けて、盛り上がることになるかもしれない。新国立が使われる予定だったが、ゴタゴタで間に合わなくなったのは気の毒なことだっだが、こうして多くの人がラグビーに関心を持ち始めたので、関係者の皆さんも、ほっと胸をなでおろしのではないだろうか。日本ラグビー協会名誉会長・森喜朗元首相の顔はあんまり思い浮かべたくないけど、さぞお喜びのことでしょう。

 今回の活躍は選手たちの「世界一の練習量」に裏打ちされた自信から来るものといえるだろうが、もしかしたら、「W杯開催効果」というのも後押ししているような気がする。

 サッカー日本代表の話だが、1998年の予選の時、すでに2002年の開催が決定していたものの、本戦に自力で出場出来ないのに2002年開催国枠で出場する、というのは、さすがにちょっとやばい、という状況があって、なかなか予選突破できず、加茂監督の更迭もあったりしたものの、イランとの死闘に見事勝利を収め、自力での本戦出場を果たした。やはり、個人的には、日本代表サッカー史上でもっとも記憶に残る瞬間はといえば、あの日の岡野の決勝ゴール、ということになる。普段、どんな場合でも冷静に見る方だが、あの日ばかりはほんまに飛び跳ねたり、叫び声をあげたりしたものだ(ひとりで見てたのに・・・)。

 あの日の試合直後のインタビューで、当時、若き司令塔となり始めていた中田英寿は「代表はうまく盛り上がったんで、あとはJリーグをどうにか盛り上げてください」なんてクールなことを言ってたが、今のラグビー選手も同様の気持ちがあるだろう。将来的にはW杯後を見据え、国内リーグを盛り上げたい意向があるはずだ。

 今や、部活でラグビー部のあるところは少子化の影響もあってか、減少傾向にあるようで、「スクール☆ウォーズ」モデル 伏見工消える…統合で新校名公募 というようなニュースも去年出ていた。

 7人ラグビーをちょっとだけやったことがあるが、身体的接触がきつく、かなり荒っぽい競技に思え、私のような軽量級だと軽くタックル受けるだけでふっとばされてしまうので、圧倒的に身体が大きい方が得、という意識が刷り込まれていたわけであるが、今回、こうして、最軽量の日本が最重量の南アフリカを破った、ということで、ちょうどスペインサッカーが世界を席巻した時のように、身体的に劣っていても、勝つチャンスがある、というのを実力で示したのは、世界的な偉業といっても過言ではないと思う。

 実力で示した、と書いて、ちょっと不安になって「ラグビー 八百長」でリアルタイム検索したところ、森喜朗氏にからめて八百長を疑うツイートがいくつかあったものの(過去に別のスポーツで似たようなことがあったから仕方ないだろう)、試合展開からもその可能性は極めて低く、これは八百長だと断言するようなのはなかった。ラグビー 八百長 南ア戦

 南アに勝利したことで、俄然決勝トーナメント進出が現実味を帯びてきた。これからの闘い次第では、本当にラグビーブームが到来してしまうかもしれないな。